D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

Chasing Shadows('07)/ Tony Grey

2008-06-01 21:39:41 | bassist&drummer
気になっていたので、ついでにこれも聴いてみました。
上原ひろみちゃんのバンド・メイトであるベーシストTony Grey(トニー・グレイ)の2nd作“Chasing Shadows”です。
この作品はOli Rockberger(オリ・ロックバーガー)を共同プロデューサーとして迎え、彼の全面的な協力を仰いで制作されたとのこと・・。

personnel:
Tony Grey(b,kb)
Hiromi Uehara(pf)
Oli Rockberger(pf,kb,voice)
Elliot Mason(b-trumpet,trombone)
Gregoire Maret(harmonica)
Chris Dave(d)
Martin Valihora(d)
Don Brantigan(trumpet)
Tim Miller(g)
Ronald Bruner Jr(d)
Lionel Loueke(g,voice)
John Shannon(g)
Bob Reynolds(s-sax,t-sax)

くだんのひろみちゃんとマーティンはそれぞれ1曲ずつ参加してます。
眼を引くのはGregoire Maret(グレゴワ・マレー)の参加ですね。
以前Marcus Miller(マーカス・ミラー)の来日ステージで彼のプレイを間近に観ましたが、正直さえないルックスの兄ちゃんなのに搾り出す音が凄くて圧倒されました。
ライナーを読むと、彼はPat Metheny(パット・メセニー)の作品にも招聘されてるようですね。
あとは話題のギタリストLionel Loueke(ライオネル・ルエケ)の参加なんかがいかにもです。
その他バークリー人脈で固めた模様。
全体的に、オリのピアノ&キーボードがかなりの部分を上手くフォローしてる感じがします。

tracks:
1.Chasing Shadows
2.Walking In Walking Out
3.Guiding Light
4.No Mans Land
5.Don't Look For Love
6.Peace Of Mind
7.Dark Within
8.One Of Those Lives
9.Where Does It End

近年のコンテンポラリー・ジャズはなべてワールド・ミュージックへとシフトしてるのは明白ですよね。
メセニーやRichard Bona(リチャード・ボナ)らのテイストが席巻している状況はある意味仕方が無いのかもしれません。
Mike Stern(マイク・スターン)の密かなメセニーへの憧憬と似た、グレイのボナへの同じような想いみたいなものを、私はこの作品を聴いて強く感じました。
マレーのハープやルエケのギターなどの響きが、一層そんな雰囲気を強調しているのかも知れません。
それにも増して、グレイのリードベースの甘いサウンドがメセニーのギターに酷似している事なども、そんな印象を受けた原因じゃないかと・・。

ただ、単なるドジョウ狙いではないのは明白ですね。
グレイの心象風景とも言うべき世界がそこに展開されているように感じます。
サウンドが流行り寄りになるのは仕方ありませんが、それ以上に心地よい音空間が創出されている訳です。

#1“Chasing Shadows”からかなり気持ちよくて、全編通じていい感じなんですよ。
なんといっても、それぞれの面子がエゴを押し通した演奏を一切してないのが気持ちいいですね。
あくまで、メロディなり雰囲気を重視してるスタンスなのが、実に素晴らしいす。

個人的には、一番ロック寄りな#3“Guiding Light”が一押しかな。
U2のエッジみたいな雰囲気が濃いオリのピアノと伸びやかなDon Brantigan(ドン・ブランティガン)のペットがカッチョエエですね。
で、7/8のモロアフロな#8“One Of Those Lives”が次点ってとこですか。
こっちは例のルエケが大活躍・・ボナの影がチラホラと。(笑)

あと面白いのは、#5“Don't Look For Love”で、リズムが完璧に時計と合ってます。
カウンターとシンクロしてるのが聴いてて(見てて?笑)面白いですよ。
時計のリズムって、意外と散歩の歩調に合うって思いませんか。
・・これは通勤時に活躍するかもですね。

これは皆様にも強力にお勧めしたい作品でございますネ。(笑)


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怒涛の記事アップですね (桃猫)
2008-06-02 00:23:10
こんばんは。トニー・グレイは、かなりのイケメンですよ、一応訂正しておきます(笑)。イマドキの青年なので、学生時代は、ドラムンベースに興じていたので、クラブサウンドの影響が大です。叔父さんは、マクラフリンらしいんですが、パット・メセニーのサウンドが好きらしいです。ファーストアルバムの方が、個性的だったんですが、2枚目は、落ち着いた作品となっています。テクニックは、かなりスゴイものがあります。右手のフィンガリングがナイスでした。
* コメント機能、復帰したみたいです。すみません。
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桃猫様 (elmar35)
2008-06-02 21:00:34
コメントありがとうございます。
やっぱ、メセニー好きでしたか。
ホント、どいつもこいつもって感じですね、最近。
でも、これはかなり良いと思いましたよ。

また時間の在る時に、そちらにゆっくり伺わせて頂きます。
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