保守点検の仕事で、一週間ほど大阪に滞在することになった。 出張とはいえ、せっかくの大阪だ。夜を満喫しない手はない。そう思って毎日飲み歩いた。 大阪の居酒屋では、一人で飲んでいても退屈しなかった。 飲んでると大阪のおっちゃんはみんな気さくで当たり前のように話しかけてきて(大阪の街を褒めると一杯奢ってくれたりもした)、趣味が読書というと「プラトンの国家って知ってるか?」とあの大阪独特のイントネーションで聞いてきた。 「知らないですね…」と答えるとおっちゃんは腕組みしてプラトンの国家について語り始め、変わったおっちゃんだなと思いつつ翌日別の飲み屋に行き趣味のことを話すとそこでも「あれ、プラトンの国家しっとるか?」と聞いてくる。 またもプラトン!! 嘘だろと思いながら迎えた翌日の夜。今度はなんとなく入った立ち飲み屋で、再びプラトンの国家を勧められた時、俺は確信した。 この街ではおそらく、たこ焼きの