5月26日撮影の最新画像:CRYPTONEから転載
「人の命より、会社の体裁を気にする日本人」
5月26日に行われた「第3回目・福島第一原発敷地内入構取材」。
細野大臣一行と、国内外のマスコミ各社、それにフリージャーナリスト2名が福島第一原発のサイト内に初めて入りました。
この野田政権の“イベント”について、外国メディアはどのように取り上げているか、海外から情報を送っていただきました。
以下は、その一部です。
まずは、外国のメインストリーム・メディアの代表格、ロイターの記事です。
「日本政府-フクシマのSFP(使用済み燃料プール)は、どうにかなんとかできている」
と、短い記事を載せるにとどまっています。
ロイターは、世界のウラン・シンジケートの総元締めであるロスチャイルドと関係の深いメディアなので、ここはサラッと流したいのだと思います。
これに対して、当初から、福島第一原発事故を追いかけている傍流メディア、独立系メディア、フリージャーナリスト、そして目利きのフクシマ・ウォッチャーたちは、一様に疑心暗鬼です。
ジャパン・タイムズ(The Japan Times)の5月27日付けの記事の中には、こんな記述があります。
東電常務・小森明生氏(福島第一安定化センター所長)のコメントについてです。
「東電の幹部のひとり、小森明生氏(細野大臣を4号機視察に当たって案内した人)は、燃料の取り出しを始めるまで、引き続き、東電がプール内の燃料を完全な状態に保つため検査を続けていくが、プラントの検査を行うために、外部から専門家を呼び寄せることについては拒否している」
と書かれてあります。
この部分は、5月26日の入構取材の模様を時系列で書き記したメディアの福島第一原発4号機の入構取材報告の記事の最後の方にある小森常務の記者の質問への回答を、一気に結論付けたものです。
小森常務は、このとき、このように答えています。記者の質問と小森常務の回答。(読みづらいのですが、小森常務が語ったとおり書き起こしてあります)
記者の質問:
この健全性の評価ですけれども、東電が発注した管理会社が行って、それを保安院がチェックする、という形なんですが、透明性を図るという観点から、また、東電の解析を裏付けるという点で、4号機に限らないんですけれども、第三者機関のチェックを受け入れる予定というのはございますでしょうか。
小森:
これは構造解析だけではなくて、いろんな分析だとか、放射能の関係だとか、まず事業者として、あるいは当事者として一次的に評価をしたり、計算をしたり、出 していくというのは当然ですので、そこの部分についての信用なり、みなさんのご懸念ということでありましたら、検討課題だと思いますが、まずは、当事者が 技術的にしっかり評価をして、それをお示しして、必要に応じて規制当局が、それを確認するというのは、まずは第一の軸だと思いますので、それに加えてと言 うことでありましたら、必要性と内容に応じて、ということになるとは思いますが、何か、今、それを具体的に決めたというようなことはございませんけれど も。
そういう状況、要望があるということは、我々もしっかり受け止めてまいりたいと思います。
このように、あいかわらず東電文学ならではのファジーな表現です。
結局、「第三者機関のチェックを受け入れるべき」という、村田元駐スイス大使の日本の政府やアメリカ議会に対しての呼びかけについては「そういう話があることは受け止めておく」と、たった一言。
欧米のメディアでは、これは「拒否した」という意思表示になるのです。
では、日本の記者が書くとすれば、このようになります。
「第三者機関を入れるかどうかについては、踏み込んだ言及を避けた」、あるいは、「断定的な表現を避け、言外に含みを持たせた」という表現になります。
いつものことですが、日本のメディアは、「これでは、いったい、どっちなの?」と判然としないのです。
海外では、「東電は、まだ中立な専門家チームの構造的評価を拒否している、とんでもない会社」と受け取られています。
辛口の論評を行っているI, Cringelyというブログでは、
「人間のことよりも、会社の体裁を非常に気にする日本人の性質からすると、外部からのチームの助けを入れることはしないだろう」と書いています。
「こんなにまでなっているのに、日本人はまだつまらない面子にこだわっているのか」と、この筆者の苛立ちが伝わってきます。
このテクノロジーと、それをコントロールできない人々に対しては辛辣な意見を言うブログの管理人は、スリーマイル島事故の時、『TMI事故に関する大統領委員会』の調査員の一人であったボブ氏です。
この見方が、大方のフクシマ・ウォッチャーの意見を代表していると言ってもいいでしょう。
私が日頃から感じていることは、日本のメディアより海外のメディアのほうが速くて、ポイントをしっかり捉えている、ということです。
特に、写真や動画については、日本のメディアは、どういうわけか、常に自主規制しすぎるのです。
5月26日の時点での4号機建屋の状態は下の画像のようになっています。
これは朝日新聞の海外版に掲載されている写真です。
②が使用済み燃料プールの底の部分で、水素爆発で吹き飛ばされてしまったので、鉄の支柱を何本か入れて、コンクリートで固めてある。
画像は、こちらから拝借
裏側(海側)は、こんな風になっています。
白いシートがかかっているのが使用済み燃料プール。内容物も含めて1670トンの重量があります。
下の壁は吹き飛んでありません。
中も、瓦礫でいっぱいですが、どうも空洞のようです。
これで東電は「構造的には健全性を確保できている」、「震度6強の地震が起きても耐えられる」と言っているのです。
信じますか?
いずれは、使用済み燃料プールのある5階のプール水面より上の部分は、すべて撤去され(↑画像)、プールから燃料集合体を取り出すためのクレーンが付いているカバーが上からかぶせられることになっています。
また、この工事が始まっています。
倒壊の危険性がある、と世界中が固唾を呑んで見守っている4号機の使用済み燃料プールからの燃料集合体の取り出しは、来年中に始める計画になっていますが、1~3号機の原子炉と使用済み燃料プールからの取り出しは、線量が高すぎで近づいて作業ができず、さらに先、おそらく5年後、10年後という先の長い話になります。
つくづく、日本は、厄介なものを抱え込んでしまったことを思い知らされます。
これが54基も。
やはり、これを推進し、さらに原発を動かそうとしている人々は、悪魔に取り憑かれているとしか考えられない。
何が、そこまで彼らを突き動かしているのか説明ができないので、そう書く以外にないのです。
その他の大きな画像は、CRYPTONEにたくさんあります。
また、The Telegraph紙が撮影した動画には、日本のメディアと違った角度のものがあります。
これが2012年5月26日現在の最新の画像です。
情報提供、ありがとうございました。
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と書かれてあります。
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