わたしにとっての南三陸町は、その母子の輝きそのものである。町の記憶は匂いや光や言葉とともに、あの筆舌に尽くし難い圧倒的な生命力と分かちがたくわたしのなかにある。津波にも地震にも奪いきれないものが、わたしたちのなかにはある。週刊新潮連載エッセイ「オモロマンティック・ボム!」をまとめたものの2冊目。 週刊新潮の連載が多く、一部、震災直後の時期の日経夕刊のエッセイも加えています。どのような力をもってしても...
誰にも見せない日記のように、誰かに語りかけている。芥川賞作家が日常から零れ落ちる言葉たちを拾いあつめた、自由律で不定型、新しいかたちのエッセイ集。読売新聞のウェブサイト「ヨリモ」連載の日記風エッセイをまとめた一冊。無頓着な食と執着する睡眠に身体の鋭敏な五感、世間が持つ概念への洞察と妄想、自由奔放な言葉で、作家としての日常や私としての人生を楽しく含蓄深く綴っています。「発光地帯」川上未映子さんの簡潔...
恋人の浮気を直感ピッコン+泣き落としで突き止めた話、乗ったタクシーが事故を起こし血まみれになった運転手が必死に書いて渡してくれた物とは? 襟足から下の方まで「毛」に対するこだわり、午前二時過ぎの恐怖体験、牛肉を冷蔵庫に入れるのはいいのにハムスターの死骸を入れるのはなぜ嫌なのかという哲学的考察などなど、人気作家の摩訶不思議な頭の中と、世界の摩訶不思議な人間たちの姿が垣間見られる???エッセイ集。夏のひ...
衝撃的感動!芥川賞受賞後初の傑作長篇。「苛められ暴力を受け、なぜ僕はそれに従うことしかできないのか」頬を濡らすあてのない涙。14歳の苛めを正面から描き、生の意味を問う、哀しくも美しい物語。「僕とコジマの友情は永遠に続くはずだった。もし彼らが僕たちを放っておいてくれたなら―」驚愕と衝撃、圧倒的感動。涙がとめどなく流れる―。善悪の根源を問う、著者初の長篇小説。“わたしたちは仲間です”―十四歳のある日、同級...