店名に「見晴らし」と付く飲食店がある。
店名に掲げるくらいなのだから、そこにはよほど素晴らしい見晴らしが待っているのだろう。
「『見晴らし食堂』からの見晴らし」をご報告します。
「見晴らし」を掲げる飲食店は多数ある
店名に「見晴らし」を掲げるお店がある。
外食というのはある種の総合アミューズメントだ。
味はさることながら、サービス、内装やBGMといった雰囲気、そして見晴らし。
我々はそのトータルの対価として、与えられたその時間に対して金銭を払っているのではないでしょうか(誰目線)。
その一要素である「見晴らし」にフィーチャーして店名に掲げるということは、よほど素晴らしい眺望が味わえるのだろう。
いじわるな見方ではなく、自らハードルを上げる心意気を買いたい。
今回「見晴らし」と付くお店を3か所巡った。
「見晴らし食堂」からの見晴らし――
そこにはどんなに素晴らしい見晴らしが待っているのだろう。
新潟・川口の「みはらし」はリバービュー
最初は新潟県長岡市は川口地域にある「レストランみはらし」。
一級河川 魚野川沿いに建つ建物で、雄大な見晴らしが期待できる。
看板にはラーメン、カレー、定食、そしてフィリピン料理とある。
オーソドックスな店名に反して、フィリピン料理とはなんとトリッキーな。
もしかしたら俺、代表的なフィリピン料理の名前すら言えないかも。
でも諸事情(主に懐事情)により、メニューで推されていた「スペシャルラーメン」を発注。
ラーメン屋でも中華料理屋でもないお店でたのむラーメンの悦楽。
どのへんがスペシャルなのかはわからないが、ドストレートさが美味しい、専門店に劣らないスペシャルなクオリティだった。
さて、肝心な「レストランみはらし」からの見晴らしはこちら。
ザ・リバービュー。
さすがの見晴らしである。
せっかくなので、お店を後にしてから、さきほど眺めた川の対岸に渡り、お店の位置を確認してみる。
↑矢印で記したのがレストランみはらし
確かに見晴らしが良さそうなところに建っているな、とさっきまでそこにいたのに俯瞰で思う。
もしかしたら今もあの窓から「『レストランみはらし』からの見晴らし」を味わっている人がいるかもしれないと、少し照れながら手を振ってみた。
↑ちなみに食事をとった席からのアングルには柱が。渋谷ラ・ママか。
「レストランみはらし」の見晴らし
見晴らしの素晴らしさ :★★★★
メニューに意表を突かれた度:★★★
予想外の眺望が待ち受ける 信州松川の「みはらし」
目的地へ向かう車の窓ガラスに、水滴が一つ、また一つと。
急がなくちゃ。
僕は不安な心を取り払うように、ワイパーを動かした。
あ、筆致が変わりましたが、変わらず「見晴らし食堂」を訪ねております。
今回は長野県は松川村の「手打ちそば みはらし」を目指す。
信州へのドライブ、目的地はそば屋ときたら、自然と心は弾む。
そこに見晴らし良好とくれば、もはやそれだけでいい一日が過ごせそうな。
問題は曇天、さらにポツリポツリと雨が降り出したということだけだ。
はじめにこちらのお店の立地を説明すると、山の麓、少し坂を上ったところにある。
(うまく地図の設定ができていませんが、北西の方角です)
↑中央の建物のあたりがお店
小高い位置から市街地を見下ろす感じのナイス見晴らしが期待できそうだ。
↑何とか本降りにならないうちに到着
↑佇まいからして、おそばと見晴らしへの期待度も高まる!
店内はほぼ満席だが、運よく空いていたテーブル席に通される。
ざるそばを注文。
↑寄りで撮ってみたけど特別写真が上手いわけではない
期待通りの味、香り、のど越し。
つまり最高。
みっともないが、あまりの美味しさに2分で食べ終わってしまった。
成長期の男子か。
さて、お待ちかねの「手打ちそば みはらし」からの見晴らしはこちら。
↑あれ?
通された席によるところも大きいが、店名に掲げる見晴らしを望むにはなんとも見づらい。
↑素晴らしい見晴らし…なのかな?
お会計を済ませ店外へ出てみる。
店内からの見晴らしがイマイチ見づらいという点は減点だが、立地としての持ちうるポテンシャルは高い。
晴れた日にはもっとナイスビューが待っているか。
曇天が逆に再訪への気持ちを高めてくれた。
絶品のそばもまた食べたいしね。
↑そしてお店を後にした直後に雨に見舞われた
「手打ちそば みはらし」からの見晴らし
見晴らしの素晴らしさ:★★
また行きたい度 :★★★★
温泉施設にある絶景の「見晴らし食堂」(新潟・松代)
最後の「見晴らし食堂」は温泉施設の中にある。
こちら新潟県十日町市にある「まつだい芝峠温泉 雲海」という温泉施設で、峠道を上った先にある。
温泉自体が「雲海」と名乗るくらいのハードルの上げよう。
これは付帯施設の「見晴らし食堂」からの見晴らしも期待できる。
↑メニューは温泉施設とかによくあるオーソドックスな感じこういうところではトンカツ定食をたのむのが私の流儀。
美味しんぼの「トンカツ慕情」のエピソードの影響をモロに受けて生きている。
おそらくご当地ポークを使用とかそういう類のものではないと思うが、かえってそのくらいのカジュアルさが好ましいときもある。
揚げたてですこぶるうまい。
平日の昼間ながら賑わっており、温泉上がりにみな思い思いに食事やアルコールを楽しんでいて幸せな空気が流れている。
主題である見晴らしだが、食事をとりながら優雅に眺める、というわけにはどうもいかない。
↑窓に対してこういうアングル
これはいけません、「『見晴らし食堂』からの見晴らし」としては減点ですな。
ただ、廊下に出てみると、なかなかの眺望が待っていた。
↑ご一緒に、「ナイスビュー!」
このあと、せっかく温泉の入館料を払ったのだからと入浴してみた。
本当は風呂嫌いなのだが、平日の日中に温泉に入るというシチュエーションを含め、最高に気持ちがよかった。
露天風呂からは、越後三山をはじめとする雄大な山並みを望むことができた。
だけど湯に浸かりながら思う、なにかが違うと。
ただ単に美しい景色が見たいわけではない。
私の求めるのは、あくまで「『見晴らし食堂』からの見晴らし」なのである。
「まつだい芝峠温泉雲海 見晴らし食堂」からの見晴らし
見晴らしの素晴らしさ:★★
温泉の気持ちよさ :★★★★★
「『見晴らし食堂』からの見晴らし」は素晴らしかった
というわけで報告します。
店内からダイレクトに素晴らしい見晴らしを望めるお店ばかりではないけれど、「『見晴らし食堂』からの見晴らし」はどれも素晴らしかった。
「『見晴らし食堂』からの見晴らし」のように、世界情勢も広く澄んで見渡せますようにーー
…こういう取ってつけたようなまとめ方は嫌ですか。
↑レストランみはらしの近くには水準点が。「大切にしましょう」って言われても、フィリピン料理と同じくらい水準点のことを知らないかも。