大手百貨店/12月売上高三越伊勢丹8.1%増、H2O8.7%増
2025年01月07日 11:28 / 月次
大手百貨店4社が発表した12月の売り上げ速報によると、三越伊勢丹ホールディングス前年同月比8.1%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)7.5%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)8.7%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)6.1%増だった。
社名 | 売上高前年同月比 |
三越伊勢丹 | 8.1%増 |
J.フロントリテイリング | 7.5%増 |
H2Oリテイリング | 8.7%増 |
高島屋 | 6.1%増 |
■三越伊勢丹HD(2024年3月期売上高:5364億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比11.0%増、三越日本橋本店店頭2.7%増、三越銀座店14.4%増などで、三越伊勢丹計8.1%増だった。
函館丸井今井8.0%減、仙台三越6.4%減、新潟三越伊勢丹4.1%減、静岡伊勢丹0.4%増、名古屋三越1.3%増、広島三越15.4%減、岩田屋三越4.7%増など、国内グループ百貨店計は0.9%増、国内百貨店計は5.4%増となっている。
伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店・三越銀座店中心に引き続き、高付加価値商品が好調。ラグジュアリーブランド、デザイナーズブランドのハンドバッグ・財布・衣料品のほか、宝飾、化粧品などが堅調に推移した。
気温の低下により婦人と紳士共にコート、セーターが売り上げをけん引。基幹3店を中心に春物への関心も高まっているという。
免税売上は、前年実績を大きく上回った。国内百貨店の全体購買傾向と同様に、ラグジュアリーブランドのハンドバッグ・財布、宝飾・時計、化粧品など高付加価値商品が好調だった。
■J.フロントリテイリング(2024年2月期総額売上高:1兆1519億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比7.8%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は7.5%増だった。
12月は、気温の低下に伴いコートが売上を伸ばした。ラグジュアリーブランド、化粧品、時計がインバウンド需要を含め好調を持続し、おせちも単価アップにより好調に推移した。
店舗別では、15店舗中12店舗が前年実績を上回った。
外商顧客向け催事の売上が好調だった心斎橋店のほか、訪日外国人売上が好調な梅田店、札幌店が前年比2ケタ増となっている。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、45.5%増(客数50.1%増、客単価3.1%減)となった。
初売りは、例年より1日遅い1月3日からのスタートとなったが、3日間計(本年1月3日~5日累計売上と前年1月2日~4日累計売上の比較)で19.7%増(法人・本社等を除く)と好調だった。
■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2024年3月期売上高:6574億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比8.7%増となった。内訳は阪急本店13.4%増、阪神梅田本店9.3%増、支店計1.7%増。
気温の低下に伴い、11月まで動きが鈍かった重衣料を中心とする秋冬ファッションが高稼働。国内客の消費マインドも高く、インバウンドも含めて来店客数も順調に推移した。
中でも、阪急・阪神両本店の月間の売上高は前年に対し約1割増と全体をけん引している。
免税売上高は、前年に対して約3割増、阪急本店も約3割増と引き続き好調で、前月の売り上げも上回った。同月の売上高では、19カ月連続で過去最高を更新した。
お歳暮は、節約志向の影響もあり全体として前年の売上実績を下回った。クリスマスケーキ(事前予約)も、価格の上昇に加えてクリスマス当日と前日が平日ということもあり、前年の売上実績を下回った。一方、おせち料理の受注については前年並みだったという。
阪急本店は、12カ月連続で売上高が過去最高を更新した。
コート、ブーツなどが伸び、婦人・紳士ファッションの売上高はそれぞれ前年に対し2ケタ増となった。
中でも、婦人衣料、アクセサリー、インターナショナルファッションが好調。また、化粧品の売上高が前年比約2割増、宝飾品は約4割増とそれぞれ大きく伸びた。
クリスマスギフトは、若い世代を中心にカップルで来店し、一緒にプレゼントを選ぶスタイルが定着した。
クリスマス期間(20~25日)の売り上げは前年を大きく上回った。特に直近の土曜日となる21日は、前年のピークだった土日(23日、24日)の各売り上げを超えている。
100万円以上の高額品の売上高は、前年の約4割増と大きく伸びている。
■高島屋(2024年2月期営業収益:4661億円)
高島屋各店計は8.4%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた国内百貨店計は6.1%増だった。
店頭売上高6.1%増、免税売上高30.1%増、免税を除いた店頭売上高3.6%増となっている。
店舗別売上高は、大阪店、京都店、日本橋店、横浜店、新宿店、玉川店、EC店、高崎店が前年実績を超えた。
商品別売上高(同社分類)は、紳士服、紳士雑貨、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、呉服、スポーツ、美術が前年実績を上回っている。
流通ニュースでは小売・流通業界に特化した
B2B専門のニュースを平日毎朝メール配信しています。