DC-DCコンバータ|評価編
同期整流降圧コンバータのゲートチャージ損失
2017.12.12
この記事のポイント
・ゲートチャージ損失は、MOSFETのQg(全ゲート電荷量)に起因する損失。
・MOSFETのQgが同じなら、損失は主にスイッチング周波数に依存する。
今回は、パワースイッチであるMOSFETのゲートドライブに関する損失を考察します。以下の図の、ハイサイドおよびローサイドスイッチの「PGATE」で示した部分が該当します。
ゲートチャージ損失
ゲートチャージ損失は、この例では外付けのMOSFETのQg(全ゲート電荷量)に起因する損失です。MOSFETをスイッチングするときに、電源ICのゲートドライバーがMOSFETの寄生容量にチャージする(ゲートに電荷を注入)ために生じます(下図参照)。これは、スイッチング電源にかかわらず、MOSFETをパワースイッチとして利用するアプリケーションでは共通の検討事項です。
損失は、MOSFETのQgにドライバー電圧とスイッチング周波数をかけた値になります。Qgは使用するMOSFETのデータシートを参照します。ドライバー電圧は実測か、ICのデータシートを参照します。
この式から、Qgが同じであれば、スイッチング周波数が高い場合に損失が大きくなることがわかります。ドライバー電圧は、MOSFETが必要とするVGSを供給する観点から、回路やICによってあまり大きな違いはありません。MOSFETの選択とスイッチング周波数は回路設計によって異なるので、重要な検討事項になります。
他のセクションとの整合性を保つためスイッチングの波形を示しましたが、ゲートチャージ損失を示す箇所はありません。
次回は、インダクタのDCRによる損失を予定しています。
【資料ダウンロード】 降圧DC-DCコンバータ 損失の検討
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