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リニア中央新幹線静岡工区の「水問題」で、静岡県とJR東海が工事で大井川の水資源に影響が生じた場合の補償対応に関して合意した。国土交通省の水嶋智事務次官が立ち会い、静岡県の鈴木康友知事とJR東海の丹羽俊介社長が合意内容の確認書に署名した。長らく議論してきた大井川の水資源問題に関する節目となる。合意文書の締結により、静岡工区は2026年中に着工される見通しだ。締結式は大井川流域の8市2町の首長らも参加し、26年1月24日に静岡県庁で実施した。 次のページ 静岡県工区は未着工 この記事は有料会員限定です
300年以上の歴史があり、これまで枯れたことがないと言われる「天王様の井戸」で水がなくなった。2025年9月撮影(写真:日経クロステック) 岐阜県瑞浪市大湫(おおくて)町で数百年枯れることのなかった井戸が干上がった。この地区では、直下を通るリニア中央新幹線「日吉トンネル」の工事の影響で地下水位が低下。地盤沈下も観測されている。低下した水位を回復する手立ては見つかっていない。 こうした実情を2025年11月4日に日経クロステックで報じたところ、SNS上で多数のコメントが投稿された。その中でも目立ったのが、「静岡県の川勝前知事は正しかった」といった意見だ。 静岡県では川勝平太前知事がリニア工事によって大井川の水資源が失われる恐れがあると主張。県内からの地下水流出を一切認めない強硬姿勢でJR東海と対立した。 前知事に対しては在任当時、一定の支持があった一方で、ごねているだけだと批判する声も強かっ
和歌山市の「旧河西橋(かせいばし)」が撤去工事中に崩落した事故は、施工者が桁をクレーンで吊(つ)り上げられるよう、軽量化のため勝手に補強材を抜き取ったことが原因だと判明した。本来、補強材には手を付けず、桁と一体化した床版コンクリートを手作業ではつる手順だった。施工者が手間のかかるはつり作業を怠った。市は事故原因の判明を受け、2026年1月14日に橋の撤去工事を再開した。 次のページ 施工手順を変えた理由は「合成桁」 この記事は有料会員限定です
今回は2025年12月に登場した「VAIO Vision+ 14」をレビューする。2024年7月発売の前モデルとの違いは、主にカバースタンドが軽量化された点だ。最近モバイルモニターの利用を検討している人にとっては魅力的なモデルなので、その特徴を中心にレビューしていこう。 まず注目したいのは軽さだ。本体は立体成型カーボンを採用するなどして、約325グラムという軽さを実現している。14型ワイドのモバイルモニターとしては世界最軽量だという。僕は数十台のモバイルモニターをレビューしているが、確かに非常に軽く、多くの製品とは100グラム以上の差を付けているだろう。最薄部が約3.9ミリメートルとスリムなのも特徴の1つで、デザインはキレッキレである。 ただし、軽いだけではなく耐衝撃性能にも気を配っている。通勤ラッシュ時に車内で押される圧力やひねり負荷、落下衝撃などにも対応するという。 手にしてみると、あ
最近つくづく思うのだが、日本のIT/デジタルの世界は完全に2つに分断されているよね。技術者はどちらかの住人であり、互いに交わることはない。なんで「世界」や「住人」といった訳の分からない言い方をするかというと、IT業界だけなく一般企業(ユーザー企業)の社内でも完全に分断されているからだ。SIerを親玉とする人月商売のIT業界と、客のIT部門は、同じ世界に所属する。そして、もう1つ「キラキラと輝いている」ように見える世界が別にある。 もう1つの世界とは、勘の良い読者なら既に気付いたことと思う。そう、ITスタートアップが続々と誕生し、クラウドや生成AI(人工知能)関連など最新のIT/デジタル技術を活用した新事業に挑む世界だ。会計不正で旧経営陣が逮捕されて倒産したAI関連サービスの開発企業のように、まがいものが混じることもたまにはあるが、基本的には「キラキラした」世界だ。そして一般企業でも、最近新
住宅会社がこだわった独自の基礎断熱と換気方法が原因で、引き渡しからわずか半月という短期間のうちに、壁や床にカビが発生した。床下のカビを、室内に拡散させていたようだ。基礎断熱に多いパターンのトラブルで、注意が必要だ。 首都圏のある高断熱・高気密住宅では、7月の引き渡しからわずか半月でカビが大量に発生した。リビングの壁掛け時計、小上がり下の収納、納戸、トイレ、洗面所など、1階の広範囲にカビが広がった〔写真1、2〕。
不確実性の高まる世界情勢、高市新政権への期待、労働人口の減少、AI(人工知能)のさらなる進化……どの業界に飛躍のチャンスがあり、企業はどう備えるべきなのか。幅広いシーンで活用されている『日経業界地図 2026年版』から、要注目分野の「業界地図」を紹介する。今回はAIエージェントブームに沸く「ソフトウエア」業界を見ていこう。 米マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」や「ワード」「エクセル」などが代表格。近年はクラウドを通じてソフトウエアを提供し、売り切り型ではなく継続的に課金する「SaaS(サース)」が主流となっている。
阪大には量子研究のためのソフト開発実績があった。それを受けて声がかかったのだった。森は、量子機械学習を研究するために2022年にQIQBへ参加したばかり。依頼に応える形で急きょ国産量子コンピューターの開発に関わることになった。しかし、それは少々困った依頼だった。 「要件定義書ないんですか」 サービス公開まで時間のないタイミングで、依頼された内容はシンプルなものだった。 「とりあえずクラウド経由でつながればいいんです。トランスパイラ(量子ビットチップの制約などを考慮した変換処理を実行するソフト)もなくても大丈夫です」「量子回路(プログラム)はcurl(コマンドラインからHTTP通信を行うツール)で投げられれば十分です」 「あのー、要件定義書はないんですか?」 「ありません。とにかく動くようにしてほしいんです」 ソフトウエア開発に必須の要件定義がないとは。漠然とした依頼に森と束野は困惑した。実
現在、AI(人工知能)エージェント技術は日進月歩で進化しているが、驚くべきことにその技術仕様はAIベンダー間で即座に共通化されている。米Anthropic(アンソロピック)が新しいAIエージェントの技術や仕様を開発すると、米Microsoft(マイクロソフト)や米Google(グーグル)といった競合が即座に追従する構図が出来上がっているためだ。 驚くべきスピードで共通化された最新の技術仕様が、AIエージェントの能力を拡張する仕組みである「Agent Skills」だ。アンソロピックがAgent Skillsを自社のAIサービスである「Claude」に実装したのは2025年10月16日(米国時間)とわずか3カ月前のことなのだが、今ではマイクロソフトや子会社の米GitHub(ギットハブ)、グーグル、米OpenAI(オープンAI)、「Cursor」の開発元である米Anysphere(エニースフィ
AI(人工知能)競争で劣勢に立たされていた米Google(グーグル)が息を吹き返した。原動力は世界最先端のAI研究開発組織であるGoogle DeepMind(グーグル・ディープマインド、以下GDM)だ。3年前に英DeepMind(ディープマインド)とAI開発組織のGoogle Brain(グーグル・ブレイン)を統合。単なるR&D(研究開発)部門から、「AI開発の司令塔」へと変貌した。GDMが好調な要因を、「文化の衝突」「組織構造」「取捨選択」という3つのキーワードで解き明かす。 米OpenAI(オープンAI)のサム・アルトマンCEO(最高経営責任者)は2025年12月、米CNBCの番組に出演し、社内にコードレッド(緊急事態)を宣言したことを認めた。グーグルが同年11月に公開した最新のAIモデル「Gemini 3 Pro」の性能が、多くの指標でオープンAIの「GPT-5.1」を上回っていた
入社当初から注力する取材分野がある。核融合だ。日本がエネルギー輸出国に、そんな望外な夢を実現する可能性の塊。SF好きの筆者として、期待が高まるばかりである。 そんな折、東京科学大学で核融合向けの炉材を開発する研究室から、スタートアップ起業の話を聞いた。2025年8月から、Lead accel(レッドアクセル、東京・港)という会社を立ち上げたそうだ。同大学総合研究院ゼロカーボンエネルギー研究所准教授の近藤正聡氏が、代表取締役を務める。 もともと近藤氏らの研究室は、核融合炉に使う液体金属に対し、高い耐食性を持つFeCrAl合金(鉄とクロムとアルミニウムの合金、フィクラル合金)の研究で実績を積み上げてきた。過去に取材した経緯もあり、てっきり起業も核融合関連かと思った。ところが概要を聞くと、「核破砕を活用した核のごみ再利用」と言う。 「核破砕?」聞き慣れない言葉に首をかしげる。核のごみ再利用と聞く
トヨタ自動車は2025年11月13日(米国時間12日)、米国・ノースカロライナ州に建設した電池製造工場「Toyota Battery Manufacturing, North Carolina(TBMNC)」の開所式を行い、「改めて生産開始について発表」(同社)した(図1)。同社は2025年2月に、生産準備が整って同年4月には出荷を始めるとしていた。実際には同年6月に出荷を始めたとする。何らかの理由で開所式だけ遅れていたもようだ。 この電池工場では、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリッド車(HEV)向け電池をそれぞれ製造する。製造ラインは現時点で10ライン。ただし、実際に量産フェーズなのはHEV向けの4ラインで、EV(またはBattery EV:BEV)向けのラインは稼働はしているものの、トライアルの段階だという。 製造量や製造ラインは今後も段階的に増やして
セキュリティーリサーチャーのpiyokango氏が注目のシステムトラブルをピックアップ。今週の注目ネタは……。 今回は、SNSで話題になっていたスマレジとエフエム東京に関わる情報流出と、OCRサービスを提供するローレルバンクマシンの不正アクセス被害について取り上げる。 スマレジの外部アプリからデータ流出、8社が被害 クラウド型のPOSレジサービスを提供するスマレジは2026年1月13日、同社が提供する外部アプリに起因した会員データ流出の調査結果を公開した。 同社は2026年1月8日、SNSに「サイバー攻撃を受け、個人情報が流出した」との書き込みが広がったことを受け、同社が運営するサーバーへの不正アクセスやシステムからの情報流出は確認されていないと説明した。一方で、外部アプリに起因した同社の会員データ流出を認めていた。 流出したデータは、スマレジ・アプリマーケット上で提供されていた外部アプリ
NTT、KDDI、ソフトバンク、楽天グループを中心に激しい攻防が続く通信業界。2025年もNTTによるNTTデータグループの完全子会社化、NTTドコモによる住信SBIネット銀行の連結子会社化、KDDIの社長交代など様々な出来事があった。日経ビジネスLIVEの堀越功編集長と日経クロステックの榊原康編集委員が対談形式で2025年を振り返り、2026年の注目ポイントを見ていく。 日経ビジネス堀越功 2025年に気になったのが、国内通信機器ベンダーの事業環境が急速に厳しくなってきたことです。水面下で様々な動きがありました。 NTTドコモが国内ベンダーを主力とした基地局の調達から転換し、スウェーデン・エリクソンの基地局をエリア単位で入れるようになったことで、最終的なトリガーが引かれてしまった感があります。 日経クロステック榊原康 まさにそうですね。改めて振り返ると、NTTドコモが2024年9月の「N
数百、時に数千戸が集まるタワーマンション(タワマン)▼1。それぞれの住戸がインターネットに接続するそのネットワークには、企業ネットワークに通じるネットワーク構築の技術やノウハウが取り入れられている。 本特集では、第1回でまずタワマンのインターネット接続形態の主流である「全戸一括」型とは何かを説明し、第2回と第3回でネットワーク構成や多数の住戸の通信をさばく仕組み、各戸のプライバシーをどう確保するかを解説する。 第4回では近年のタワマンネットワークに取り入れられ始めた特徴的なサービスである「10G(ギガ)bps(bit per second、ビット/秒)」と「アクセス回線の冗長化」について、具体的なタワマン事例で詳解する。第5回ではあるマンションの管理組合▼2がインターネット接続回線の帯域を「60倍」に増強した事例を見ていく。 マンション単位の一括契約が拡大 今日、マンションのインターネット
日立ソリューションズは2026年1月16日、情報漏洩対策ツール「秘文」シリーズの「秘文 Device Control」にAI(人工知能)を搭載したと発表した。AIが送信メールについて、本文の宛名と添付ファイル内の宛名、宛先メールアドレスとの整合性を自動で判定し、誤送信のリスクが高い場合には警告して防ぐ。 Microsoft 365環境のOutlookにおけるメール誤送信や、Teamsにおけるチャットへの誤投稿に対応する。オンプレミス版「秘文 Device Control」のAI機能提供を同日に始める。1月末からはクラウド版「秘文 Endpoint Protection Service」でもAI機能を提供する。 日立ソリューションズによれば「大企業では、社外へのメール送信前に上司がチェックするというプロセスは一般的だ。特に金融業や製造業では、目視によるチェックやワークフローを通したチェックを
KDDIのグループ会社でシステム開発を手掛けるKDDIアジャイル開発センター(KAG)が、「仕様駆動開発」と呼ばれるシステム開発手法を2025年9月から導入した。AIを活用して仕様書を作成し、その仕様書に基づいてソースコードを生成する。同手法の採用によって、従来は「設計2割・開発8割」だった業務内容が「設計8割・開発2割」に激変したという。 KAGは2025年9月から、アプリケーションにSMS(ショート・メッセージ・サービス)の機能やプッシュ通知の機能を提供するAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)基盤を開発する業務に、仕様駆動開発を導入した。 仕様駆動開発は、米Amazon Web Services(アマゾン・ウェブ・サービス、AWS)が2025年7月にプレビュー版をリリースしたAIエージェント型のIDE(統合開発環境)である「Kiro」で提唱されたシステム開発手法
花王は、樹脂系の剥離剤を使って建築物や船舶などの古い塗装や汚れを自発的に剥がす「剥離除去技術」を開発した。有機溶剤を使わず粉じんも発生しないため、作業者の安全性向上や環境負荷の低減が見込める。2026年内には剥離剤を製品として販売する見通しだ。
この記事の2つのポイント 「ランサムウエア」被害、拡大 日本政府の体制強化などの一方で、人材不足が深刻に 不確実性の高まる世界情勢、高市新政権への期待、労働人口の減少、AI(人工知能)のさらなる進化……どの業界に飛躍のチャンスがあり、企業はどう備えるべきなのか。幅広いシーンで活用されている『日経業界地図 2026年版』から、要注目分野の「業界地図」を紹介する。ランサムウエアをはじめとするサイバー攻撃に対処する「サイバーセキュリティー」業界を見ていこう。 デジタルを基盤とした生活が広がり、サイバーセキュリティーへの関心は一段と増している。コロナ禍を経て浸透したテレワークにより会社内外の境界はなくなり、「エンドポイント」と呼ばれるユーザーの端末を守る対策がますます重要になった。多くの仕事や生活がデジタル化、オンライン化されたことで、パソコンやオンラインへの依存度が増しており、情報漏洩を含むサイ
ランサムウエア攻撃の脅威がこれまでになく高まっている。2025年9~10月にアサヒグループホールディングス(GHD)とアスクルが立て続けにランサムウエアの被害に遭ったことは記憶に新しい。ビールが買えない、医療品が届かないなど、市民生活にも影響が及んだため一般メディアでも盛んに報じられた。 アサヒGHDは2025年9月末にランサムウエア攻撃を受けた結果、受注や出荷を管理するシステムが停止し、その後2カ月間出荷量が減った。2025年10月の売上高は、アサヒビールが前年同月比1割超、アサヒ飲料が同約4割減、アサヒグループ食品が同3割弱減と、出荷量の減少が響いた。一方のアスクルは同年10月にランサムウエア攻撃によって物流システムのデータを暗号化された。同社も商品の出荷量が減り、同年11月の売上高は同95%減にまで落ち込んだ。
P2P(ピア・ツー・ピア)の仕組みを使うファイル共有ソフトの利用者が、著作物の権利者側から高額の賠償請求を求められる事案が急増している。インターネット接続事業者(ISP)に申し立てられた本人情報の開示請求件数は年間15万件近くに達しており、深刻な著作権侵害の実態が明らかになった。 開示請求の状況は総務省がインターネット接続事業者へのアンケートで実態を把握し、2025年11月に公表した。事業者が申し立てを受けた2024年の発信者情報開示請求15万4484件のうち、約95.6%に相当する14万7746件が「特定のファイル共有ソフト」を用いた成人向け動画の著作権侵害事案だったという。回答は任意のため、総務省は「実態はこれ以上の請求が行われている可能性がある」とも指摘している。
実際に描いてみると意外と難しい では、ネットワーク構成図を実際に描いたことはありますか。描いたことがあるあなたは、描いたときに「思ったよりも難しい」と感じませんでしたか。 ネットワーク機器とパソコンなどのIT資源を線で結べばよいわけですから、簡単に描けそうです。ところが、いざ描いてみると「必要な情報を全て記載したらごちゃごちゃしてしまった」「多くの線が重なってしまい分かりにくい」といった悩みに陥りがちなのです。 でもご安心ください。ネットワーク構成図を描く上では、実は表現方法や描く順番といった様々な「定石」があります。定石を取り入れることで、仕事に役立つ「良いネットワーク構成図」をあなたも描けるようになります。 書籍『ネットワーク図の描き方入門 分かりやすさ・見やすさのルールを学ぶ』 早くも重版決定!ネットワーク図の描き方を学べる「教科書」 多くのIT現場で使われているにもかかわず、描き方
NG 不安定な状態はシャットダウンをすれば直るはずだ OSやアプリの動作が遅くなったり不安定になったりしたとき、「パソコンをシャットダウンして電源を入れ直せば、リフレッシュされた状態に戻せる」というのが従来の常識だった。しかし、Windows 11のシャットダウンでは、その効果は必ずしも期待できない。標準のシャットダウンが「高速スタートアップ」と呼ばれる方式であり、次回の起動後も不安定な状態を引き継ぐことがあるためだ(図1)。 図1 Windows 11では、「高速スタートアップ」が標準の終了方法になっている。これは、終了時の状態をストレージに保存し、次回以降の起動を高速化する機能。OSが不安定な状態でシャットダウンし、パソコンを起動し直したとしても復調しないことも
2025年7月、大阪大学の豊中キャンパスに国内外の著名な研究者たちが集まっていた。 「おめでとうございます」「ついにやったな」 会場には祝福とねぎらいの声が飛び交う。達成感と重責から解放された安堵からか、目に涙を浮かべる者もいた。開かれた純国産量子コンピューターの披露会。その中心にいたのが、大阪大学教授で量子情報・量子生命研究センター(QIQB)副センター長の根来誠だ。根来はこの純国産量子コンピューター開発プロジェクトの発起人であり、研究をリードしてきた人物である。 「何もないところからのスタートだったが、我ながらよくここまでこられた」 システム設計で毎日のように議論し、組み付けやデバッグ(バグの特定と修正)の作業に追われたかいがあったというものだ。苦労が報われた喜びを分かち合う仲間に囲まれながら、根来の脳裏には苦闘してきた日々が浮かんでいた。それから1カ月の同年8月には、大阪・関西万博で
「Hacklore(ハックロア)」という言葉をご存じだろうか。ハッキング(Hacking)とフォークロア(Folklore:民間伝承)を組み合わせた造語である。情報セキュリティーに関する、根拠が不十分あるいは時代遅れの安全神話や通説を指す。 ハックロアの何が問題なのか。ハックロアを信じると、セキュリティーリスクを低減しない対策に時間や手間を費やすことになり、本当に必要な対策がおろそかになる恐れがある。また、ITの利便性を低下させることにもつながる。 そこで米IT企業などのセキュリティー専門家のグループは「Stop Hacklore!」という公開書簡をWebサイトに掲載。広く流布しているハックロアを信じないよう呼びかけた。 書簡が公開されたのは2025年11月24日。その時点で書簡に名を連ねていた賛同者は86人だった。だが公開以降、賛同者は増えており、2026年1月3日時点では99人の専門家
不動産協会が日本建設業連合会に対して行った異例の「緊急申し入れ」が波紋を呼んでいる。文書には「都市再生や防災力向上に資する事業の実施が極めて困難な状況に陥っている」「発注者には実態が極めて分かりづらい」などと書き連ねた。建設費高騰で相次ぐ建築プロジェクトの延期や中止を前に、発注者の我慢は限界に達している。 建設物価調査会が発表している建築費指数(工事原価)の推移。鉄骨造事務所と鉄筋コンクリート造集合住宅の数値は2021年ごろから上昇を続けている(出所:建設物価調査会の資料を基に日経クロステックが作成) 高止まりする資材価格や、人手不足を背景とした労務費の上昇によって、建築プロジェクトの総事業費や建設費が数年前の2倍程度に膨らむケースが「常態化」してきた。 2024年に適用された残業規制などの影響で人手不足が深刻化する中、大手建設会社は採算重視の受注を徹底しており、条件の厳しい工事の受注に後
埼玉県八潮市の道路陥没事故で、上下水道管路のメンテナンスの脆弱性が浮き彫りとなった。2026年は下水道法の改正など抜本的な対策が動き出す。新技術活用と経営改革の両輪で管路メンテナンスを再構築する。 社会を揺るがした八潮市の道路陥没事故から約1年。急ピッチで進んだ復旧工事は一段落し、被災した県道の暫定2車線供用が2026年4月までに始まる見込みだ(資料1)。復旧に向けて県が計上した予算は、周辺の住民や事業者への補償を含めて約280億円に達した。 資料1■ 埼玉県八潮市で陥没した県道の復旧工事の様子。埋設された流域下水道管の破損に伴って地下に空洞が形成され、2025年1月28日に陥没が発生。1人が転落して死亡した。25年12月1日撮影(写真:日経クロステック)
「バスタ新宿」は、新宿駅に直結する日本最大級の高速バスターミナルだ。2025年12月20日に始まった同施設を公開する「解剖」ツアーに先駆けて同月10日、報道向けに開催されたモニターツアーに参加し実際に体験した。 次のページ バスタ新宿は国道20号の道路施設 この記事は有料会員限定です
企業のIT(Information Technology)環境は、この10年余りで大きく変化した。多くの組織がパブリッククラウドを導入し、オブジェクトストレージ▼1と呼ばれるストレージのサービスにデータを預けるようになった。 クラウドサービスは冗長化やデータの暗号化など、セキュリティーを強化する仕組みを幾つも用意する。さらにオンプレミス環境でランサムウエアを展開してファイルを暗号化する手口は、クラウドサービスのオブジェクトストレージには通じない。 「従来型」のランサムウエアは、侵入先のOS(Operating System)上で実行ファイルとして動作し、ファイルシステムに直接アクセスしてデータを暗号化する。一方、オブジェクトストレージはオブジェクト(データ)を管理コンソールやAPI(Application Programming Interface)▼2を通じて操作する。 オンプレミスのサ
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