2005-09-25

preview-latex のインストール (2005/9) |AUCTeX|

preview-latexGNU Emacs の TeX 入力支援ツールの一つで、数式やアクセント記号を画像で表示する ( See screenshot)。 AUCTeX のメンテナーである David Kastrup 氏を中心に開発が進められ、今年始めに AUCTeX プロジェクトに併合された。現在、preview-latex を配布に含めた AUCTeX をバージョン 11.80 としてリリースするため作業中。3 月頃から、「あと二週間で 11.80 リリース」という話が (何度も) 出てるけど、未だリリースされず... 今年中のリリースなるか? (きっと無理だな Xp)

さて、preview-latex の正式最新版は 0.9.1 (2005-04-03)。だけど、 AUCTeX にマージされてから、いくつかの (重要な) バグ・フィクスが入ってるので、開発版 AUCTeX のインストールの仕方を書いてみる。なお、開発版 AUCTeX 単体のインストール方法は AUCTeX のインストール 2005/9に書いた。preview-latex のインストールに躓いたら、 AUCTeX のインストールそのものに失敗してないか、まず確かめて下さい。

せっかち者のための Quick Start

インストールの流れは、 AUCTeX のインストールと全く同じ (楽になったものだ ^^)。

$ cvs -z3 -d:ext:[email protected]:/cvsroot/auctex co auctex
$ cd auctex
$ ./autogen.sh
$ ./configure
$ make
# make install

.emacs ファイルに、次のコードを入れる。

(load "auctex.el" nil t t)
(load "preview-latex.el" nil t t)

preview-latex は、バックエンドで TeX を走らせ DVI ファイルを得る。その DVI ファイルから数式などを画像に変換している。この時、デフォールトでは Ghostscript が使われるが画像の生成スピードが遅い。もしか dvipng がインストールされていれば、次の設定を .emacs に足そう。体感スピードが上がるはず。

(setq preview-image-type 'dvipng)

なお、dvipng のインストール方法については dvipng 1.6 を使ってみる を参照のこと。

preview-latex を使ってみる

ちゃんと動くか試してみましょ。サンプルのソースは下記のものを使う。ファイル名は foo.tex。

\documentclass{jarticle}
\begin{document}
\section{preview-latex のテスト}
有名なピタゴラスの定理は、三角形の長辺 $x$ の (以下略)
\begin{equation}
 x^2 = y^2 + z^2
\end{equation}
\end{document}

foo.tex のバッファーで C-c C-p C-d

Cache preamble? (y or n)

と聞かれるので、 y と入力。すると、次のように、数式とセクション部分が画像でプレビューされる。日本語も OK。

カーソルを画像部分の中に入れると、ソースが表示される。そのまま色の変わった部分から、カーソルを外に出すと、また画像に戻る。

ソースを編集したら、 C-c C-p C-p でその場所だけ preview-latex を実行する。

プレビューを解除するには、 C-c C-p C-c C-d

古い preview-latex は tex-fold と競合して Emacs を殺してくれたが、開発版では修正されてる。また、もっと古い preview-latex だと、 \usepackage{preview} という一文が必要だったが、それも要らなくなった。

残念なことに、開発版の preview-latex は YaTeX と一緒に動かない。preview-latex 0.9.1 もどうだろう? preview-latex と同じようなツールに XSymbol があるので、 YaTeX 使いはこちらを使うとよいかも。ただし、開発版の GNU Emacs と相性が悪い気がするので僕はもう XSymbol は使っていない。

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