80点
関東視聴率:21.2% 非常にバランスの取れた素晴らしい第1話でした。 エピソードに無駄が無く、テンポも良い。 脚本の林宏司はさらに安定感を増しましたね。 内容的にも視聴率的にも今期NO.1候補です。 まず新人フライトドクター候補生4人(山下智久、新垣結衣、戸田恵梨香、浅利陽介)のコントラストが素晴らしい。 それぞれのエピソードに無駄が無く、短い時間しっかりとキャラ立てが出来ています。 (まあしいていえば緋山美帆子(戸田恵梨香)のキャラはまだちょっと未消化気味ですが…) しかもただそれぞれのキャラを確立するだけじゃなくて、他の候補生との比較、差別化がしっかり出来ています。 特に“少女(川島海荷)が腕を切断することに心を痛める藤川一男(浅利陽介)”と“事故現場で少年の命を助ける為に躊躇無く彼の腕を切断する藍沢耕作(山下智久)”との比較はとても分りやすく秀逸でした。 この辺の立体構成は群像劇に基本なのですが、それ出来る脚本家は現在では貴重ですね。 又、このドラマは始まってからしばらく主人公である藍沢耕作が一切しゃべりません。 これはとても効果的手法なのですが、それが見事にハマっていましたね。 最近のドラマは登場したばかりの主人公がすぐに自分のことをベラベラと喋り始めることが多いです。 確かにセリフで説明してしまえばキャラクターを視聴者に理解してもらうことは簡単かもしれません。 しかし理解はしてもらえても、感情移入してはもらえません。 視聴者からしてみれば、どこの誰だか分らない人間の話なんて興味が無いからです。 どうせ聞いてもらえないのなら主人公の自分語りは後回しにして、筋を先に進めたほうが無駄な時間を掛けずに済みます。 エピソードを進めて視聴者が主人公に興味を抱いた後でなら、彼の話に耳を傾けてくれます。 又、何も喋らない主人公の方が逆に視聴者は気になってしまいます。 「こいつは何で喋らないんだろう?」「クール・キャラなのかな?」など色々と想像します。 実は主人公が自分のことを話さないほうが視聴者に興味を持ってもらえる場合が多いんです。 こんなに効果的な手法なのに最近は上手く使っているドラマ少ないですね。 説明よりもまずは芝居ありき、これが連続ドラマ第1話の鉄則だと思うのですが… それにしても出演者が豪華ですね。 スタッフの気合が伝わります。 豪華キャストの場合お互いがかみ合わず、不協和音を発することが多いのですが、今回は大丈夫そうです。 主演の山下智久は体重を絞って以前より精悍な顔立ちになっていて、今回の役に物凄くハマっています。 新垣結衣や戸田恵梨香、浅利陽介など他の若手俳優達も、良い意味で青臭くてとても魅力的でした。 又、脇を固めるベテラン達(柳葉敏郎、杉本哲太、りょう他)もとても良い味を出しています。 これで主題歌がMr.Childrenなので、ラストも否応なしに盛り上がります。 久しぶりに期待できるドラマに出会えました。 来週も楽しみですね。
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50点
関東視聴率:16% 第2話で早速失速してきました。 藍沢耕作(山下智久)のエピソードは良いのですが、他の3人の候補生の話がイマイチ。 特に前回に続いて緋山美帆子(戸田恵梨香)の描き方が雑です。 スタッフはこの役に愛着を持っていないのでしょうか。 キャラクターが全然立っていません。 他の3人と違い個性が全くありません。 どうせならもっとヒール・キャラにするとか、仕事よりもプライベートに重きを置く役にするとか、他の3人とは明確な違いを出して欲しいです。 そうしないと緋山美帆子という役がこのドラマにいる意味が無くなります。 せっかくのキャストが勿体無い。 戸田恵梨香はもっと泥臭い演技が出来る女優ですよ。 今回は緋山美帆子がヘリに乗ります。 到着した現場で彼女は白石恵(新垣結衣)と同様に現場でパニックを起こして何も出来ませんでした。 彼女が失敗するいう流れは良いのですが、白石と同じことをしてしまうのはちょっとワンパターンですね。 せっかくキャラの違う4人なのですから、それぞれヴァリエーションに富んだ失敗や挫折を描くべきではないでしょうか。 それなのに白石の時と全く同じ失敗でした。 ちょっと引き出しが少な過ぎるんじゃないでしょうか。 あまりのワンパーターンで、まだ2話なのにちょっと飽きてきてしまいました。 今回で1番良かったのは、藍沢のエピソードです、 特に彼が誤診をするシーンを省略していたのが良かった。 誤診をしたお婆さんが翌日に急変して病院に運ばれるシーンから始めています。 最近の脚本家はトラブルが発生する原因から描いていてしまう人が多い。 視聴者が見たいのトラブルであったそれが生まれる原因では無いのに。 いきなりトラブルから始める方が視聴者を効果的にドラマに引き込めます。 しかも、無駄な尺も節約できます。 些細な事ですが、こういった基本的なことが出来る脚本家が少なくなってしまいましたね。 4人のエピソードを魅力的に描いていくことは大変難しいとは思います。 ただ脚本の林宏司は実力の有る人なのでもっと頑張ってほしいですね。 次回は巻き返しを期待します。
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40点
関東視聴率:16.0% 今回もイマイチ。 ある程度のクオリティは保っているのですが、どうも見ていてノレないです。 さすがに3話目なのでもう少し各キャラクターを掘り出して欲しいですね。 殆ど全員が第1話から変わらず深みが増していないです。 皆同じような行動パターンでしか動いていない。 これでは先の展開も予測出来てしまいます。 第1話では上手くキャラ立てが出来ていたのですから、それをもっと続けて欲しいです。 何度も言いますが緋山美帆子(戸田恵梨香)はこのドラマに必要な役とは思えない。 出番は多いのですが、決して彼女のキャラクターを引き出す芝居ではありません。 せっかくのメインなのでもっとしっかりした役割や見せ場を持たせるべきでは無いでしょうか。 これは脚本というよりは企画段階での設定の甘さが原因です。 どうも日本では群像ドラマの名作が生まれにくいですね。 やはり一人の脚本家が書くのに限界があるのでしょうか。 海外ドラマやアニメのように複数の脚本家で書いたほうが良いのかもしれません。 特に群像劇にはより多くの客観的視点が必要なので。 期待しているドラマなので、スタッフにはもう少し頑張って欲しいですね。
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40点
関東視聴率:13.2% 今回のテーマは“親子”でした。 前回の“名前”のように毎回テーマを決めて、それぞれの登場人物のエピソードを描いています。 そうすることによって独立した各エピソードの統一感を持たせています。 この辺はとても上手構成だと思います。 とはいえ見ていてどうも物足りない。 もう4回目なのにキャラの深堀りがしっかり出来ていないからです。 1話では上手くキャラ立ていましたが、その後のエピソードでそのフォローすることに失敗しています。 キャラが薄っぺらいままなので見ていて感情移入できません。 そのためどんなエピソードを見ても心に伝わってきません。 何度も言いますが、特に緋山美帆子(戸田恵梨香)のキャラが弱い。 今回は彼女の出番がいつもより多いのですが、それでもキャラの確立が出来ていません。 彼女がどんな人かが分らないので、エピソードを見ていても他人事にしか思えず、話に入っていけません。 特に他の3人がある程度キャラが立っているので、それに比べると余計に彼女の存在意義が分りません。 あと藍沢耕作(山下智久)が良い人になるのが早すぎ。 もっとクール・キャラで引っ張り続けて欲しかった。 せめて後半に入るまでは良い部分を見せて欲しくなかった。 ここまで早く“良い人キャラ”になってしまうと、“クール・キャラ”とのギャップがあまり楽しめません。 回を追うごとに盛り上がるどころかトーン・ダウンしてきています。 なんとかテコ入れして欲しいですね。
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40点
関東視聴率:15.7% もうキャラ立てはあきらめました。 このままキャラが確立されないまま最後までいくでしょう。 ストーリーはちょっとマンネリ気味になってきましたね。 そのため先の展開も安易に読めてしまう。 これじゃあドキドキハラハラ出来ないです。 白けてしまって感情移入も出来ないです。 さすがに5話まできたので今後はもっと展開のバリエーションを見せて欲しいですね。 「医龍」と違ってオリジナルなので「救命病棟24時」や「ER」みたいに複数の脚本家に書いてもらったほうが良かったのでは。 まあ林宏司のレベルで医療ものが書ける脚本家はあまりいないでしょうが。 まあそれでも今クールのドラマの中では良く出来ている方だと思います。 今期はかなりレベルが低いので。
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40点
関東視聴率:15.6% 今回内容的には悪くなかったのですが、シリーズ構成的に不満が残りました。 単体で見れば面白い回だっただけに残念です。 藍沢耕作(山下智久)の弱さ、人間臭さが前面に出ている話なのですが、これまでの流れが中途半端なので感動も半減でした。 以前も書きましたが藍沢はもっとクール・キャラに徹しているべきだったと思います。 少なくとも今回の話の前までは。 そうすれば普段の藍沢と今回の藍沢とのギャップで視聴者の感動は倍増したでしょう。 この落差が大きければ大きいほどドラマチックになります。 それなのに何度も人間らしさが垣間見られるエピソードを序盤から入れてしまっていたので、あまり意外性が感じられなかった。 完全にシリーズ構成を失敗していますね。 今回の様な話を事前に考えていたのなら、それまでは藍沢は徹底して人間味の無いクールキャラとして描くべきだったのでは。 ギャップを描くならトコトンやらないと。 中途半端は一番よくない。 「振り返れば奴がいる」を見習って欲しいですね。 今クールはまともに見れるドラマがこれしかないので、もっと頑張って欲しいです。
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30点
関東視聴率:10.8% あまり好感の持てる話じゃなかったですね。 細部にアラも目立ちました。 今回のテーマは“本音をぶっちゃける”ということなのですが、ちょっと作りが雑ですね。 特に冴島はるか(比嘉愛未)の話が。 普通こういったテーマをやる場合は、本音をぶっちゃけることによって何か劇的な変化があり、そこでカタルシスを感じられます。 しかし、彼女の場合はただ本音をぶっちゃけただけ。 しかもかなりヒドイ事を元恋人(平山広行)にぶちまけます。 そんなシーンを見させられてもただ不愉快なだけです。 何の救いもありません。 どうしてこのような中途半端なエピソードを入れたのでしょうか。 確かにリアルさは感じられましたが、このドラマはそういったタイプのものでは無いと思います。 もっとベタな展開の方が視聴者に喜ばれるのでは。 又、ラストの藍沢(山下智久)のお婆さん(島かおり)が突然ご飯を食べ始めるのシーンも意味不明。 しかも何故か手づかみで… もっと分りやすいキッカケを作ってあげないと、視聴者置き去りですよ。 全体的に非常に荒く、今までで一番つまらない回でした。 今後の展開が不安です。
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30点
関東視聴率:13.4% 今回は前回同様繋ぎの回ですね。 とりたてて面白くないエピソードが本筋でした。 連続ドラマなのだから1回くらいこういった回があっても良いだろうというスタッフの甘えが感じられます。 さすがに2回続けられると見ていて辛いです。 今回思ったのですが、このドラマに足りないのは“悪意”だと思います。 出てくる登場人物がみんな良い人ばかりです。 そのため、主人公達の行動に障害が少なく流れるように話が進んでしまっています。 これではハラハラドキドキも少なく見ていて面白くありません。 又、“悪意”は人間の魅力の1つです。 それをドラマに盛り込むことによって、ドラマに深みが増します。 その深みがこのドラマには欠けているのです。 もっと人間のドロドロした部分も描いて欲しいですね。 「白い巨頭」「医龍」など人気の医療ドラマは“悪意”がたくさん詰まっていますよ。 だからこそ面白いのです。 今回のラストで黒田脩二(柳葉敏郎)がケガしてしまいます。 来週への引っ張りとして効果的でした。 今後は最終回に向けて盛り上がっていくことでしょう。 来週以降に期待です。
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30点
関東視聴率:15.8% 話は盛り上がってきましたが、どうにも感情移入が出来ません。 いままでのツケが回ってきた感じがします。 もう9話目なのですがメイン・キャスト達のキャラクターが確立していません。 今だに彼がどんな人間なのかが分りません。 そのため感情移入が出来ないので、ドラマで起こっている出来事を冷めた目線でしか見ることが出来ません。これでは見ていて面白くありませんよ。 今回のドラマは群像劇なので登場人物も多い。 ワン・クールで総てのキャラクターを立たせることは難しいとは思います。 ただもし出来ないのであれば、登場人物を減らすか、何人かの途上人物に絞ってそのキャラクターを重点的に描写するか、などの対処の仕方もあったと思います。 このドラマのスタッフは自分達の実力を過信し、ついつい欲張ってしまったのでしょう。 その結果、誰一人魅力的なキャラクターのいないドラマになってしまいました。 少なくとも脚本家は複数で書いたほうが良かったのでは。 描写が足りないだけでなく、登場人物のキャラクター像が常にグラグラ揺れています。 特に藍沢耕作(山下智久)と黒田脩二(柳葉敏郎)のキャラは軸がブレ過ぎ。 もともと人間は多面性のある生き物なので、色々な顔を持っているほうがリアリティは増すのですが、その総ての顔に説得力がなければ、ドラマの世界では通用しません。 上辺だけの人物描写では視聴者の心は掴めないと思います。 出足が良かったドラマだけにその後の失速振りがとても残念です。
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20点
関東視聴率:19.5% なんか取ってつけたような最終回でしたね。 今までの話との連動性が薄いので、どうにも盛り上がりに掛けてしまいました。 唯一盛り上がったのは藤川一男(浅利陽介)が初めてヘリに乗ったシーンですね。 全体を通して見ると初回が一番面白くて、徐々に詰まらなくなっていった感じがします。 登場人物に魅力を感じられなかったので、ストーリーにものめり込めませんでした。 このドラマに限りませんが、最近のドラマは次回の話が気になる作品が少ないと思います。 それが視聴率の低迷に繋がっているのでは。 海外ドラマとの決定的な差はここにあると思います。 だから視聴者はそちらに流れているのでしょう。 このままでは日本のドラマはますます駄目になってしまうでしょう。 現場のスタッフには奮起してもらいたいものです。
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