DC-DCコンバータ|設計編
入力コンデンサの配置
2020.06.16
この記事のポイント
・CIBYPASSは、必ずICを実装する面と同じ面に配置し、できるだけICの入力端子の直近に配置する。
・CIBYPASSが望ましく配置されている場合、CINはICから2cm程度なら離れても構わない。また、裏面への配置も可能。
・大電流供給と高周波スイッチング電流に対する高速応答の両方が確保できるなら、CINとCIBYPASSを1個のセラミックコンデンサで兼ねることが可能。
ここからは、個々の部品の配置とそのポイントについて説明して行きます。前回示した手順は、部品配置を決めて行く順番であり、おおよそこの順で進めて行けば能率よく設計をすることができます。
入力コンデンサの配置
入力コンデンサは、DC-DCコンバータのトポロジー(昇圧や降圧など)にかかわらず、最も重要な部品です。昇圧コンバータの場合、入力コンデンサには出力電圧と入力電圧の比に該当する大電流が流れるばかりでなく、高周波スイッチング電流であるインダクタのリップル電流により充放電されます。したがって、この大電流への対応と高周波数スイッチング電流に対する高速応答性を確保するために、通常は入力コンデンサとして大容量のCINと、高周波デカップリング用CIBYPASSの2個を用います。
降圧型DC-DCコンバータの入力コンデンサと同じように、1個のコンデンサで大電流供給と高速応答性の両方を満足できる場合は、CINとCIBYPASSを1個のセラミックコンデンサで兼ねることが可能です。この場合は、高周波スパイクノイズに対する配慮を優先事項とします。ここでは、1個のコンデンサでCIBYPASSとCINを兼ねることができない場合を前提に説明します。
CIBYPASSは、必ずICを実装する面と同じ面に配置し、できるだけICの入力端子の直近に配置します。
特に、GNDループが小さくなるように配置・配線してください。CIBYPASSは、「昇圧型DC-DCコンバータの電流経路」で説明したように、電流波形の急峻な部分の供給源であり、高周波のスパイクノイズが発生するので特に重要です。
望ましい入力コンデンサの配置例を図に示します。CIBYPASSが望ましく配置されていると、CINの役割は大電流の供給に限定されるので、これを前提にCINはICから2cm程度なら離れても構いません。また、ビアを介して裏面へ配置することも許容できます。
望ましい入力コンデンサの配置例
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