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終末的な事態は、水蒸気爆発。今は、かろうじて押しとどめている状態。
政府、東電は、やはり、本当のことを話していない。

前の記事【今こそ、最悪の事態を想定した行動計画を】では、神保哲生氏が主宰する「ビデオニュース・ドット・コム」の電話インタビューで、福島第一原発の最悪のシナリオを語った小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教授)の話を取り上げました。
この電話インタビューは、3月25日の時点でした。

同じく、小出教授は京大の研究室で、フリー・ジャーナリスト、岩上安身氏のインタビューを受けています。これが3月31日のことですから、あのときから1週間後になります。

岩上氏は、近いうちに有料サイトにするとのことなので、この貴重な動画をフリーで閲覧できるのも今だけかもしれません。



原発の本質を理解するためにも、最初から観ることをお勧めします。
ただ、とても長いインタビューになっています。

時間のない方のために、26分以降は文字起こししてあります。

26:00~から
以下、小出助教授の話

原子力発電が環境に影響がないとか、人体の健康に影響がない、などととういことは一切誤り。

ただ、福島第一原発で先日、検出されたプルトニウムは、大変少ないものです。

今現在、膨大な量のさまざまな核種が原子炉から噴き出してきて、外に流れてしまっている。ヨウ素、セシウム、テルルなど。さらに、バリアム、ランタン、セリウムという核種も出てきてしまっています。
これらの量が、あまりにも膨大なので、仮にプルトニウムが出たといっても、(それに比べれば)たいしたものではありません。要するに比較の問題です。

(管理人:すべては大変なことですが、騒がれているプルトニウムは、今のところ、量が少ないので、すでに大量に漏れ出してしまっているヨウ素、セシウムから比べれば、重大性は少ない、という、あくまで程度問題を言っています)

プルトニウムが出た、ということは原子炉のペレットが溶けたという証拠ですから、その意味では、大変重要なことです。

私が、いちばん心配していることは原子炉が溶け落ちることです。
炉心と言っている部分ですけれども、いってみれば燃料ペレットのことですね。

ただ、溶けたのは、まだ、ごく一部だと思っています。

その溶けた部分が大量になると、塊になって落下していく。それをメルトダウンと言っているんですね。

そういうような状況になると、最悪の場合は水蒸気爆発という爆発を起こします。

その水蒸気爆発が起きてしまうと、原子炉圧力容器という圧力釜が破壊されてしまうと思います。

その圧力釜が破壊されてしまうと、その外側の原子炉格納容器は比較的、ペラペラの薄い容器ですので、それも同時に壊れると思います。

すると、放射能を閉じ込めるすべての防壁が、そのときに失われる、ということになります。

そうなると、今でも大変な量の放射能が出ているのに、それに比べて桁違いの膨大な量の放射能が出てくることになる。

私は、それを破局的事態だと言っているわけですけれども、その破局的事態には、なんとしてでも行かせたくないと思っています。

この事態を東電、原子力安全・保安院は、もちろん知っているはずです。政府は、どうか分かりませんが。
東電は炉心が溶けている、ということは発表はしているけれど、そのことが実は大変なことだとは彼らは言わないのです。

(管理人:
23日に、3号機から黒い煙が上がっていることを、私たちはニュースの映像でも確認できましたが、東電関係者。保安院は、「原因不明でわからない」と発表していました。
これが、炉心が一気に溶融した瞬間ではないのか。東電、保安院は、知っていたのでしょう。でも発表しなかった…)

私も、最初は燃料の被覆管が損傷していると思っていたけれど、それを超えて燃料そのもの、ペレットが溶けている、ということです。

「炉心が損傷している」という表現を使うときは、ペレットの被覆が溶けていることを意味する場合もありますが、「溶けている」と、はっきり言うときは、ペレット=燃料自体が溶けているので、大変なことになります。

地震と津波によって、すべての電源が断たれてしまったわけですね。
でも、冷やさなければ原子炉は壊れてしまうので、東京電力は、まず電源車をたくさん持ってきたわけですね。
ところが、発電所内系統部分に接続する部分が水没してしまって使えなかった。

仕方がなく、東京電力は消防ポンプ車を持ってきて、その消防ポンプで原子炉の中に水を入れることをやった。
でも、すぐに使える水がなかったので、海水を入れることになって海水を一度入れたら、その原子炉は二度と使えない。

でも、原子炉を冷やすためには仕方がない、ということでやった。

私は、そのやり方は、いつまでも持たないと思ったので、何よりも大切なことは電源を復帰することだと。電源さえあれば、ポンプが動くだろう、と実は思っていたのです。

電源の復帰を何よりも急いでほしいと思っていたわけですが、あるとき、電源は復帰したのですが、ポンプは動かなかった。
そのために、作業員の人たちが現場に入ってみたら、膨大な放射能汚染をしていて、近づくことさえできない、ということに気がついた。

で、今、その汚染水をなんとか外に出さないことには、ポンプの回復すらできない、と、そういう状態になっている。
でも、なんとか、それをしようと努力してきたわけですが、私は、もう、それは、だめだと思います。

ポンプが壊れていて、じゃあ新しいポンプを持ってこよう、というということになりまずが、どんなことをやってもダメだと思っているのです。

なぜかという、原子炉圧力容器の中に炉心という部分があるのですが、その原子炉圧力容器自体が、すでに破損している。
今、原子炉の中に、ポンプ車を使って、水をどんどん入れているわけですね。
水を大量に入れれば、圧力容器の中の水の水位が上がってくるはずなのですが、実は、まったく上がってこないのです。

いくら水を入れても増えない。

東電は、すでに発表していて、1号機、2号機、3号機とも、そうですが、燃料棒が170cm、あるいは230cm、常に露出している状態になっている、というデータが出ていて、どうして、そんなに常に露出する目状態になるかというと、圧力容器に穴が開いているから、それ以上、水が溜まらない状態になっているのです。

それを東京電力は、「圧力容器の下部に穴が開いたイメージだ」という表現を使っている。
いずれにしても圧力容器には穴が開いてしまっている。

そうすると、いくらポンプが動いても漏れるだけで、結局、正常な状態には戻らない。

今はポンプは動いていません。

私は、動かしてほしいと思っているわけです。

原子炉本体の中に入れる冷却システムは一次系。その一次系が、すでに回らない。
なので、二次系が回ったとしても、何の意味もないということになってしまう。

今の冷却水を注入し続けているが水位が上がらない。

私も、これまで、なんとかしてポンプを動かして、正常な冷却回路に戻すべきだと、私自身が言ってきたわけですけれども、それが、できないということに気がついたのは、昨日か、おとといくらいです。
(このインタビューは、3月30日に行なわれたと見られます)

要するにダメなんだと。
これは、どーにもならないんだと、ということに気がつきました。

水を入れても水位が上がらないのですから、圧力容器に穴が開いているとしか解釈できません。他の解釈はありません。

正常な冷却ができないのですが、今までやってきたように、海水でも何でもいいから、外部から原子炉に水を入れ続けるという、この手段しかない、ということになってしまっています。

ただ、それをやり続けていると、外部から、どんどん水を入れているわけですから、今度は、それをどこかに出さなければならない。

水をどんなに入れても、格納容器が破損していて、どんどん出て行くのです。

原子炉を冷やそうと思って入れた水が、格納容器が破損しているので、放射能まみれになって、外に出てきている。
それが、タービン建屋、あるいはトレンチに溜まっている、というそういう状況です。

でも、今後も、それをやり続けるしかない。

言葉を失います。

今の状態が続くのであれば、これまで約3週間続いてきているわけで、これが、たぶん何ヶ月という単位で、この作業を続けなければなりませんから、その期間の長さで、放射線、放射性物質が外に出て行く、ということだと思います。

原子炉の中に含まれていた全体からいうと、揮発性のヨウ素とかセシウムは、(これまで放出された量は全体の)たぶん数パーセントに過ぎないと思います。

それが、これから事故が長引いていくと、すぐに数十パーセント、最悪の場合は、100パーセントということになるわけですし、私が先ほど最も恐れていると言った水蒸気爆発が起こってしまうと、数十パーセントといった規模で、それも一気に出てくると。

ただし、プルトニウムとか、いわゆる揮発性ではない核種がたくさんありますが、その漏れ方を見ると、今のところ、炉心の溶融が大規模に進んでいない、と私は思いますので、これからも原子炉の中に水を入れて、原子炉を冷やし続けることができるなら、そういう放射性核種(プルトニウムのような揮発性ではない核種)が大量に外に出てくることはないと思っています。

ですから、今までのところ出ているのは、本当のわずかです。

プルトニウムを使っているのは3号機だけで、その他の原子炉はウランですが、ウランが燃焼したときもプルトニウムが出るので、どこからプルトニウムが出たのか特定できない。

どの原子炉から出てきたのかは分からないものの、プルトニウムが出てきたということ、どこかのペレットが溶けたということは確実なことです。

それは、不確定なことはありません。

それが(プルトニウムが、もっと多く検出されること)、もっと進むと、水蒸気爆発という破局的な事態に至ってしまうので、それを何とか防がなければいけないと思っています。

仮に、水蒸気爆発が起きないとしても、ものすごい長期にわたって原子炉を冷やし続けなければならない。
正常な冷却回路は、どうやっても復帰ではない、ということなので、とにかく外から水を入れて原子炉を冷やしつつも、入れた分の大部分が漏れていくので、外に流すほかない。
それを覚悟しながら、水を入れ続けていくしかないのです。

でも、それが、ずーっと続けることができるなら、プルトニウムを含めた揮発性でない核種の大部分を原子炉に中に閉じ込めておくことができる、と思っています。

期間は月の単位でやらなければいけないし、場合によっては、1年、2年といった、そういう期間になると思っています。

崩壊熱と言いましたが、それは、そこのある放射性物質そのものが出している熱です。
いゆわる核分裂生成物を中心とした核種ですけれども、それには何百種類もの放射性核種があって、寿命のものすごい長いものもあるし、寿命のものすごい短いものもあるのです。

私は、さきほど原子炉を止めても、7パーセント分の発熱は止められないと言いましたが、それは原子炉を止めた、その時のことなんです。

その中には寿命の短い放射性核種がありますので、1日経つと、ほぼ10分の1ぐらいに減ります。それから2日、3日経つに連れて、どんどん減っていきますので、1週間も経つと、また、その10分の1ぐらいに減っていく。

でも、それ以降は、ほとんど減らない状態が、ずーっと続くんですけれども、1年も2年も経つと、また、その10分分1くらいということろまで減っていってくれる、ということになります。

ある程度、熱が減っていってくれると、ペレットと言っている燃料の瀬戸物が、ドロドロに溶ける、というようなことは、多分起きなくなるだろうと。そこまで、とにかく冷やし続けなければならない。

ただ、それは原子炉の形状にもよります。
たとえば、固まってしまっていると、冷やすこともできないので、溶けるのを防ぐために、もっと長い時間をかけなければならないかもしれません。

それが、いつまで、というのは、今の時点では私には分かりません。

その間、外界に放射性物質が放出され続けますし、それを防ぐ手立ては、いまのところないと思っています。

原子炉格納容器のひび割れ、穴を防ぐ工事は、たぶんできないと思います。
今は、とにかく放射線量と言っている被曝の量が、ものすごい値になっています。格納容器の近くはですね。

タービン建屋の地下に行っただけでも作業ができない、といった状態ですので、格納容器に近づくということは、今後、少なくとも何ヶ月もできないと思います。

ロボットを使うということですが、ロボットは決められた作業を行なう場合はいいのですが、今回の事故のように、まったく想定していなかった形で進行している場合には、たぶんロボットは、何の役にも立たないと思います。

たとえば、1986年に起こったチェルノブイリ原発事故ですが、そのときは、原子炉が爆発してしまいましたので、プルトニウムを含めた揮発性でない核種もたくさん出てしまいました。
でも、プルトニウムのような重いものは、原子力発電所の近傍に落ちてしまったので、遠くまでは飛ばなかったのですが、遠くまで飛んでしまったものは、やはりヨウ素、セシウムなどが主成分のものです。

そういう汚染が「地球被曝」と言う言葉を生んだように、地球全部を汚染していったわけですが、もちろん、チェルノブイリ原発周辺に濃密な汚染が起きたわけです。

そのため、旧ソ連の政府は、どうしたかというと、まず周辺30kmの住民を避難させました。13万人ほどでしたが、強制的に避難させる、ということをやったわけです。

ところが事故から数ヶ月経ってから、原発から200km、あるいは300km離れたところまで、ものすごい濃密な汚染があることを発見しました。

で、そこの住民を23万人、また強制的に避難させる、ということやりました。
どうして、そうなったかというと、その地域で雨が降ったからです。
合計で40万人くらいの人たちを避難させたわけですが、そうこうしているうちに、ソ連という国がもたなくなってしまって崩壊してしまった。

でも、汚染地帯は、それだけではなかった。

日本にも汚染が来たし、米国にも汚染が行った。
今でも、福島第一原発の汚染はヨーロッパにも行っているし、アメリカにも行っている。でも原発に近いところから汚染の濃度が減っていく、という汚染の仕方をしています。

チェルノブイリでは、原発から700Km離れたところまで、「あるレベル」を超えて汚染が広がっていました。
で、その「あるレベル」というのは、日本の法律に照らすと、「放射線の管理区域」に指定しなければならない、というレベルものでした。

放射線の管理区域というのは、私のような特殊な人間(小出氏)が、どうしても仕事上、入らなければならない場合だけに入る場所、ということです。

その区域に入ったら、水を飲んでもいけません、物を食べてもいけません、タバコを吸ってもいけません、そこで眠むってもいけません、子供を連れ込んでもいけません、というところが放射線の管理区域というところです。

一般の皆さんにとって、放射線の管理区域と同じような場所に接する機会は、レントゲン写真を撮影する場合しかありません。そういう場所に行くと、「関係者以外無断立ち入りを禁止する」と書いてあるし、妊娠する可能性のある女性は、必ず医者に言え、と書いてあります。

そういう場所が放射線の管理区域ですけれども、それがチェルノブイリ原発から700km彼方まで広がっていたということです。
でも、ソ連という国は崩壊してしまって、そういうところに住んでいる住民を避難させる力もありません。

いまだに600万人近い人たちが、毎朝起きて、食事をして、子供を産み、育てているのです。
で、その面積はどくくらいかというと、14万5000平方km。これは、本州の6割の面積です。
本州の6割というところを放射線の管理区域にしなければいけない、というほどの汚染なのです。

ただし、これは同心円というのではなく、風下で700kmまで届いたと言うことです。東の方で700kmくらい、西の方で500kmくらい、帯状に広がっているのですが、その広がり全体が14万5000平方kmということです。
日本の法律に照らして、放射線の管理区域にしなければならないという範囲が。

何兆円、何十兆円、何百兆円払っても、あがないきれないほどの被害になると思います。

この状態が続いていくと、プルトニウムのような揮発性でない放射能の汚染は防ぐことはできるかもしれませんが、ヨウ素、セシウムなどの揮発性でないものは、だらだらと出続けるでしょう。

チェルノブイリの場合は、セシウムが約30パーセントぐらい出ました。
今、福島から出ているのは、たぶん数パーセントだと思いますけれども、これから、だらだら出て行くのが長引いていくと、私はチェルノブイリと同じくらい出るのではと思っています。

そうすると、チェルノブイリと同じくらいの汚染地帯が広がると思います。

世界各国は、これから汚染地域が、どのように広がっていくかというシュミレーションをやっていますが、日本も同じく、SPEEDIという計算コードを持っていて、福島の事故が起きたときから、やっていたはずですけれども、それを公表しなかったのです。
今でも、もちろん、やっていると思います。

本来なら、それを公表して、時々刻々と、どっちの方向に汚染が行く、ということを報告しなければいけないのですが、日本の場合は、パニックを煽るから、という理由で出さない、ということです。

そうです、SPEEDIは、日本原子力研究開発機構がつくったものです。

【参考】SPEEDIは、肝心なときに役に立たない「壮大な無駄」

そういう情報を出すために研究しているわけですから、今、出さないで、いったい何のためなのか、ということです。

ただ、このことは原子力損害賠償法とは、直接の関係はないと思います。
日本の政府が恐れていることは、要するにパニックです。住民の被曝を恐れているのではなく、パニックを恐れている。

私自身はパニックを抑えるための唯一の方策は、情報をきっちりと公表することだと思います。これが私の立場ですが、日本の政府は、そうではない。
これは長い日本の伝統文化でもあったわけで、「よらしむべししらしむべからず」ということで、知らせないまま、政府の言うことをきけ、という、そういう国だったわけです。

ですから、今でも情報は、なるべく出さない、ということをやっている。
「安心だ、安心だ」ということを政府が納得させる、ということできているのです。

日本の原発は、核開発のため

インタビュアー:岩上氏

「放射能は安全だ、多少、取り込んでも大丈夫だ」というプロパガンダが、えんえんと流されていますが、たとえば「放射能が危険だ」という特集を組んだ「アエラ」という週刊誌は、異常に叩かれていて、とうとう編集長が謝罪まですることになってしまいました。「ご迷惑をおかけしました、ご心配をおかけしました」と。

ただ、「アエラ」は、「放射能がやってくる」という特集を組んだだけです。
非常に危険な空気が流れています。

きちんとした根拠に基づいて警鐘を鳴らし続けないと本当に危ないな、と思っています。
特に統一地方選の後、大連立が組まれる可能性が高い。これからは、原発
大政翼賛会、災害体勢翼賛会、災害保守が台頭するかもしれません。

本当に危険な匂いがしています。
原子力と政治とは不可分ですね。
先生(小出氏)は、この状況を、どのようにご覧になりますか?


小出氏
みなさんは、「原子力」という言葉を、ここのところ聞いているわけですが、日本には、もうひとつ「核」という言葉があります。
「原子力」と「核」とは、あたかも違うことのように、日本の人たちは思い込まされていますが、実は同じものです。

日本の国が、どうしても原子力を進めたいと思い続けてきた動機というのは、一番の根本には「核開発をしたい」という思いがあるのです。つまり、「核兵器」のことです。

私は、このことは昔から知っていましたが、つい去年の10月でしたか、あのNHKでさえ、「核を求めた日本」という番組を放送して、原子力の平和利用といいながら、実は核兵器を作りたかったんだ、ということを暴露しました。

こういうことが、あまりにも日本人の耳に入っていないし、鈍感な状態に置かれて、みなさん見過ごしているわけですけれども、実際には、「それ」なんです。

原子力の問題は、事故が起きないようにとか、もちろん、それも大切なことですし、今、私たちは、その恐怖に向き合っているのですが、それを超えて政治的、あるいは社会的、というのでしょうか、そういう問題が実は根底に横たわっている。

それが、今、岩上さんがおっしゃったように、大連立になったとき、ますます「強化」の方向に向かうと思いますし、危険な時代に滑り落ちていくことになると思います。

インタビュアー:岩上氏
最後に。
今後、福島第一原発が、だらだら放射性物質を流し続けるのであれば、我々は、どこまで避難しなければいけないのでしょうか。


小出氏
それは分かりません。
ただ、幸いなことに、日本は周囲を海に囲まれています。特に日本のような温帯地方と言うのは、偏西風に支配されていますので、たいていのものは太平洋に向かって流れていく。空気中の放射性物質は。

また、膨大な汚染水が、すでに発電所の中に存在しているわけですし、トレンチと言っているようなものは、もともと水を漏らさないような構造にはなっていませんので、何か、地下水が汚染されていたと言って大騒ぎしていますが、当たり前のことで、地下にどんどん汚染水が流れ込んでいるし、もう、それは海に行くしかないのです。

日本の国から見れば、「海は広いな大きいな」ですから、いくら汚染水を海に流しても、薄まってしまって安全です、というようなことを言うのですけれど、私は放射能に「安全」ということはない、と思っています。
薄まる、ということは汚染が広がる、というそれだけのことだと思っています。

そして、海というのは、世界中、全部、つながっているわけですから、原子力から何の恩恵も受けていなかった国々に対しても汚染を広げていく、ということになリます。
その程度が、どのくらいか、とか、陸地の方で、どの程度なのかということについては、今は予測ができません。

インタビューは、ここで終わり
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

管理人:

政府、原子力安全・保安院は、東電の情報を出していないようです。
私たちは、大本営発表を待つことなく、避難計画を練っておくべきだと思います。

今の状態は、「長~い期間の、じわじわ被曝」か、「爆裂被曝」か。そして、終わりの見えない「だらだら被曝」。
そのいずれかを待っている状態であることは間違いないようですから。




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