大手百貨店/11月売上高三越伊勢丹10.4%増、Jフロント7.6%増
2024年12月02日 16:15 / 月次
大手百貨店4社が発表した11月の売り上げ速報によると、三越伊勢丹ホールディングス前年同月比10.4%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)7.6%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)5.8%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)5.8%増だった。
社名 | 売上高前年同月比 |
三越伊勢丹 | 10.4%増 |
J.フロントリテイリング | 7.6%増 |
H2Oリテイリング | 5.8%増 |
高島屋 | 5.8%増 |
■三越伊勢丹HD(2024年3月期売上高:5364億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比15.8%増、三越日本橋本店店頭4.2%増、三越銀座店12.1%増などで、三越伊勢丹計10.4%増だった。
函館丸井今井4.5%減、仙台三越0.9%増、新潟三越伊勢丹5.9%減、静岡伊勢丹4.8%減、名古屋三越5.5%増、広島三越14.8%減など、国内グループ百貨店計は0.3%増、国内百貨店計は6.8%増となっている。
伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店・三越銀座店を中心に引き続き、高付加価値商品が売り上げをけん引している。
ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドのハンドバッグ・財布、宝飾、化粧品などが堅調に推移した。冬物ファッションは、婦人・紳士ともにコートやセーターの需要が気温の低下で高まった。
免税売り上げは、国慶節押上効果があった10月の実績、前年実績ともに超えた。国内百貨店の全体購買傾向と同様に、ラグジュアリーブランドのハンドバッグ・財布、宝飾・時計、化粧品など高付加価値商品への関心が引き続き高いという。
■J.フロントリテイリング(2024年2月期総額売上高:1兆1519億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比7.6%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は7.6%増だった。
11月は、ラグジュアリー、化粧品、宝飾品が引き続き好調に推移したことに加え、10月と比較して気温が低下したことにより秋冬物衣料品が活発に動いた。
店舗別では、15店舗中14店舗が前年実績を上回った。
11月20日に本館4階、11月29日に本館3階と北館地下1階をリニューアルオープンした松坂屋名古屋店は、新たに構築したファッションやジュエリー、フレグランスなどを集積したフロアのほか、品ぞろえを2.7倍に拡大した酒売場が人気を集めるなど、計画を上回る好調なスタートとなっている。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、31.9%増(客数42.3%増、客単価7.3%減)となった。
■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2024年3月期売上高:6574億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比5.8%増となった。内訳は阪急本店13.8%増、阪神梅田本店21.0%減、支店計3.8%増。
大阪では、最高気温が20度を超える中旬までは、秋冬ファッションの動きが鈍かったものの、中旬以降の気温低下により本格稼働し、阪神梅田本店以外の都心店各店の売上高は前年実績を上回った。
阪神梅田本店は、前年に実施した阪神タイガースの日本一祝賀セールの反動もあり実績を下回っている。
免税売上高は、前年に対して約4割増、阪急本店も約4割増と引き続き好調で、国慶節のあった前月を上回った。同月の売上高では18カ月連続で過去最高を更新している。
阪急本店は、4カ月連続で、同月の売上高において過去最高を更新した。
婦人・紳士ファッションの店頭売上高はいずれも前年に対し2ケタ増だった。
中でも、アクセサリー、バッグ、インターナショナルファッションの売上高は、約2割増と高い伸びを示した。また、化粧品や宝飾品の売上高においても前年の2割を超えた。
コート、ロングブーツの動きは鈍いものの、セーター、ジャケット、ネックウェア、素材感のあるバッグが好調。ブライダルニーズも引き続き活況を呈しているという。
クリスマスギフトシーズンを控え、アクセサリーではまだまだ下見の時期ではあるが、クリスマス限定商品を自分用として購入する人が多く順調な滑り出しを見せている。
100万円以上の高額品の売上高前年比は、店舗全体の水準を大きく上回り、約2割増となった。
■高島屋(2024年2月期営業収益:4661億円)
高島屋各店計は8.4%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた国内百貨店計は5.8%増だった。
店頭売上高5.8%増、免税売上高29.9%増、免税を除いた店頭売上高3.3%増となっている。
国内の顧客は、気温の低下に伴いコートやマフラー、ストールなどの防寒アイテムに動きが見られた。
インバウンドは、ラグジュアリーブランドをはじめとする高額品や化粧品が堅調に推移している。
店舗別売上高は、大阪店、京都店、日本橋店、横浜店、新宿店、玉川店、柏店、EC店が前年実績を超えた。
商品別売上高(同社分類)は、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、呉服、スポーツ、リビング、美術、食堂が前年実績を上回っている。
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