雨蛙の色覚
- 2021/06/30
- 21:00

カエルの視力は悪く、コントラストの強い白黒で見ている・・・と、学生の頃、教えてもらいました。でも、実際は違うようです。青色系のアジサイの花や葉っぱにアマガエルがいっぱい。かなり密です^^ところが、隣の赤色系のアジサイにはアマガエルがまったくいません。明らかにアマガエルは青色系と赤色系のアジサイを区別しているようです。ヒトの網膜には、赤色・緑色・青色の光に応答する3種類の錐体細胞があります。そして、薄暗...
夏椿に来た昆虫たち
- 2021/06/29
- 21:00

1年に1度は撮るナツツバキ(夏椿)です。朝開いて夕方にはツバキのようにまるごとポトリと落花する一日花です。但馬の山にも自生していますが、サラソウジュ(沙羅双樹)としてお寺によく植えてあります。繊細な白色の花びらが爽やかです。5枚の花びらの1枚にうっすらと黄緑色や黄色のかかった部分があります。品種によってはうっすらと紅をさしたようなものもあります。蜜や花粉を求めてクマバチやミツバチがやって来ます。↑...
額紫陽花の装飾花
- 2021/06/28
- 20:00

きょうはガクアジサイ(額紫陽花)の周辺の装飾花に注目したいと思います。装飾花の花びらのように見えるのはガクです・・・というのは有名です。でも、この装飾花にもちゃんと花びらや雄しべ、雌しべがあります。大きく目立つガクの真ん中で小さいけれど、花が開いています。装飾花は昆虫を誘うのに役立っていると言われます。コハナバチがやって来ましたが、装飾花には目もくれず、中央の両性花に直行します。中央のほうが葯が密集...
2021紫陽花めぐり・その4
- 2021/06/27
- 21:00

養父市八鹿町浅間(あさま)の浅間寺(せんげんじ)へ行ってきました。730年に開祖されたという真言宗の由緒あるお寺です。境内にはいろいろな品種のアジサイがいっぱい咲いています。ガクアジサイの園芸品種で、江戸時代につくられたというウズアジサイ。丸いお椀のような独特の形です。オタフクアジサイ、ポップコーンとも言われます。セイヨウアジサイをもとに日本で生まれた万華鏡という園芸品種。繊細で可愛らしいです。最近...
足環なし鸛・続報
- 2021/06/26
- 21:00

6月17日のブログで足環のついていないコウノトリをご紹介しました。その続報です。足環なしのコウノトリの目撃情報をコウノトリの郷公園に連絡すると、「伊佐ペアの♀には足環がついていません。この♀の可能性が高いと推測されます」との返信を頂きました。残念、貴重な野生個体ではなかったか。ちょっと期待したのに・・・^^;そこで、きょう、養父市八鹿町伊佐で繁殖中の伊佐ペアを見に行きました。↑こちらが伊佐ペアのお父さん。巣...
風虫両媒作戦
- 2021/06/25
- 21:00

アカメガシワ(赤芽柏)は雌雄異株です。その雄株の雄花を6月20日のブログで紹介しました。きょうは、そのアカメガシワの雌株の雌花です。花びらがない花がたくさん集まってつくのは同じですが、雄花とはずいぶん様子が違います。雌しべが1本だけ。雌しべの先が大きく3つに分かれています。いちばん違うのは、雄花にはたくさん昆虫がやって来るのに、雌花ではほとんど昆虫を見かけないことです。雌花にはもちろん花粉はありませ...
もうすぐ半夏生
- 2021/06/24
- 21:00

夏至から数えて11日目からの5日間を半夏生(はんげしょう)といいます。今年は7月2日からです。1月1日~12月31日の真ん中にあたります。半夏生の頃に咲くのでハンゲショウ。ドクダミのなかまで、同じような匂いがします。葉っぱの一部が白くなっており半分化粧しているみたいというので半化粧という説もあります。僕は季節感のある半夏生説を支持したいです。ハンゲショウの花は穂状ですが、目立たない地味な花です。これを補...
2021紫陽花めぐり・その3
- 2021/06/23
- 21:00

兵庫県立フラワーセンターの「あじさい園」です。あいにくの曇り空でときどきポツポツと雨も降る天気でした。ま、アジサイにはふさわしい天気かも。前ボケの絵を撮ってみようと思い、いろいろ試してみました。まだまだ修行が必要です。コマルハナバチかと思いましたが、ちょっと大きいので希少なクロマルハナバチかも。判別が難しいです。「あじさい園」はフラワーセンターの入口から池を挟んで反対側のいちばん遠いところにありま...
額紫陽花の両性花
- 2021/06/22
- 21:00

ガクアジサイ(額紫陽花)にアマガエル。定番の組み合わせです。クスッと笑える後ろ姿です^^額縁のようにまわりを飾っているのが装飾花。花びらに見えるのはガクです。ガクの中央に小さい花が一応あります。装飾花は昆虫を招くのに役立っているようです。きょうは、ガクアジサイの中心部の花に注目してみます。白い葯がついた雄しべと短い雌しべがそろっています。でも、それらの数はアバウトです。↑この花の場合、雄しべが9本、...
深山鍬形
- 2021/06/21
- 20:00

先日の授業中、高2の男子生徒が教室のカーテンを指さして「あー、あー」。私「どうしたの?」生徒「カブトムシです!」後ろの席の生徒「クワガタや!」とツッコミ。見ると、立派なミヤマクワガタ(深山鍬形)の雄でした。いくら田舎でも、教室のカーテンでミヤマクワガタを捕まえたのは初めてです。事務職員のお子さんがクワガタを育てているというので、持って帰ってもらいました。きょうは、歩いていて道端でゴソゴソと動いてい...
赤芽柏に来た昆虫たち
- 2021/06/20
- 21:00

小佐川の河原にアカメガシワ(赤芽柏)が花を咲かせています。土手の上から、アカメガシワを見下ろすような角度で花を見ることができます。若葉が赤色で、葉っぱがカシワ(柏)のように大きくなるところからの命名です。昔は、カシワと同じように食べ物を包むのにこの葉っぱを使ったそうです。雌雄異株で、これは雄株です。雄花がたくさん咲いています。蜜が出るようです。ルリシジミ(瑠璃小灰蝶)が吸蜜中です。可愛いコマルハナ...
2021紫陽花めぐり・その2
- 2021/06/19
- 21:00

丹波篠山市の文保寺(ぶんぽうじ)に行ってきました。天台宗の古刹です。隆盛の頃は21坊あったというとっても大きなお寺です。参道にたくさんのアジサイが植えられています。参道にある二村神社もとても趣のある神社です。紅葉の名所でもあります。今度は秋にまた訪ねます。所在地:兵庫県丹波篠山市味間南1097 文保寺アクセス:舞鶴若狭自動車道の丹南篠山口ICから西方向へ3.7km、車で11分。1日1回、↓ポチッとお願いします。大変...
花飾芹に来た昆虫たち
- 2021/06/18
- 21:00

きのうの足環なしのコウノトリが気になって、夕方見に行ってみました。きのうと同じ田んぼで餌を採っていました。しばらくここにいてくれそうです^^さて、きょうはハナカザリゼリ(花飾芹)という和名の花です。地中海沿岸の原産で、別名オルレア、あるいはオルラヤ。さらに、ホワイトレースフラワーというそのまんまの別名もあります。庭に植えたものが野生化しています。ハナカザリゼリの花は面白いつくりになっています。たくさ...
足環なし鸛
- 2021/06/17
- 21:00

きょうの午後2時40分頃、養父市八鹿町小佐でコウノトリ(鸛)と遭遇しました。ここでコウノトリを見るのは初めてです。性別も年齢もわかりませんが、何となく若々しい印象を受けました。小佐川沿いの道を歩いていて、カーブを曲がったところで目の前にコウノトリがいました。この至近距離で出会うのは初めてで、びっくりです。むこうもびっくりしたようで、慌てて羽を広げて飛び立ちました。私から遠ざかるのではなく、むしろ接近...
紫陽花と蜘蛛たち
- 2021/06/16
- 21:00

雨上がりのアジサイの葉っぱの上で、面白い形のクモを見つけました。オスクロハエトリ(雄黒蠅捕)というハエトリグモの仲間です。雌雄で全く色が異なり、雌は白色と褐色の縦線が入っていますが、雄は真っ黒。名前の通り、ハエを捕まえて食べます。他のクモも獲物にします。腹部は長めだし、脚は短いし、クモらしくない体型をしています。こちらはハナグモ(花蜘蛛)の仲間でしょうか。クモの種類はよくわかりません。まだ幼いのか...
雄性先熟の山梔子
- 2021/06/15
- 21:00

クチナシ(山梔子)の花粉を運搬するポリネーターは、スズメガだそうです。いい香りを放つのは、暗闇でもスズメガを招くのに役立っています。その香りに誘われたのか、昼間でもヒメハナバチの仲間がやって来て花粉を食べています。ところで、クチナシの花びらと花びらの間にある褐色のひも状のものは何でしょう?実はこれ、雄しべの葯です。かなり長い葯ですが、花粉はほとんどついていません。すでに役目を終えてしまって萎れてし...
毛深い蛍袋
- 2021/06/14
- 20:00

ホタルの季節にホタルブクロ(蛍袋)の花も咲きます。関東のホタルブクロは紫色だそうですが、関西では白色です。釣鐘状の花の外側は白色ですが、内側には紫色の斑点があります。釣鐘の内側がふつうの花で言えば表ですから、模様があっても不思議ではありません。そして、内側の表面にはたくさんの毛があります。花びらの一部を取り除いて釣鐘の内部を覗いてみました。棍棒のような雌しべが1本。まだ、成熟していません。しかし、...
珊瑚樹に来た昆虫たち
- 2021/06/13
- 21:00

2回目のワクチン接種が終わりました。サンゴジュ(珊瑚樹)がたくさんの小さな白い花をつけています。遠くから見ると、木全体が白く見えるくらいです。海岸林などに自生するそうですが、これは植栽されたものです。厚い葉っぱにたくさん水分を含んでいて燃えにくいので防火樹としてよく植えられています。筒状の花は5裂し、クルンと外側に巻いていて面白い形をしています。雄しべが5本飛び出しています。雌しべは短く花の奥に隠...
黄立羽の季節型
- 2021/06/12
- 21:00

庭のムシトリナデシコの花にキタテハ(黄立羽)がやって来て吸蜜中です。すばやく飛び回るのですが、こうして蜜を吸っているときはゆっくり撮らせてくれます。後翅の白い「L」の字が特徴です。昆虫は脚が3対(6本)のはずなのに、↑この通り2対(4本)しかありません。タテハチョウの仲間の特徴です。でも、ほんとは3対あります。上の写真をトリミングして拡大してみます。小さいですが、折りたたんだ前脚があるのがわかりま...
2021紫陽花めぐり・その1
- 2021/06/11
- 21:00

丹波市氷上町の「香良あじさいの郷」のアジサイ(紫陽花)です。ここのアジサイはほぼ全部が青色。土壌のpHが5.5以下の酸性になると、土中のアルミニウムがイオンとして溶け出します。これが花のアントシアニンと結びついて青色を呈します。土壌が酸性なら青色。リトマス試験紙とは逆です。アルカリ性でなくても弱酸性であっても、アルミニウムイオンを吸収しなければ赤色です。畑の野菜の多くはpH5.5~7.0の弱酸性でよく育ち...
小佐川の源氏蛍
- 2021/06/10
- 21:00

きょうの豊岡市の最高気温は34.7℃。大分県日田市の34.9℃に次いで全国2位の暑さでした。暑すぎます。夕涼みの気分になっていただきましょう。小佐川のゲンジボタル(源氏蛍)の撮影に挑戦してみました。我が家から歩いて2分。あまり知られていないのですが、知る人ぞ知るゲンジボタルの名所です。訪れるのはほとんどご近所の人だけです。19時半くらいから飛び始めます。20時~21時が見頃です。今年は、例年以上にホタルの数が多い...
香りの泰山木
- 2021/06/09
- 21:00

タイサンボク(泰山木、大盞木)の花が咲いています。泰山木というくらいだから中国原産かと思ったら、北米原産だそうです。ミシシッピ州はタイサンボクの州と言われるらしいです。白い大きな花を高い木の上に咲かせるのですが、目の高さに咲いている花がありました。ガクが3枚、花びらが6枚ですが、どれも白く大きくて区別ができません^^お椀の形です。大盞木の「盞」はさかずきの意味です。花の中央にたくさんの雌しべがありま...
小佐川の鼈
- 2021/06/08
- 21:00

小佐川にはたくさんスッポンがいます。水草も食べるそうですが、魚やカエル、エビ、水生昆虫、貝など、おもに動物を食べています。それだけ小佐川は生き物が豊富に生活しているということでしょう。梅雨の晴れ間に石の上で甲羅干し。なかなかひょうきんな顔をしています。こちらは水中で目と鼻だけを水面に出しています。長い鼻先だけ出してシュノーケルのように呼吸をすることができます。尾が見えますので、この個体は雄のようで...
岩と腰赤
- 2021/06/07
- 21:00

ツバメは3月末にやって来て、もう巣で卵を温めています。↓ツバメよりもかなり遅れてやって来たイワツバメ(岩燕)とコシアカツバメ(腰赤燕)です。ツバメよりちょっと大きめで腰が赤いのがコシアカツバメ。ツバメより尾が短くて腰が白いのがイワツバメ。それらが仲良く同じ田んぼで巣作り用の土をとっています。ともに空中を飛びながら餌を採りますので、地面に降りるのは巣作りの材料を集めるときだけです。このイワツバメは、...
散歩中に
- 2021/06/06
- 21:00

ソメイヨシノのサクランボを食べたら酸っぱくて美味しくなかったと、先日のブログで報告しました。これを読んでいただいた方から、黒く熟したサクランボは甘くて美味しいヨ!と教えていただきました。確かに! 黒いのは甘い!^^僕が食べたのは赤いサクランボで、まだ熟していなかったんですね。果肉が少ないので、黒くなった果実を5つくらいまとめて口に放り込むといいですね。散歩中のいいオヤツです。トウグミも甘酸っぱくて美...
雨が似合う紫陽花
- 2021/06/05
- 20:00

アジサイ(紫陽花)の花が咲き始めました。咲き始めのアジサイは淡い黄緑色。これにうっすらと青みや赤みがついているのが若々しい感じで好きです。中学校理科の蒸散の実験材料としてよくアジサイを使います。葉っぱの表にワセリンを塗った枝と、裏にワセリンを塗った枝と、両方とも塗らない枝をメスシリンダーの水にさして、水の減る量を比べます。すると、葉っぱの裏からたくさん水が蒸散していることがわかります。アジサイの葉...
野薊に来た昆虫たち
- 2021/06/04
- 21:00

ノアザミ(野薊)の花はたくさんの花の集まりです。濃い紫色が雄しべです。雄しべが5本くっついて筒状になっています。その内側に雌しべが1本。雄しべと雌しべの間には花粉が詰まっています。ノアザミの花にヒメハナバチ(姫花蜂)の仲間がやって来てゴソゴソと這い回ります。これが刺激になって、雄しべの筒が下がるしくみになっています。すると、雌しべがところてんの棒のような役割をして、花粉を押し出します。昆虫が這い回...
ももクロ
- 2021/06/03
- 21:00

幕末にオランダから長崎に届いたガラス製品のクッション材としてこれが詰まっていたのだそうです。そこで詰草。白いのがシロツメクサ。別名、クローバー。赤いのはアカツメクサ(またはムラサキツメクサ)。道端のシロツメクサの中にときどきピンク色のものが混じっています。アカツメクサではありません。アカツメクサは花のすぐ下に葉っぱがついています。これはシロツメクサの品種の1つで、モモイロシロツメクサ(桃色白詰草)...
亜米利加風露の種子散布
- 2021/06/02
- 21:00

5月13日のブログで紹介したアメリカフウロ(亜米利加風露)の続きです。20日前に、小さなピンク色の花を咲かせ、緑色の葉っぱを広げていました。それがいま、こんなふうになっています。初夏なのに紅葉して、ロケットのような形の果実が実っています。黒いロケットの基部には5つの袋があり、この中に種子が入っています。これが成熟すると、ロケットだけに飛んで行きます。ただし、飛んで行くのはロケットの本体ではありません。...
柿の木の雌花と小丸花蜂の雄
- 2021/06/01
- 21:00

カキノキ(柿の木)に淡い黄色の花が咲いています。標準和名はカキノキ。単にカキというと果実を指すらしいです^^↓これは富有柿。左は開花中。右は受粉を終えて花びらを落とし子房が膨らみ始めたカキです。カキの花には雌花と雄花があります。↑これは雌花です。雄花を探すのですが、見つかりません。見つからないはずです。富有柿には雄花はないんだそうです。受粉しなくても果実はできますが、受粉した方がたくさん実るようです。...