市役所に勤務する岩室とペット葬儀社で働く手原は、大阪の新興住宅街地に居を構える隣人同士。しかし、小さな誤解からお互いに始めた嫌がらせが、職場や家族までも巻き込むエスカレートぶり。どんなにムカついても、腹が立っても、「猫をかぶった状態」でやり過ごすのが、普通の大人である―が、仮面が一度剥がれてしまったら!?お互いに引くに引けず、誹謗中傷嫌がらせがどこまでもヒートアップする泥仕合…。隣の家の住人が気に入...
池に落ちているルアーで楽に商売ができないかと考えた食堂の息子、バス釣り人を悪者にする映像を撮るために奮闘するプロデューサー…。ブラックバス騒動の周辺で地味に人生を狂わされた人々を描くシニカル・ユーモア連作集。日本在来種減少の一因であるブラックバスは駆除しなければと思っている人たち。 スポーツフィッシングとしての愛好家も多く擁護派VS駆除派での諍い。など、バスを巡る人々の災難を描く7編の短編集です。バ...
舞台はある地方都市。この地方には「奇跡を信じたければ、釣りをするがいい」という言い伝えが残っていたが、それを知る人もいまは少なくなっていた…。思いがけず釣りをすることになった主人公たちが熱中するうちに、小さな奇跡が起き始める。言い伝えは本当だったのか!?次の休日には思わず釣りに行きたくなる物語。川を中心に人生の問題を抱えた人々が一人一編ずつ主人公になる連作短編集。どの登場人物も背負った自分を懸命に生...
探偵という職業には、どこか胡散臭さが漂う。本書は、そんな怪しげなイメージを地でいく、調査費水増し請求、調査結果捏造なんて当たり前な探偵たちのあきれた行状を暴露する、ブラック系連作短篇集。探偵業で得たノウハウを駆使してさまざまな悪事を計画する「受けた恩義は」、探偵として一本立ちするという野望を抱いた男のトホホな顛末を描いた「カネのにおい」ほか全六編を収載。『かび』『とげ』など、巻き込まれ系小説の旗手...