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高い位置から急須へ湯を注ぐ。中国、四川省で撮影。(PHOTOGRAPH BY TUUL AND BRUNO MORANDI)

お茶、至高の一杯を求めて中国を旅する 写真14点

2019.04.29
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 茶は、水に次いで世界で2番目に最もよく飲まれている飲み物だ。言い伝えによると、紀元前2737年、中国の神農という伝説上の皇帝が湯を沸かしていたところ、器の中に偶然茶葉が入ったのが始まりだという。

 それから4700年、茶は全世界に広がった。インドやネパール、日本、ケニアほか多くの国々で茶葉が栽培されている。緑茶、ウーロン茶、紅茶、白茶など様々な種類があるが、すべては同じチャノキ(Camellia sinensis)から作られる。長い歴史のなかで、茶は貨幣や献上物として使われたり、貴重な農産物として税金をかけられたりもしてきた。(参考記事:「ナポレオンも撃退した!レモンの博物誌」

中国の茶摘み。雲南省の山でも四川省の段々畑でも、茶葉は全て丁寧に手で摘み取られる。(PHOTOGRAPH BY TUUL AND BRUNO MORANDI)
中国の茶摘み。雲南省の山でも四川省の段々畑でも、茶葉は全て丁寧に手で摘み取られる。(PHOTOGRAPH BY TUUL AND BRUNO MORANDI)

 私、リサ・シーは、最上の一杯のお茶を求めて、中国を旅することにした。私は子どものころから茶を飲んでいるが、専門家でも何でもないので、今回の旅には案内役が必要だった。そこで、オンラインのプーアル茶専門店「版納茶荘」のリンダ・ルーイ氏、茶の輸入販売業を営むジェニー・ドッド氏、そしてネパールで茶園と加工工場「ホライズン・パルドゥ・バレー・ティー」を経営するブッダ・タマング氏に同行を依頼した。私はただのライターだが、他の3人はいずれも茶の専門家である。

 私たち4人はまず、中国広東省広州に集合し、茶の専門店が軒を連ねる世界最大の芳村茶葉市場を訪れた。その後、雲南省へ移動した。昆明(クンミン)を通過して景洪(ジンホン)へ飛び、運転手のリー・リンさんの出迎えを受けた。ここは、雲南省最南、ミャンマーやラオスと国境を接するシーサンパンナ(西双版納)タイ族自治州の中心地だ。

雲南省と四川省は中国の茶の主要産地だ。(NG Maps)
雲南省と四川省は中国の茶の主要産地だ。(NG Maps)

 元教師のリーさんは、現在は定年退職して、茶葉の収穫期になると車で観光客を案内しているという。リーさんの運転はことのほか慎重だった。「外国人と一緒に事故に遭うと色々と面倒ですから」ということだ。まもなく、孟海(モンハイ)という小さな町に到着した。ここを拠点として各地の茶山を訪れる。

次ページ:「プーアル茶の王様」と出会う

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