Photo Stories撮影ストーリー

2023年の大賞受賞作品は、海洋生物学者でナショナル ジオグラフィックのエクスプローラー(探求者)でもあるロラン・バレスタ氏が撮影したカブトガニと3匹のコガネシマアジ。(PHOTOGRAPH BY LAURENT BALLESTA, WILDLIFE PHOTOGRAPHER OF THE YEAR)
極寒の海で繰り広げられる捕食者と獲物の駆け引き。動物の母と子の安らぎのひととき。英国のロンドン自然史博物館が主催する野生生物写真コンテスト「ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー」では、世界中の一流の写真家たちによる傑作が披露される。
参考記事:バーティー・グレゴリー氏撮影「【動画】シャチのアザラシ狩りになんとクジラが乱入、なぜ?」
このコンテストは、写真を通じて保護が必要な野生生物の姿を捉えたり、人間の開発が自然にもたらす影響に目を向けたりすることで、地球に敬意を表し、科学研究を促進し、環境破壊に関する認識を広めることを目的としている。
2023年の大賞をはじめ、選出された作品の中には、ナショナル ジオグラフィックの写真家たちのものも含まれる。いずれも、人間によって作り変えられた世界の中で、危うい状況に置かれている動物たちを写したものだ。
大賞に輝いたカブトガニの写真は、海洋生物学者でナショナル ジオグラフィックのエクスプローラーでもあるロラン・バレスタ氏が、フィリピンのパンガタラン島近くで撮影した。後をついてきている3匹の小さな魚(コガネシマアジ)は、カブトガニが海底の泥の中の食べものを巻き上げてくれることを期待している。(参考記事:「カブトガニ 大きな甲羅で時代を超える」)
この海域では、カブトガニは保護されている。1億年以上も生き延びてきたカブトガニだが、現在は絶滅の危機にある。その理由の一つは、カブトガニの血液がワクチン開発において重要な役割を果たしているためだ。
それでは、2023年のコンテストの受賞作を紹介しよう。
ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー、過去の受賞作品集
「2022年の受賞作12点」
「2021年の受賞作15点」
「2020年の受賞作15点」
おすすめ関連書籍
世界最高峰のネイチャー写真賞「ワイルドライフフォトグラファー・オブ・ザ・イヤー」50周年を記念して出版した「世界一の動物写真」のアップデート版。
定価:3,960円(税込)