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『MarkeZine』(雑誌)

第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

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MarkeZine BOOKS(マーケジン・ブックス)は、激動の時代を生き抜くビジネスパーソンに向けた、マーケティング分野の新しい定番書シリーズです。

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ホットリンクが探る、SNS活用企業の成功の秘訣

Instagramで中長期的なブランディング強化を狙う、運用戦略を見直した「KOSÉ公式アカウント」

 2024年1月、コーセーはInstagram・Xにおいて、同社のプレステージブランドであるINFINITY(インフィニティ)/ONE BY KOSÉ(ワンバイコーセー)/ESPRIQUE(エスプリーク)の公式アカウントである「KOSÉ公式アカウント」の運用戦略を大幅に見直しました。「ブランディング効果を取るか、これまで通りに各投稿のリーチやインプレッションなどの数値獲得を優先するか」「限られたリソースで何を変えるか」などを総合的に判断した結果、理想のアカウントに近づきつつあるといいます。戦略転換の背景や具体的な取り組み、今後の展望について同社コンシューマーブランド事業部の津野氏と片貝氏に聞きました。本記事はSNS支援のホットリンクが「SNSをうまく使ってる」「あの企画良かった」という企業に取材し、成功の秘訣を探る連載の2回目です。

「KOSÉ公式アカウント」とは? 役割と運用体制

──本日は「KOSÉ公式アカウント」の運用戦略について伺いたいと思います。まずは、このアカウントがビジネスにおいてどのような位置づけにあるか教えてください。

津野:「KOSÉ公式アカウント」は、INFINITY(インフィニティ)/ONE BY KOSÉ(ワンバイコーセー)/ESPRIQUE(エスプリーク)の3ブランドの情報を発信しており、商品認知や理解促進、ユーザーの方々とのコミュニケーションに重点を置いて運用しています。

 Instagram(@kose_official)とX(@koseofficial_jp)で運用していますが、どちらも一方通行の発信にならないよう、ユーザーの方たちとのコミュニケーションを意識した投稿を心がけています。これにより、良質なUGCの蓄積にもつながっていくことを期待しています。

株式会社コーセー コンシューマーブランド事業部 事業推進室 宣伝企画課 津野 香織氏
株式会社コーセー コンシューマーブランド事業部 事業推進室 宣伝企画課 津野 香織氏

──運用体制はどうなっているのでしょうか。

片貝:以前はブランド事業部には所属しないSNS専門のチームが存在していました。しかし、企画からプロモーション、宣伝まで同じ目線で発信するために、2023年1月にブランド事業部に統合されました。この新たな体制により、SNS担当者とブランド担当者のコミュニケーションが今まで以上にスムーズになり、より一体感のある、効果的なブランド戦略の展開が可能となっています。

株式会社コーセー コンシューマーブランド事業部 事業推進室 宣伝企画課 片貝 温子氏
株式会社コーセー コンシューマーブランド事業部 事業推進室 宣伝企画課 片貝 温子氏

基盤の整ったアカウントを、さらに成長させるには?

──「KOSÉ公式アカウント」は、2024年1月から運用や投稿の見直しをされたと伺っています。背景をお聞かせください。

津野:従来の運用手法が悪かったわけではありません。投稿一つひとつのリーチやエンゲージメントの数値は高く、既に基盤が整っている良質なアカウントだと思います。ただ、そこからより良くするためにはどうすればよいかと考えたとき、手法の見直しが必要という考えに至りました。

これまで「KOSÉ公式アカウント」はInstagram・Xともに長期的にオーガニックで運用しリーチやエンゲージメントをしっかりと伸ばしてきた
これまで「KOSÉ公式アカウント」はInstagram・Xともに長期的にオーガニックで運用しリーチやエンゲージメントをしっかりと伸ばしてきた

 特に大きく変更したのはInstagramです。以前の「KOSÉ公式アカウント」は3つのブランドの情報を、各ブランドがお客様に情報を知っていただきたいタイミングで投稿していました。これにより3つのブランドの世界観が混在する状況が生じる可能性がありました。

 フィードに流れてくる投稿を見る分には問題ないのですが、たとえばONE BY KOSÉの商品に興味を持ってアカウントを訪れてくださった方が、必要な情報を容易に見つけられないという問題がありました。そこで、お客様の利便性向上と各ブランドの世界観をより明確に伝えることを目指し、投稿方法を変更することにしました。

片貝:中長期的なブランディングの観点から改善の余地があったと思います。お客様にとって使い勝手の悪い状況は短期的な数値には表れにくいですが、長期的にはブランドイメージの低下につながる可能性があります。ブランド価値を重視する観点から、情報の整理と明確化を開始しました。

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ホットリンク(ホットリンク)

株式会社ホットリンクは、データ分析とUGC(ユーザーによるクチコミ)創出に強みをもつSNSマーケティング支援会社です。戦略設計から効果測定まで一貫したサポートを行い、クライアントの売上向上や認知拡大を図ります

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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