よう‐じゅつ〔エウ‐〕【妖術】
妖術
妖術
妖術
妖術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/25 07:05 UTC 版)
妖術(ようじゅつ)とは、
エヴァンズ・プリチャード(以下E=P)は、アフリカのアザンデ族(ザンデ族)の研究において、ザンデ語において「人間が意図していなくても危害を加えてしまう力」として使われているマングの訳語としてwitchcraftという造語を用い、日本ではその訳語として妖術が定着した[1]。
概要
フレイザーなどによって、超自然的な作用については呪術(magic)という語が定着していた。しかしE=Pはその分類では説明できない現象を説明するために、下位分類として妖術と邪術という語を用い、使い手を妖術師と定義した。E=Pによれば、マングは特定の人物が持つ腸の突起物で、その人物が他人を妬んだり、腹を立てたりすると、神秘的な力が働き、他人に災いをもたらす。マングの所有者は自分にマングがあることは自覚しているが、その力によって誰が攻撃されるかは知り得ない。一方で、神秘的な攻撃を意図的に行うものもおり、これをエヴァンズ=プリチャードは邪術(socery)と訳した。意図的に行われる邪術と対置されるかたちで、非意図的な力=妖術が定義されている。
しかし現在分析用語としての妖術と邪術の境目、あるいは違いは失われつつあり、現在ではエヴァンズ=プリチャードが邪術として定義したものであってもwitchcraftとして報告され、邦訳にさいしては妖術として扱われている[2]。
アザンデ人における妖術
E=Pの『アザンデ人の世界─妖術、託宣、呪術─』における妖術に関連して、ザンデ語を以下のように訳し分けた。
- マング
-
- 妖物 witchcraft-substance
- 特定の人物が持つ腸の突起物のことで、生きている場合は託宣によって所在が明かにされ、死体の場合開腹によって確かめられる。もしマングを持っていたとされた人物が、開腹された結果それを持っていない場合、妖術師であるという汚名が返上される。
- 妖術 witchcraft
- 妖物から発揮される心的な力で、人の健康や財産に危害を与えるとされる
- 妖液 witchcraft-phlegm
- (1)とは異なる。妖術医の間においてのみ用いられる用法。呪薬を用いることで妖術医たちが体内に生じさせることができる液体のこと
- 妖物 witchcraft-substance
- ングア
- 呪薬を所有し、それを呪術儀礼において用いると呪術師(ボロ・ングア)とされる。一方で呪薬を使わずに治療を行う治療師の場合もボロ・ングアとされる
- グベグベレ・ングア、キティキティ・ングア
-
- 邪術 bad magic
- 不正あるいは不道徳な呪術
- 悪い呪薬 bad medicines
- 邪術において用いられる呪薬
- 邪術 bad magic
派生的な諸問題
E=Pはアザンデ人についてのみ注視した議論を展開し、それが他民族の文化における超自然的な因果律理解全般に適用できるような整理をした訳ではない。そのため、世界各地の様々な呪術文化についての研究が蓄積されるについて、用語の使い分けが十分に議論が整理されたのかというと定かではない。
例えば、南米で一般的な邪眼などは、「行為者が妬みの視線を持ったこと」が契機になっておきる不幸と、それに対する恐れや対処法などによって構成される。では、邪眼は妖術だろうか邪術だろうか?特殊な技芸と連関している訳ではないという点において、邪術や呪術一般のイメージとずれがあるが、災因論の契機としての「妬みをともなった視線」であることはかわりはない。アザンデ人の妖術は階級や血縁などの連関が間接的に示されていたが、邪眼はそういうわけではない。
近年の社会人類学文献において、多くの超自然的な因果関係についての説明において、呪術ではなく妖術の語が使われており、議論の整理が待たれる
関連項目
参考
- E.E. エヴァンズ=プリチャード 著、向井 元子 訳『アザンデ人の世界―妖術・託宣・呪術』みすず書房、2001年(原著1937年)。
脚注
- ^ 長島信弘によれば馬淵東一が訳したとされる。
長島信弘 (2008). “近藤英俊/小田亮/阿部年晴篇, 『呪術化するモダニティ-現代アフリカの宗教的実践から-』, 風響社, 2007年, その1,”. 貿易風 : 中部大学国際関係学部論集 (中部大学): 290-303 . - ^ その結果呪術の下位概念であった妖術と呪術の違いがなくなっている。例えば
近藤英俊/小田亮/阿部年晴 編『呪術化するモダニティ-現代アフリカの宗教的実践から-』風響社、2007年。ISBN 9784894891197。
妖術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 09:42 UTC 版)
「西遊記ヒーローGo空伝!」の記事における「妖術」の解説
以下、紹介するのは、作中で使われた妖術である。主に悟空が使うものが多いが、中には悟浄、八戒などが使えるものもある。 変化の術 悟空がよく使う妖術。他にもポンポコリンが使う。特に三蔵法師や八戒に変化する。悟浄は三蔵に変化しても容赦なく攻撃する。ひょうたん魔王などの撃退に用いた。 分身の術 敵をかく乱させるときに使う妖術。髪の毛を抜くことでその抜いた者の分身が出来る。悟浄の弁によれば「レベルの高い妖術」との事。作中では悟空が猫俣の撃退時に使用した。使用する毛によって年齢が変わる(産毛だったら赤ん坊に、白髪だったら年寄りになる)。 脱皮の術 悟空や牛魔王、八戒、悟浄、銀蟹などの妖怪が使うことが出来る妖術。主な用途としては誰かに扮装するためのものと思われるが詳細は不明。悟空たちはこの術が結構気に入っているらしい。悟空はやり過ぎて骨だけになったことがある。悟浄もやろうとしたが途中で牛魔王に止められてしまった。 ミン・ゴルの回では、綺麗に脱皮できるようになった。 巨拳の術 拳を巨大にする妖術。悟空がモグモグ魔王との戦いで用い、地盤ごとモグモグ魔王を叩き潰した。 巨身の術 体を巨大化させる妖術。ただ単純に巨大になるのでなく、身長が伸びれば伸びるほど、体の幅が薄くなるという欠点がある。悟空、牛魔王が使用可能。 巨頭の術 頭を巨大化させる妖術。巨大魚を一飲みして食べた他、ゴガギュドッとの戦いで頭突きを喰らわすシーンがチラッと出てきた。増筋妖術、顔筋に似た術だが、こちらは顔の筋肉を増強させる術であるため、全く別の妖術である。 瞬間移動の術 悟空が使う、名の通りの妖術。だが、物凄く体力を使うらしく、使った後動けなくなるという欠点がある。 縮身の術 体を縮小させる巨身の術の逆の妖術。豆イドの撃退時に使用した。自分で戻すことは出来ず、30秒経たないと元に戻らない。 霊化の術 自ら幽体離脱する妖術。と言っても、如意棒を額にぶつけて幽体離脱するだけであり、自殺行為といった方が正しい。 火炎の術 口から炎を出す火遁の術のような妖術。ペタピョンの杵により餅化した悟空の手や八戒、悟浄を元に戻すときに使用した。また、洞窟の中では明かりを点す時に使われた。 石化の術 相手を石にする術。三蔵法師を土鮫から身を守ったり、土鮫を倒すために用いた。石になってしまった者は、数秒間経つまで動けなくなる。石の体は大変脆弱で、簡単に壊れる。こうなった場合はテープで応急処置が可能。 また、悟空は粉砕した土鮫の頭部を投げ捨てて三蔵を粉砕してしまったことがある。 幻影の術 光の屈折を利用し、自らの幻影を作り出す術。ヒトノミおろちの毒の牙から逃れる時に使用した。幻影は一度に複数作り出せるようである(作中では2体まで登場した)。また、大長編「絆深き破門」でも妖怪ハンターライアーとの戦闘で使用されている。 真剣白刃取り 刀を素手で受け止める技であるが、正式には術ではない。悟空、悟浄、ネムリギーが使用。八戒は悟空が振りかざした木の棒を受け止めようとしたが、タイミングが遅かったため顔がU字に曲がった。その後、ネムリギーの特訓により習得した。 ポコリン波 体を膨らませお腹を叩いて衝撃波を発生させる。ポンポコリンが使用。悟空も対抗しようとするも音が鳴るだけで衝撃波は発生しなかったが、ポンポコリンを倒した後に発生し、三蔵法師をふっ飛ばしてしまった。 穴あきの術 体中に穴を開ける術。ワワワに呪われそうになったところをこの術を用いて難を逃れた。穴はいくらでも開けることができる。 スポポの術 体をバラバラに分離する妖術。武力王に羽交い絞めされたところをこの術を用いて脱出し、脱出した武力王の頭を追い討ちした。分離した後、「合体」の一声で体と合身することで元に戻る。 爆猿地獄 悟空の周りを大爆破させる術。その強大な威力でベロー一族を全滅させた。 髪の毛ミサイル 髪の毛を飛ばし相手や地面などに突き刺す技。鬼義理の体を崩した(分身の術同様、限度があり、大量に飛ばしすぎて禿げてしまった)。 天活波 両手をトライアングル状に構え、その構えた手から妖気を溜め、相手にぶつける悟浄が使用する妖術。 巨人の術 体を巨大化させる妖術。巨身の術と似ているが、こちらはちゃんとした巨大化である。縮身の術同様自分で戻すことは出来ず、10分経てば自動で元に戻る。牛魔王と朽ちビルとの戦闘で使用(正確には巨体のままで戦うこととなる)した。また、牛魔王も使えることが明らかになった。 ○○筋 筋肉を強化させる、通称“増筋妖術”。腕の筋肉を強化させる腕筋や胸部の筋肉を強化させる胸筋、脚部の筋肉を強化させる脚筋、顔の筋肉を強化させる顔筋などバリエーションが様々。ただし、このよう術は筋肉に負担が掛かり、使用後反動で針金のように細くなってしまうという欠点がある。ムシャーンとの戦闘で使用した。 入れ替わりの術 自分の意識と相手の意識を入れ替える妖術。大長編「永遠の死」で黒皇と白皇との戦闘で使用した。 気功波 両手を構え気を溜めて相手にぶつける妖術。作中では悟空と黒皇が使用。 自爆 体に気を溜め大爆発させる捨て身の妖術。白皇との戦闘で自分の体では勝ち目がないと判断した悟空がこの妖術を使い、その瞬間に入れ替わりの術で白皇と入れ替わって自分の体ごと撃退した。 千手観音の術 読んで字の如く、千手観音のように腕を千本に増やす妖術。牛魔王との戦闘で、牛魔王を考え事の片手間に倒した。作中では右腕を増やしている。 火猿の術/火豚の術 火炎の術(前記)とは別に、手の平に妖気を集中させて炎を出す妖術。八戒はこの術を悟空に教わった(しかしそれは「失敗して丸焼きになる」という悟空の思惑だったが失敗に終わった)。体温が低いと火が出せなくなるという欠点がある。八戒がシロクマンとの戦闘で使用した。 火破巻 高熱の炎を両手から放つ技。 喝波雷 凄まじい電撃を1点に放つ技。 光の天活波、炎の火破巻、雷の喝波雷と悟浄の技は強力を謳っている。 リアルの術 現実的(リアル)になれる妖術。4頭身に飽きた悟空が使用したが、八戒に「バランスとれないよ」と言われた。その後、悟浄と八戒をそれぞれリアルカッパ、リアルブタにした(ボケらしい)。また、本の中から現実の世界に出ることもできる。 阿修羅の術 顔と手が3つになり、どこから敵が来ても迎え撃てる術。死角なしだが、真ん中の取り合いでケンカになってしまうのが難点(真ん中が一番かっこよく目立てるポジションであるかららしい)。その力でキラクの手裏剣を見切ったが、左右の悟空が別々によけたため真ん中の悟空が真っ二つになってしまった。それ以来頭が割れるようになった。 割刃 悟浄が使う“カッパ戦術”高速で空気の刃を作り敵を切り裂く技。岩や木を真っ二つにするほどの威力である。
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「妖術」の例文・使い方・用例・文例
- 写真術はその揺籃期には妖術と考えられていた.
- 妖術家
- 魔法と妖術を伴う、アフリカを起源とする宗教的信仰
- 老子の教えに従うことを主張し、汎神論と妖術をも取り込んだ中国の道教の分派
- 魔術や妖術を使う人
- 蝦蟇を使って妖術を行う仙人
- 妖術を行う時に用いる髑髏
- 蛇の霊を使用する妖術
- ある日,ミヅキは浅野に妖術をかけ,浅野は吉良を刀で襲ってしまう。
- 大(おお)石(いし)内(くら)蔵(の)助(すけ)(真(さな)田(だ)広(ひろ)之(ゆき))が率いる47人の浪人は今,吉良の圧倒的な戦力とミヅキの妖術に立ち向かう。
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