閑話、閑話、雨、閑話(ときどき楊枝削り)。
……故障者リスト入りしてドクターストップのため記事漁りができない御家人です。「いつもの3割くらいでもやれば」という向きがあるかも知れませんが、慣熟運転の8割ペースならともかく、自分を納得させる内容にするためには、やはりある程度以上の記事を漁って目配りする必要があるのです。
病身ゆえデモや集会にも参加できず、淋しい思いをしています。
さて、またまた閑話の今回は、当ブログコメント欄の常連のひとり「otsu-desu」さんに御登場頂きます。
●こんにちは。(otsu-dosu) 2009/05/04/10:52:54
思ったよりもお元気そうで安心しました。
NHK殖民台湾史特別節目 余波蕩漾:NHK何时成了CCTV?
http://www.peacehall.com/news/gb/taiwan/2009/05/200905030215.shtml
(「博訊網」北京時間2009年5月03日転載) 来源:中央社
(・∀・)彡博訊!博訊!
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話は変わりますが、李大同さんの「氷点事件」の本を改めて中国語の方で読んでいます。
途中「民主=統一 非民主=台獨…云々」的な文章が多々登場します。
中国人リベラルの中には、台湾の民意を尊重すべきと考える人も実はけっこういるようですが、「政治改革しないと台湾人は統一を支持しないと思うぞ!」と絶えず脅しをかけている訳ですね。
でももう難しいでしょ。
「otsu-desu」さん、いつも私に智慧をつけて下さるコメント、本当にありがとうございます。m(__)m
しかしながら御家人は「思ったより元気そう」という訳ではありません。記事集めはNG、墨堤行軍はもちろんのこと不要不急の外出も禁止で「家で大人しくしていろ」状態。とはいっても「家探し」をコソーリ行っているのですが、連休入りしたために事実上、動きは止まっています。
ありていにいうと、役所の認識では「非健常者」の範疇に入れられてしまいました。見た目は以前と全く変わらないのですけど。
それはともかくNHKの反日台湾特集、私は頻繁に流されている予告編をみて「ああこりゃダメだ」と思い、噴飯モノの番組で健康を害するのも馬鹿な話だと考えて、ついに本放送も再放送も見逃してしまいました。その気になればYouTubeあたりで拾えるかも知れませんけど。
さて本題。
話は変わりますが、李大同さんの「氷点事件」の本を改めて中国語の方で読んでいます。
途中「民主=統一 非民主=台獨…云々」的な文章が多々登場します。
中国人リベラルの中には、台湾の民意を尊重すべきと考える人も実はけっこういるようですが、「政治改革しないと台湾人は統一を支持しないと思うぞ!」と絶えず脅しをかけている訳ですね。
とのことですが、さっくりとした言い方をすれば、中共政権がいう「民運分子」すなわち民主化運動家もまた中国人であり、民主化を実現した上で「中華復興」を成し遂げようとしているに過ぎません。むろんその「中華」には台湾も当然含まれます。
誤解を恐れずにいえば、中共政権と民運分子は、方法論こそ違えど目指しているものは「中華復興」(ウリナラマンセー)という点で一致している、ともいえます。
台湾の帰属についての証拠はありますよ。事件の核心人物にごく近い筋にインタビューしていながら、私は日本人として斜に構え眉唾な姿勢を崩していない「08憲章」においても、
●自由と民主を前提に台湾と対等な立場で協議の場を持ち、最終的には民主的憲法の下に中華連邦共和国の実現を目指す。
という文言が登場します。「08憲章」にしてこの通りです。たぶん台湾人に対して「民族自決権」を与えよう、とする中国の知識人は、ごく一部の人たちに限定されると思います。「台湾人も中国人」と考える向きが多数派であることの証でしょう。
ですから「台湾を併呑する」という点において、そのために必要とする手続きの内容は違えど、目標は中共政権と同じ、といっていいかと思います。
何だかんだ言っても、所詮は中国人なのです。台湾を我が物とする妄想は中国人にとってごく自然なことと思われます。台湾人こそいい面の皮でしょう。
繰り返し強調しますが、「民運分子」もまた中国人であり、「中華思想」から決して自由ではないことは心得ておくべきだと思います。ですから私は、中国人の民主化運動には声援を送りますが、中国が分裂せずあのままの国土で民主化が実現するなんて脳内お花畑なことは毫も信じていませんし、深く肩入れすることにも積極的ではありません。
お前ら頑張れよ、とりあえず中共政権の足を引っ張るべく、あれこれとマメに働いてくれ、てなところです。
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愛国者であるのなら、在日民運分子はまず入管の手先になって、中国人不法滞在者の摘発に励んでみてはどうでしょう?そうすることで日本人の共感を得る方が実際的だと私は思いますけどね。まさか法治国家において「同胞を売る真似はできない」などと口にするほど間抜けではないでしょうに。
それから、例えば香港の民主派にしても、尖閣諸島は中国のものだと主張したり、国家間での処理が終了して半世紀にもなる軍票に関する賠償訴訟や従軍イワノフ(慰安婦ではない)で騒ぎ、日本総領事館へ抗議に行ったりしています(行くなら英国総領事館でしょ)。むろん報道陣の前限定での選挙運動ではありますが、香港のマスコミは英字紙はともかく、民主派のこうした主張に反駁するところはまずありません。
中国がいまの国家のサイズで民主化できる、というのは、ちょっと非現実的な発想ではないかと。そして、民主化されれば中国が良くなるか、中国人民にとって良い国になるか、というのも甚だ疑問だと,私は考えています。
とはいえ、私は民運分子には頑張って中共を患わせてほしいですし、ブログを通じての支援についてもやぶさかではありません。
ただし、普遍的価値を唱え中国の民主化を主張する中国人も、その圧倒的多数はやはり「中国人」なのだ、ということをまず覚えておく必要があると思います。それを踏まえた上での声援や支援を、ということです。
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ちなみに台湾の現状と前途について。「でももう難しいでしょ。」と「otsu-desu」さんが語っているその主語は政治改革なのか台湾人意識の浸透なのかちょっと判じかねますが、政治改革なら間違いなくもう無理です。
もし台湾のことであれば。……実は昨年までは私もそう考えていたのですが、最近の情勢をみると、そう安んじてもいられないようにも感じられます。
「司馬遼太郎氏と対談したときとは状況が違う」
という意味のことを李登輝・元台湾総統が語っていましたが、大陸からの観光旅行解禁に始まって、そのうち中国企業の対台湾投資が認められる、といったような形で徐々に「植民地」化が進んでいく可能性は決して低くはないように思います。……むろん、
「でも香港と違って台湾は中共の雇われトップではなく、台湾人の直接投票で選ばれているから」
ということはできます。ただし、陳水扁時代に進められた台湾本位の内容を主とする歴史教育などを元に戻す動きがいま馬英九政権において活発になれば、現状維持は現状維持でも「中国ペースの現状維持」になりかねない怖さがあります。
懸念すべきは、台湾人意識を代表し、そこはかとなく独立色を見え隠れさせるような有力政党が、いまの台湾には存在していないことです。総統が国民党なら議会も国民党が圧倒的多数派、という現状において何が行われるかを注視しつつ,自分たちが日本で何をすればよいのかを自問自答していく必要があるでしょう。
確か最近も馬英九政権は日中共同声明(1972年)で示された台湾の帰属に対する日本の基本姿勢を非難するといったことを行っています。油断のならない4年間が、すでに始まっているのです。