サミット 服部社長/25年度も「生きる糧を分かち合う店」推進、新人事制度を開始

2025年01月03日 10:27 / 店舗レポート

サミットは「生きる糧を分かち合う店」づくりを推進し、2024年は仕入れ改善、物流効率化などに取り組んだ。12月実施された合同記者会見で、服部哲也社長に2024年の手応えと2025年に向けた抱負を聞いた。主なやり取りは以下の通り。

<サミット服部哲也社長>
服部哲也社長

――中計の進ちょくを教えてください

服部 中期経営計画「頂(イタダキ)2025」は、最終年度を1年延長し、2026年度とする。さまざまな改革をやり切ってから、次の中計に向かうためだ。2025年度の売上高など数値目標は変更せず、がんばりたい。

――現在取り組んでいる改革とは

服部 青果・精肉の仕入れ方法・値決めの改善、AI自動発注導入、物流効率化などに取り組んでいる。仕入れ方法の改革や値決めの問題は、何十年も手を付けなかったことであり、簡単に結果につながるようなものではなく、時間がかかる。しかし、軌道に乗りつつあり、2024年は「跳ぶ24」をテーマにしていたが、2023年より大きく跳んだ年となった。

――25年以降の出店戦略は

服部 年に3~4店舗出したい気持ちはあるが、建築コストが上がっている。新店と改装、建て替えをバランスよくやりたい。店舗年齢の高い店舗は改装すると、数字が伸びる手ごたえがある。

――客数が伸び続けていますね

服部 客数は伸びているのは、「生きる糧を分かち合う店」の理念が浸透し、各店の店長はじめ、スタッフが楽しく取り組んでいる効果だと思っている。

既存店の客数は2018年を100とすると、2023年104強、2024年は102~103くらいとなっている。

値下げや大安売りしたり、品ぞろえが大幅に変わったりしたわけでもなくて、当社の日々の「生きる糧を分かち合う店」を目指す積み重ねが、お客様に支持していただけていると考えている。

――MD強化について教えてください

服部 お客様の関心・満足度を追求、NBではできないことを「サミットオリジナル」「素材そのまま」で実現していく。NBに代わる安いPBを作り、安く売るための商品開発ではなく、お客様に喜んでいただくための開発や仕入れなので、バイヤーたちも楽しく挑戦している。

お客様は自分の生活にあった品目、容量、質をシビアに考えているのを感じる。単に低価格だというだけでなく、お客様の関心に合った商品を強化する。

――ネットスーパーの状況は

服部 2024年11月「王子店」で開始し、現在14店舗で導入している。13店舗段階で月の売上高1億円を超える規模になってきた。

ネットスーパー会員は、前年比20~30%増と伸びている。サミットのカード会員が多い地域は、特に利用者を獲得できている。1日200件を超える注文を受ける店舗もある。

当社は実店舗の利便性向上を目的にネットスーパーを実施しているので、東京都全域をカバーするといった目標はない。現在の当社の商圏は30店舗弱でネットスーパーを導入すれば、カバーできると考えている。

2025年は2~3カ月に1店舗ずつ導入を検討しており、2025年度は20店舗強になる計画だ。規模拡大より、1店舗1店舗、軌道に乗せることを優先したい。

――物流改革の状況は

服部 スーパーマーケット各社による「SM物流研究会」に参加し、トラックドライバーの待機時間削減などに取り組み、各社で改善が進んでいる。

今後は、パレット規格の統一、商品マスターの標準化など、卸やメーカーも巻き込んだ、川上からのさらなる改革が必要だ。

――プロセスセンター(以下:PC)の新設について教えてください

服部 グロサリーのセンター機能を併設したデリカPCを新設し、2027年度に本格稼働する。精肉のPCなど一部機能は2026年末に先行してスタートする。

――人事制度も改革していますね

服部 2025年度から、「生きる糧を分かち合う店」を反映した新制度を導入する。正社員もパートもフラットな関係になるよう区分の観点を変え、同一労働、同一賃金的な視点を入れている。

人はライフステージが変わると、一時的に働き方を制限するときもあれば、戻ってきてバリバリ働けるときもある。働く意欲を高め、日々がんばっていることを、もっとやりたくなる、もっとチャレンジできる制度に改革している。

われわれは「サミットが日本のスーパーマーケットを楽しくする」「生きる糧を分かち合う店」を目標にしている。仕事における生きる糧とは「楽しさ」ではないか。

スーパーで働くということは、エッセンシャル・ワーカーとしての存在意義がある。だが、ものを売って顧客からの「おいしかった」「よかった」フィードバックを受け、工夫してできる本質的に楽しい仕事だと思っている。社員が楽しく働いているということを、経営者として発信したい。

――採用について教えてください

服部 新卒採用以外にも、毎月中途採用を行っている。定着率が上がり、退職者が減っているので、現在採用計画を見直しが必要な位だ。

当社は教育ではなく「共育(ともはぐ)」と言っているが、教える側も教えることで気づくことがあり、成長があると考えている。

まずは店舗に配属されるので、文化として、新しい人が入社したら、皆で見守り、教えあい、ケアしあうことで、それがやりがいにつながっているのではないか。

――外国人の採用状況はどうなっていますか

服部 2024年11月でベトナム人技能実習生は、約660人となっている。去年が500人強で、年々増えている。人事部にベトナム人正社員3人がおり、マニュアルのベトナム語化や生活習慣の違いなどを対応、ケアしている。

社員には外国人だからといって、特別扱いはやめようと言っている。国籍や職能の区分はあっても、皆社員は社員。当社にはもともと、分け隔てなく新しく入社した人を受け入れる社風がある。

働く環境が悪いとすぐにSNSで本国にも伝わってしまう時代だが、当社では事件はほぼなく、定着率も高い。働く環境がしっかりしているとサミットは人気のようだ。

取材・執筆 鹿野島智子

サミット/「エミテラス所沢」に新店舗オープン、売上目標33億9000万円

流通ニュースでは小売・流通業界に特化した
B2B専門のニュースを平日毎朝メール配信しています。

メルマガ無料登録はこちら

店舗レポート 最新記事

一覧

スーパーマーケットに関する最新ニュース

一覧

サミットに関する最新ニュース

一覧

インタビューに関する最新ニュース

一覧

最新ニュース

一覧