ミニバスが得意だった、隣のクラスのあの子。
市の合同演劇観賞会で斜め前に座った、控えめな笑い方の他の学校の女の子。
ショートカットでスカートなど穿かず、運動神経が良くて、性格はサバサバと竹を割ったような。
そんな女の子を見ると小5の私の胸の奥はキュンと疼いた。
けれどボーイッシュな女の子は手をすり抜けていく。
年齢を重ねるにつれ、スカートを穿き、髪を伸ばし…
致し方ないことだろう。
成長の過程での嗜好の変化や社会的性により、ガーリーに染まっていく。
「もったいないよ!」
「あんたたちのためにやってるわけじゃないから」
「そっか」
俺は同年代のボーイッシュとともに歳を重ねていきたかったよ。
さよなら俺たちのボーイッシュ。
ボーイッシュとともに歩んでいくことは叶わなくとも、その姿が焼き付いている。
またバスケしようね。