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『MarkeZine』(雑誌)

第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

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MarkeZine BOOKS(マーケジン・ブックス)は、激動の時代を生き抜くビジネスパーソンに向けた、マーケティング分野の新しい定番書シリーズです。

書評

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海外大手ブランドが選ぶ「Revuze」 AIによるVoC分析で真の顧客理解とコスト削減が両立する理由

 顧客の声(Voice of Customer、以下VoC)に耳を傾けることは、製品やサービスを改善し、ブランドの評判を高める上で不可欠です。近年、ソーシャルメディアから収集したフィードバックを分析するために、ソーシャルリスニングツールを採用する企業が増えています。しかし、VoC分析ソリューションのリーディングカンパニーであるRevuze(レビューズ)の日本担当マネージャー・森 道明氏は、「ソーシャルメディアはインフルエンサーの影響を受けるため、購入者の真の声を正確に捉えることが難しい」と警告しています。そこで同氏に、VoC分析がもたらすメリットと陥りがちな落とし穴、Revuzeの実際の活用例などについて詳しく伺いました。

SKUレベルのインサイトまでわかるRevuze

──2011年にイスラエルで創業、2013年に設立されたRevuzeが日本に本格進出するそうですが、どのようなサービスを提供しているのでしょうか。

 Revuzeは生成AIを搭載したVoC分析ソリューションのプロバイダーです。生成AIを活用し、ECサイトで商品を購入・使用した消費者による口コミなどのオンラインレビューデータを収集・整理し、分析したレポートを提供します。VoC収集・分析における工数削減や、顧客満足度向上、売上の向上などを目的に、多くのお客様から広くご活用いただいています。

Revuze Territory Manager, Japan 森道明氏
Revuze Territory Manager, Japan 森 道明氏

 Revuzeの特徴は、顧客の声を基に商品のカテゴリーレベルから、商品1つひとつの単品(SKU)レベルのインサイトまで、提供することです。たとえば「Tシャツ」と一口に言っても、型番、サイズ、色など、商品展開によって様々なレビューが集まります。同じ型番の商品でも、「MとLで差がなく、Lが小さく感じる」「青は色落ちが激しい」といった異なる評価をされることは珍しくありません。

 SKUレベルで詳細なインサイトを得られるからこそ、コーポレート・アイデンティティのリサーチやブランディングだけではなく、マーケティング戦略の立案や商品開発の改善、営業活動の効率化にまでご活用いただけるのです。

──ECサイトからレビューデータを収集するとのことですが、どのようなECサイトに対応しているのでしょうか。

 主要ECサイトのほか、ブランドやメーカーが独自で運用している直販サイトも含めて現在450のデータソースを保有しています。ご利用時にどの商品カテゴリーや商品群のデータを参照するか設定する必要がありますが、日本国内ではAmazonやヨドバシカメラ、楽天などのECサイト、価格.comのような口コミサイトに対応しています。

──現在、どの地域でどういった企業が利用しているのでしょうか?

 北米・南米をはじめ、EMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ)諸国、APACの数十ヵ国に展開しています。業種で言うと、消費財や家電製品、食品・飲料、エレクトロニクス、アパレル、化粧品など100以上の大手ブランド企業に導入いただいています。いくつか社名を挙げると、ロレアルやP&G、Pilot Corporation of America(パイロットコーポレーションの米国事業所)、アンダーアーマー、ヘンケル、ジョンソン・エンド・ジョンソンなどがあります。

企業のVoC分析がうまくいかない理由とは

──サービスについて詳しく伺う前に、なぜ今VoCなのかについてもお聞きしたいと思います。VoCの収集・分析は企業にどのような効果をもたらすのでしょうか。

 VoCとは文字通り「お客様の声」です。その声とは、商品やサービスに対するレビュー(口コミ)や感想、またはクレームのことです。VoCには、消費者が実際に良いと思ったこと、改善してほしいことなどの情報が詰まっているので、その声を分析してマーケティングや商品開発にフィードバックすることで、消費者のニーズや価値観に沿った商品・サービスが提供できるようになります。

 VoC分析はリアルな“声”から消費者のインサイトを発見できるため、近年特に注目度が高まっているマーケティングアプローチの1つと捉えています。

──重要性を認識していても、実際には活用できていない企業も多いと思います。何が原因なのでしょうか。

 一言で言えば、VoCの収集・分析には様々な領域やアプローチ法があるため、工数がかかったり、分析データが属人的になったり、SKUレベルでの分析が困難だったりというハードルがあるからでしょう。詳しく説明すると、VoC分析は3つの手法に分類できます。

 1つ目の手法が、SNSやブログなどのテキストデータから有益な情報を抽出する「テキストマイニング」です。2つ目の「コールセンター分析」は、コールセンターに寄せられた顧客の声を分析する手法です。そして3つ目が、ECサイトなどに消費者が投稿した口コミや星、感想などのデータを収集分析する「レビュー分析」です。

 このようにVoCと言っても、そのデータソースやアプローチは多岐にわたるため、まず収集作業だけで膨大な工数がかかりますし、分析も属人的になりがちです。また、SNSでのソーシャルリスニングの経験がある方は実感しているかもしれませんが、インフルエンサーの影響でデータにバイアスがかかることも珍しくありません。加えて、地域差や言語の問題で全消費者の声を分析できないという課題もあります。

 またテキストマイニングも、結局は「自分たちが抽出したいと思っているキーワード」の影響を受けて恣意的な分析になりやすいというリスクがあります。リアルな消費者の声を正確に分析するのは難しく、また作業にかかる工数やコストが主なネックになっている点は間違いありません。

次のページ
生のレビューデータを整理して改善点や課題を抽出

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:Revuze

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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2024/11/21 10:00 https://markezine.jp/article/detail/47148
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