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捨てる神/拾う神

エピソード
05 /24 2018
Book.jpg


諸事情によりブックローン(講談社)の英才教材、
後に学研のセールスをしていた頃の話です。
諸事情というのは、過去記事としてアップしています。  少年A




ある営業日、お洒落な外観の
オートロック式マンションの前で思案していました。

洗濯物を見る限り、赤ちゃんや幼児が多そう。
入れたら穴場かも?
はて、どうやったら入れるだろう?

そこで出入りする女性たちを観察しました。
買い物帰りのような主婦たちを念入りに、です。
主婦たちはたいてい、買い物袋を肘辺りにかけています。
肩にかけるほど重くはないわけです。

(・。・)そうだ!……買い物帰りの主婦になりきろう!
パンフ資料は8㎏ほどなので、いつもなら肩にかけて歩くのですが、
それを肘辺りに持ち替え、買い物帰りの主婦に紛れて入りました。

まずエレベーターで最上階まで上がると、
マンションは意外な構造をしていました。
建物の中央は吹き抜けで背の高い植物に満たされ、
最上階まで、その空間を取り囲むように
四角く部屋が配置されていたんです。
これには困りました。
無駄に通路を歩き回ってインターホーンを鳴らそうものなら、
営業マンだと察知され、通報されるかもしれません。
唯一、身を隠せるのは、通路から凹型に入り込んだ
各部屋の玄関スペースのみでした。

とりあえず、ワンフロアだけでも廻ってみよう。
そう思って玄関先のバギーや、子供用自転車などを頼りに、
二軒だけ、インターホーンでアタックしてみました。
一軒は留守、二軒目はケンもホロロ……。

しばらくすると、管理人らしき靴音が聞こえてきました。
早っ!……。
二軒目の住人が通報した?
思わず通路から凹んだ玄関スペースに身を潜め、
壁に張りつきながら、その靴音に耳を澄ませました。

(。・?_?・。)… なぜか笑えてきました。

まるでスパイダーマンじゃん!
わたし、何やってんだろう
悪いことしてるわけでもない。
良書を勧めようとしてるだけなのに、
なんだって隠れてるんや?

そもそもの話。
自分の子に使ってみて良かったから売ってるんや。
けど世の中、悪質な営業マンが多すぎる。
十羽一絡げって、ほんま、かなわんなぁ。

アホらしい!……帰ろう。
管理人に見つかったらゴメンナサイするわ。
どうやって入った? とか聞かれたら、ありのまま。
たまたまドアが開いていたので…。
まっ、そのチャンス、見計らっていたのは確かだけど。(^_^ ;)

あえてエレベーターを使わない、ってわけ?
階段を登ってくる管理人の、革靴らしき靴音が近づいてきました。
中央が吹き抜けなので、物音が筒抜けなんです。

万事休す!
そう思いながらも反射的に、
身を隠していた玄関のインターホーンを押しました。

『こんにちは! わたくし、ブックローンと申します』

イチかバチかでした。

『まぁ!…チャイクロさん?…お待ちしておりました。
どうぞ、お入りください』

上品な優しい声と、玄関ロックを外す音が聞こえました。

(((ʘ ʘ))……うっそぉ、こんなこと、あるんやぁ。


『ず~と、チャイクロが欲しかったんです。
ですが、街の書店では売ってないし、講談社さんに電話して
取り寄せようかと思っていたところなんですよ』

開口一番、主婦が嬉しそうに言いました。
で……結局、『チャイクロ』と『Q&A』をお買い上げ。
同じマンションの友人、二人を紹介してくれました。

2時間後……。
いかにもアポイント済みの訪問であるかのように、
管理人室の前を堂々と歩いて、
誇らしげに外に出たのは言うまでもありません。


営業のコツは……。
① 競合者が避けそうな市場(場所)に行くこと。
② 家庭の顔、玄関先の様子で判断すること。
➂ 独創的なアプローチと、売り手の人間性。
この3点に尽きると思います。

競合者が避けそうな場所というのは、
いかにも入りやすそうな文化住宅や、
真新しい建て売り住宅などを避け(ローンでアップアップ)、
足がすくみそうな高級住宅街や、オートロックマンション、
あるいは逆に、同和地区や朝鮮人街など、
営業マンが敬遠しそうな場所に足を運ぶんです。
当然ですが、市場によって装いも極端に変えます。

高級住宅街などを廻るときはスーツと中ヒール。
留守番の高齢者などは、講談社、女性というだけで、
意外にも扉を開けて招き入れてくれます。
(当時はネットもなく、新聞や雑誌以外、
専門的な情報が少ない時代だった)

また家人の思想や趣味は、立派な書架に並んだ書籍を観れば一目瞭然。
横山大観の原画を飾っているお宅では『ダビンチの素描』を。
『息子が医者で‥』と自慢する母には『一流シェフ監修フランス料理』を。
寺巡りが趣味だという爺さまには、
『日本の国宝仏像』などを買ってもらったものです。
価格は10万~20万…今でいう百貨店の外商みたいな感覚です。

同和地区などに行くときは(誰も行かないので穴場)
Tシャツとボロボロのジーパンで、
マンション通路で井戸端会議中の主婦連に話しかけます。

『ああ、しんど。外は暑くて……ちょっと日陰で一服さしてな!』

営業の話は一切せず、世間話に耳を傾けます。
話題には適当にあいづち打って、聞き上手に撤するわけです。

当然ですが、しばらくすると正体を聞かれます。

『あんた、何屋さん?』

『……学研のオバちゃん。けど、もう帰るわ。
暑いし、留守多いし、炎天下なんて歩いてられん。
喉乾いて、喫茶店ばっかり入って、何しに来てんのか判らんし……』

そうやって本音をぶちまけるんです。
するとたいてい……。

『そうかぁ……冷たい麦茶ならあんで。飲むかぁ? まぁ、ちょっと入り。』
それを機に、主婦連はバラケます。
経験で判るのですが、これは、ある種のサインなんです。
近所には内緒で、聞きたいことがある場合の……。

そうやって部屋に入れていただくと、
売れるか否かは、ものの5分でわかります。
すぐに履けなくなるのに、複数のピカピカの子供靴。
バギーのメーカーや、ベランダに干してる洗濯物(経済指標)
玩具の種類、本棚の内容、整理整頓のセンスなどで‥‥。

『ひゃあ、生き返ったわ!ごちそうさん!
ところで、クーラーまで入れてくれて、聞きたい事ってなに?』

『あんなぁ、男やったら入れんけど……。
そろそろ、チビに図鑑かなんかいるやろ思ててん。
オバちゃん正直そうやし、パンフ見せてくれへん?』

『ええよ。……この眠ってる赤ちゃんと、上のお子さんは年長さん?
だとしたら図鑑は必須やなぁ。
それと小学生から使う教科書の参考書やな。
さすがに学研…文部省の学習指導要領に即して作ってるし、
それあったら塾なんて行かんでいいし……。』

こうして契約は成立。
麦茶のお礼とか言って、
その主婦には自腹を切って書架とかプレゼントしておきます。
(オプションの別売りを社員価格で買う)
次回、廻りやすくなりますし、紹介も期待出来るからです。

そうそう、焼肉で有名な『鶴橋』の朝鮮人街にも行きました。
露天商の朝鮮人だとローンを組めませんので、
めったな営業マンは足を踏み入れない地域です。

ある日、商店街の中ほどにあった、
小ぎれいな戸建ての玄関でアプローチをかけました。
デザイン性に優れた子供服が干してあり、
ピカピカの何足もの靴や、バギーが整理整頓され、
至る所に観葉植物が配置されていたものですから‥…。

アプローチには成功したのですが、求められた本の総額が18万。
現金では無理だと言うので、ちょっと渋ってしまいました。

『ローンではダメなんですか?』
30代くらいの主婦が、腹立たしそうに言いました。

『申し訳ありません。職種によってはローンが効かない場合も‥‥。
失礼ながら、ご主人様は会社勤めとかでしょうか?』

恐る恐る聞きました。
店舗というより、露天商がひしめきあっている地域ですし、
表札は日本姓でも戸籍は違う場合が多いものですから。

『朝鮮銀行鶴橋支店……支店長です』

『(((ʘ ʘ))ですか……失礼いたしました!』

ローンは、審査の結果NOという場合も多いのですが、
このオーダーはローンが通り、
自らの先入観を反省したことは言うまでもありません。


雪の降る営業日、ある住宅地を目指して歩いていると、
深さ50~60㎝、2m幅ほどのドブ川に隔てられました。
中ほどに板が渡されていて、これ幸いと思いました。
どう見回しても、その場所以外、
住宅地に至る道は恐ろしく遠回りだったんです。

ところが、渡りかけた瞬間、板が折れて、
下半身がドブ側に落ちてしまいました。

臭いわ、汚いわ、寒いわ……泣きそうになりました。
が…とにかく直進して住宅街まで歩きました。
通りに出て、タクシーでも拾って帰るしかありません。
ですが、この姿ではタクシーに乗れるかどうか、です。

ふと見ると、ある戸建ての前で、
子供たちがホースで水遊びしていました。

『!(・。・)…ゴメン、オバちゃんにそのホース借して。
そこのドブ川に落ちてん。ドジなオバちゃんでなぁ‥‥』

苦笑いしながらホースを借り、とりあえず下半身を洗いました。
これでタクシーに乗れると安堵したものです。

『え~っ!…あんた、この寒いのに、なにやってんの?
ドブに落ちたん? そらアカンわ。
早よう、中に入り。洗濯機かけたるわ。
コタツにでも入ってたら、そのうち乾くやろ…』

頭越しに甲高い声が響きました。
ホースの持ち主……家人の主婦が出てきて言うのです。
ワ~オ!……『地獄に仏』とはこのことです。


お茶をよばれ、乾燥器で服を乾かしてもらっている間、
私はず~と、子供たちの守をしていました。

POPライター自営の数年、
そばで眠るわが子に読み聞かせていた絵本の数々。
『3匹の子豚』や『白雪姫』などのお話はもとより、
『キンダーランド』という童謡のカセットは、
擦り切れるほど使い込んでいたので、どこでも披露できました。
読み聞かせはプロ級の抑揚、バックミュージックつきで、です。

3歳と5歳の子供たちは、目を輝かせて聞いていました。
すると、台所に立っていた主婦が、いきなり言いました。

『おたく、本屋さんなん?……どこの?』

『……学研のオバちゃんなんよ。けど、売る気はないよ。
だからパンフも見せへん。
子供のお迎えあるし、気が焦ってて近道しよう思て。
奥さんには感謝こそすれ、仕事の話なんて……』

主婦は興味津々のようでしたが、
カタログを出す気にはなれませんでした。

『なんでやねん! 見せてくれてもいいやんか。
私、学研には興味はあったんよ。
けど、変な営業マン多いし、警戒してて……』

『ええっ~! けど、買ったとして、ほんまに読み聞かせる?
買ったわ、3年後にホコリかぶってたら、私、ここにきて説教すんで!
というのも、本って、やっぱ“親の姿勢”やねん。
親が本好きなら子供もそうなるし、
子供の質問に答えられへんようだと知的好奇心、育てへんやろ?
買うからには、奥さん自身が使うという意思、ないとなぁ‥‥』

どっちが客か判らない乱暴な言い方をしました。
営業って、ベンチャラなんて意味はないと思っているんです。
母自身のため、子供のために……。
それを解ってもらうことが、私のプライドだったんです。

結果、主婦はなんと……。
『百科事典』と『図鑑』を買ってくれました。
総額20万円ほどです(36年前、ネットなし)
もちろん、最高級の書架をプレゼントしました。
コミッションの半分がそれに消え、子供のお迎え時間が迫り
遠方からタクシーに乗ったので、残りのコミッションも消えました。

犬に吠えられ、夫婦喧嘩のとばっちりでバケツの水をかけられ、
ヤクザに絡まれ、汚い者のように扱われるセールス業ですが、
誠意には誠意、以心伝心みたいな顧客の存在もあって、
幸せな気分になれることもありました。


飛び込みセールスで得たものは、
なによりも“へこたれない精神”でした。
“どこの馬の骨とも判らない自分”はまだしも、
“汚い者のように扱われる自分”を味わいます。
すると、プライドなんてものは剥がれ落ち、
大衆の中での身の程を知るんですねぇ。

同時に、相手の、人としての質がよ~く判ります。
社会的地位や権力への執着や、職業による偏見の強さはもとより、
利他愛や、博愛のような精神の個性も、よ~く見えるんです。
これだけは、お金出しても体験できませんからね……。(^_^ ;)


捨てる神あれば拾う神あり
英語版だと『When one door shuts another opens』
『一つのドアが閉まると別のドアが開く』が近いでしょうか。
これ、真実ですよねぇ。
開いてるのに気づかない人、
気づいていてもトライしない人、多いですが……。

万事休す、四面楚歌、五里霧中、孤立無援……。
そんなときこそ“自らを客観視”して楽しみます。
そんなときこそ『塞翁が馬』を思い出しましょう。
本当は……。
この世のことは『幻想』かもしれませんから。
過去記事 → 時間  (^_-)-☆





インターネットの普及で、今ではセールスマンなんて死語になりつつあります。
たまに来るのは新聞の勧誘か、エホバの証人、選挙の勧誘くらいなもの。
ですがネットに比べ、顔を見せる勧誘などはまだ許容範囲。
たまに、ほっとすることさえありますもんねぇ。(^_^ ;)

誇大広告から詐欺まがいの商法まで、ネッという媒体は
今や悪質な犯罪の温床になっているようです。
NHKスペシャル『仮想通貨ウォーズ /盗まれた580億円を追え!』
視聴されたでしょうか?
仮想通貨を盗む集団とホワイトハッカーの、一進一退の追跡劇……。
結果、仮想通貨は換金され、犯人は特定できませんでした。
ネット社会の深い闇を思い知らされますよねぇ。


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Re: ゆうさんコメントありがとうございます!

お仕事、つまってるのに、コメントありがとうございます!
私のブログは自叙伝ベースですから、恥部も、お構いなく投稿しているのですが、
これほどまでに褒めていただくと、投稿冥利に尽きますです。ハイ!

かつて、百科事典や図鑑は各家庭にありましたよね。
疑問に感じることは、それで調べるしかなかった時代でしたし。
アップデイつきの情報がネットで得られるようになって、
ほとんどの人が廃棄したんでしょうが……。

>私の義叔母が嵌っていました。何百万使ったことか・・・(涙)

(●`∧´)それそれ!…私の母も餌食になりました。(´-﹏-`;)
最初は話だけ。そのうち卵や日用品のプレゼント、慣れた頃に健康寝具などの話。
次回、印鑑を持参するよう促す手法ですよね。(全国津々浦々で)
都会で規制が厳しくなり、私が小川村に移住したとき、過疎の村でやってましたもの。
(迷わず役場に通報、業者撤退しましたが……)

★私の実母のケース
ある日、母と同居していた兄嫁からSOS。
お義母さんが20数万もの布団買って、騙されてるみたいで……とか。
(母はボケかかっていました)
ピンと来て、即刻、業者に電話。責任者を呼びして言いました。
『布団買った者の娘だけど、即刻、引き取って全額返しなさい!
問答無用!…私、消費者センター勤務のオバちゃんだし、判るでしょう?‥』
すると即日、返品と返金処理ができました。(^_^ ;)

飛び込みセールスを経て内勤の営業に転職。
最終的に大阪営業所所長、兼、顧客相談室長、兼、研修担当やってました。
顧客相談室長って聞こえはいいですが、その実態は『クレーム処理最終責任者』なんです。
全国に展開する営業所の中にはオーバートークで客とトラブルケースもあり、
消費者センターまで行くと、本社の営業員だろうと地方の営業員だろうと、
最終的に、私に振られるわけです。
『申し訳ございません、教育に徹します!』と、挺身低頭、誤る日々。

で、その体験を逆手に取って、母の失態をカバーした、というわけです。(^_^ ;)

> 商売もいろいろありますが、基本は人だと思います。

どんなに素晴らしい本や作品でも、
ヒットする販促アイディアは必要ですよね。
キャッチコビー、ストーリー性……この二点は必須。
あとは、営業マンの人間性でしょうね。

>私のようにダメダメ人間では、購入してくださる方にすら出会えないでしょう(苦笑)

何をおっしゃる、ソカロのゆうさん!
ご自身も周りも芸術家ばかり……交流することで刺激し合って羨ましいです。

わたし、たまに思います。
天才的なコピーライターは詐欺師かも?と‥‥。
私の先輩、鉱物売ってるとき、その才能が際立っていました。
バレーボール大の水晶の原石の命名が……“聖母マリアの涙”で、
なんと、京都のリッチな奥方たちが奪い合って買いました。
(仕入れ値60万 → 200万)

路傍の石も、彼女に語らせると“闇夜に光るダイヤモンド”になります。
で、天才と詐欺師は紙一重だと感じ、彼女の傍から離れました。

POP&デザイン13年、飛び込み、内勤、管理職合わせて13年、
それ以降の13年は“ヒーリング鍼灸師”という人生でしたが、
営業職ではもっとも、心身ともに鍛えられたと思います。
人間心理(マズローの購買心理学)や、ナポレオン・ヒルを聖書にして、
人間関係の果てしない迷路を彷徨ったことで、反って、
もともと内在していた『真理の探究』に火がついた。
そんな人生だったんです。

1回/月の、熱海/浜松往復……親孝行ですねぇ。
母上の畑は偉大です。
手伝っているようで、実は最高に癒されることもありそう。
土を触触り、野菜を収穫していると、本当に大切なものが見えてきますもんね。(*^▽^*)



小説にして出版したらいい・・・

「忘れさられたセールスマン」的な!(すべての教えがここにある!的な 笑)
本当に凄いですね。私の家にも「カラー図鑑百科」だったかありました。全20数巻。きっと、母親が買ってくれたのでしょう。子供の頃には食い入るように見ていました。しかし、母には記憶がないようです(笑)でも、いましたよね。当時セールスマン。藤子不二雄の漫画にもなるくらい。
そして、この貴重なな体験数々。こんな体験をしていれば、どんなことにも驚くことはないでしょう。本当に頭が下がります。
私の知りありが以前、健康教室なる町のおじいいさん、おばあさんを相手に100円でいろいろな物をもらえるその代わり、健康に関するお話を1時間ほど聞かなくてはならないという商売の裏側を聞かせてもらいました。「物を売らない!」が商売の基本。だそうです。そこまで欲しいなら譲ってあげる的な(笑)法律ギリギリの商法なのですが、私の義叔母が嵌っていました。何百万使ったことか・・・(涙)
内容の良し悪しは別として、知人が自分の両親にも通わせたい。と、言っていたくらい、孫のように親身になって名前を呼びながら話をしてくれる商売に感動していました(苦笑)いろいろな商売があるものです。実家の近くにそんな教室ができて、母も通い始めた事を姉に聞いて、詐欺まがいの商売だからと説得。母には100円でモノがもらえて、親切な人に囲まれてと・・・とても居心地がよかったようです。母は私たちの話を聞いて通うことをヤメたのですが、友達が通ってかなりの金額を使ったようです。それでも、満足しているのですから面白いものです。同じ商品が数分の1で購入できるのに・・・
以前、丸善の訪問販売の本を提供したことがあります。チェコのパレチェックさんの本ですが・・・何百冊売れたことか・・・優勝な販売員さんたちです。
商売もいろいろありますが、基本は人だと思います。私のようにダメダメ人間では、購入してくださる方にすら出会えないでしょう(苦笑)今まで生きてこれただけでも奇跡のようです。この年になって、少しはマシになった気もしますが、やはりまだまだ四面楚歌、五里霧中、孤立無援、暗中模索、の状態が続いています。拾う神にいつか出会える事を祈って・・・では、また。

Re: エリアンダーさん こんにちは♪

> 私がであったセールスの中にも優秀な人がいました。
> セールス本人が商品の話を持ち出さないのに、気が付いたら
> その商品を買っていた、なんてことがありました。(笑)

まったく同じ経験あります。
自宅でPOP書きしてて忙しい最中(真夏で玄関開け放ってた)、
恵比寿さんみたいな顔したオジサンが、
玄関先に立って、その作業を食い入るように見つめていて……。

『何か?……』
『イヤイヤ、スゴ技に見とれて……怪しい者ではありません』
学研のオジサンでしたが、本のことは一言も。
その後も30分、私の筆の運びを見つめてて……。

『パンフ見せて……フムフム、これとこれ、これも‥‥』
ってな感じで数セットの知育絵本、唄のテープ、百科事典、買いました。

諸事情からお金が必要になったとき、そのオジサンに自ら電話。
なんと営業課長で、その後も懇意に。
彼は個人的に『生きた英会話テープ』制作に燃えていて、
私たち家族がモデルとしてビデオに出て協力しました。

10年後、内勤営業時代、そのオジサンの友人(学研マン)を所長、
息子をマネージャーとして推薦。長い付き合いになりました。
縁は異なもの……ですねぇ。

> 前に面白く読んだのですが、「離脱」タイでのお話の続きはどこで
> 読めるんでしょうか。

(*′☉.̫☉)離脱 → 賢者の囁き http://max111873.blog.fc2.com/blog-entry-3.html です。

こんにちは

コメントありがとうございます。
人間観察の巧みさと心理学的洞察を武器として顧客に立ち向かった
様子をドキドキしながら読みました。プラス風子さんの人間的魅力が
功を奏したんでしょうが。
私がであったセールスの中にも優秀な人がいました。
セールス本人が商品の話を持ち出さないのに、気が付いたら
その商品を買っていた、なんてことがありました。(笑)
前に面白く読んだのですが、「離脱」タイでのお話の続きはどこで
読めるんでしょうか。

Re: ウナさん おはようございます!

> 最近 fiddler なる文字を知りました
> なんでも「バイオリン」の別の呼び方だとか

へぇ、そうなんだぁ。
エリアンダーさん、英語ペラペラで羨ましいですよね。
長いストリー動画は、エリアンダーさんの解説なしでは(。・?_?・。)ムゥ…なんです。

> 最近、不思議な感覚によく出会います
> お腹が一杯だったときには食欲は影を潜め
> お腹が空きますと『なにやら』が欲しくなります

(*′☉.̫☉)?‥‥仕事に対する意欲と同じって?
まぁ、よかよ。よかよか。
思うに、ウナさんは自営した方がいい。
子供たちを集めて『自然塾』なんかどうです?
『ウナの生き残り塾』なぁ~んてネ!
海へ、山へ……ウナさんのアドベンチャー精神、
貴重だと思うんですけどねぇ。

> おいらも少なからず訪問販売の経験がございます。

ほぉ!……ってか、あの頃、訪問販売、盛んでしたもんね。
どんな仕事に就いても、最終的には人間性。
物を売るというより、人間を売ってきたような……(^_^ ;)

NEWS/古今東西

今晩屋
お元気そうで,,,,,,なによりです

最近 fiddler なる文字を知りました
風子さんのお友達の「エリアンダー」さんのブログで・・

なんでも「バイオリン」の別の呼び方だとか
映画『屋根の上のバイオリンひき』の原題は


FIDDLER ON THE ROOF  だとか?


最近、不思議な感覚によく出会います


お腹が一杯だったときには食欲は影を潜め
お腹が空きますと『なにやら』が欲しくなります



今朝は
沢庵が浮かびました・・・・あはは



別に
捨てられたという寂しさのなかにいるわけではありませんが
ふと開けた記事に『それ』がおりました・・・・


おいらも少なからず訪問販売の経験がございます


「良くきたね!」といわれたことも
そのときの気分は


いいものでした
あはは




(更新にも感謝でしゅ・・・・あはは)












Re: バーソさんコメントありがとうございます♪

> そんなに買いたいという人に運よく会えるのかと、ちよっと驚きました。

(´ー`*)ウンウン 教育関係の質の良い本は、意外に求められているものですよ。
また講談社は市販では売れそうもないスペシャル本を多く持ってました。
レオナルド・ダビンチの素描なんて、自分が欲しかったです。
もともと自営業(飲食業)出身ですから、
目線や表情から、相手の心理を読む訓練は身に付いていたようです。

> 私の場合は、区域と家と人を選べず、全戸しらみつぶしの訪問でした。

そうでしょうね。
>冬ノ寒サニモ負ケズ夏ノ猛暑ニモ負ケズ歩き回りました。
さすが、ミヤザワ・バーソです。
もっとも、バーソさんは“神の仕事”というスペシャルのため。
これはスゴイ……尊いことです。
私は単に『稼ぐ』ことが目的でしたが……(^_^ ;)

> でも無関心な人より良かったのは、良くも悪くも会話ができたことです。
> なので、ごくごくたまにしか話を聞いてくれる人がいなかったですが、
> 一日に一人でもいれば、それだけで十分幸せな気持ちになれました。

これは心底、理解できます。
以前に言いましたが、エホバの証人とひざを突き合わせて2時間、
ディスカッションしたことあります。
そのおばさんは尊敬に値する人格者でしたが、
教義に関して納得いくような説明は得られませんでした。
ですが、今でもエホバさんにケンホロはしません。
長くなるので、『自分の内に信仰を持ってますので……』と、
軽くあしらう程度です。(^_^ ;)

> 人生は巡り巡っていますね。塞翁が馬ということはありますね。
> 悪いことがあれば必ず良いこともあったような気がします。

どんなに惨めで辛いときでも、その自分を客観視する、もう一人の自分を
いつも感じていた、変なオバちゃんだったんです。
売らんがためには手段を選ばない……これは邪道であり悪ですね。
内勤の営業でも、コミッションの10%は、全顧客に何らかの形で還元しました。
『気は心』……これが商い……飽きないの基本だと思っていて……。

そんなに買いたいという人に運よく会えるのかと、ちよっと驚きました。
要は、観察と洞察力と努力に、家の人に関心を示すことのようですね。
自分持ちで書架をプレゼントした話から風子さんの温かみがわかります。
やはり口先だけでは営業で売り上げを上げることはできないのでしょう。

私の場合は、区域と家と人を選べず、全戸しらみつぶしの訪問でした。
なので学校でも会社でも交番でも教会でも家があれば全部訪問しました。

> 飛び込みセールスで得たものは、
> なによりも“へこたれない精神”でした。
私もそうですね。冬ノ寒サニモ負ケズ夏ノ猛暑ニモ負ケズ歩き回りました。
自分は神の仕事をしているのだ、という意識がありましたから、
かなり酷い態度を取られてもまったく腹が立ったことがないですね。

一般の家は、留守と居留守が四分の三。他に、玄関扉を開けずに断る人、
中には怒ったり、罵ったり、嘲ったりする人たちもいました。
なんだクリスチャンか、アグネスチャンなら聞いてやるんだがとか、
もっとみすぼらしい格好をして来い、と言われたこともあります。

でも無関心な人より良かったのは、良くも悪くも会話ができたことです。
なので、ごくごくたまにしか話を聞いてくれる人がいなかったですが、
一日に一人でもいれば、それだけで十分幸せな気持ちになれました。

風子さんと違うのは、出版物を販売する必要がなかったことですね。
自分が教団から寄付で求めた雑誌パンフ類を無料で渡すだけでしたから。

外部の人禁止のオートロックマンションは入らないようにしていました。
居住者以外の人が入ったと警察に通報されたら言い訳ができませんから。

人生は巡り巡っていますね。塞翁が馬ということはありますね。
悪いことがあれば必ず良いこともあったような気がします。

風子

1952年、愛媛県生まれ。
子供時代は予知夢をみるような、ちょっと変わった子供。

40歳の頃、神秘体験をきっかけに精神世界を放浪。
それまでの人生観、価値観、死生感などが一新する。
結果、猛烈営業マンから一転、43歳で鍼灸師に転向。
予防医学的な鍼灸施術と、カウンセリングに打ち込む。

2001年 アマチュアカメラマンの夫と、信州の小川村に移住。晴耕雨読の日々を夢見るが、過疎化の村の医療事情を知り、送迎つきの鍼灸院を営むことに。

2004年 NHKテレビ「達人に学ぶ田舎暮らし心得」取材。

2006年 名古屋テレビ「あこがれの田舎暮らし」取材。

2006年 信越テレビ「すばらしき夫婦」取材。
      
2008年 テレビ信州「鹿島ダイヤモンド槍を追え」取材。

2012年 12年の田舎暮らしにピリオドを打ち大阪に戻る。