農薬の数字をいろいろ調べてみた
EOSkissX7買ってCANONのまき餌レンズ50mm買ったら
MACROが欲しくなり、買いました。SIGMA50mmMACRODG CANONマウント。
製造停止になってるから中古で買ったんだがこれがスグレモノで、
虫とか花とかきれいに撮れて大変しあわせです。
単位面積当たりの農薬散布量が世界一と言われる日本。
某D社で農薬原稿を書いたのは2006年だった。
いつ頃の数字だったのかなー? そして今もそうなのかな?
WEBで農薬の数字についていろいろ調べてみた。
んで見つけた興味深い数字。
http://jaccc.jp/pdf/ARfD_gn.pdf
農薬のADI及びARfD値 一覧表(含、我が国における出荷金額)
(株)化学分析コンサルタント-技術資料 より
これは農薬のADI値とARfD値の諸外国との比較を書いた一覧表だが、
日本の農薬の出荷金額が表示されている。
この出荷金額を上から下までちみちみと見てみると、
日本で一番出荷金額の多い農薬はグリホサートだということがわかる。
グリホサートの農薬名は「ラウンドアップ」その他もろもろで、
モンサント社から特許が外れたのでいろんな農薬会社が作っている。
農薬の使用量は検索しても出てこない。
使用量という統計はないのかもしれない。
『農薬のADI及びARfD値 一覧表(含、我が国における出荷金額)』によると、
「2010年5月現在のデータ。各数値はしばしば更新され、また完全ではないので、
公式に使用する際は再確認が必要」という注意書きがある。
数値はあくまでも参考値としてみなさいということであろう。
その表の中で出荷金額の高い順に農薬成分を並べてみた。
ホームセンターで気軽に買えるオルトランとラウンドアップ。
マンションの駐車場などに使われているのではなかろうか。
オルトランの値札に「コガネムシ」って書いてあるけど、
コガネムシの幼虫ってなんか悪さするんだっけか。
グリホサート 219.8億円(除草剤・ラウンドアップなど)
クロルピクリン 90.5億円(土壌消毒剤)
アセフェート 76.1億円(殺虫剤・農薬名はオルトラン)
フィプロニル 69.2億円(殺虫剤・農薬名はプリンス)
プロベナゾール 66.3億円(殺菌剤・農薬名はオリゼメート)
ちなみにミツバチがどうたらというイミダクロプリドは 50.1億円。
ネオニコチノイド系農薬の中では一番出荷金額が高いのだった。
グリホサートがよく売れているのは、
農業だけでなく一般的に使われているからだろう。
駐車場とかその他いろいろ、わたくしのうちの近所でも
除草剤をまかれているのはよく見かける。きっとこれラウンドアップ。
ホームセンターで普通に買えるし入手しやすいのだ。
と言う意味で、オルトラン(アセフェート)も同じである。
オルトランとは有機リン系の殺虫剤である。ピンとこない人には、
先日ピザとかいろんなものに入っていたメタミドホスって言ったほうがいいかも。
メタミドホスはオルトランが加水分解したものらしい。
オルトランはそこにいる虫を絶滅させる農薬で、
むかーしからあってわりと何にでも効く。
オリゼメートはホームセンターで見たことはないが、
適用作物を見ると、イネのイモチやネギの軟腐病に効くらしい。
プリンスはコナガ・アワノメイガ・オオタバコガなどの鱗翅目に効く。
有機リンやネオニコ、合ピレに抵抗性がついたものに使うのかなー。
むかし果樹農家が合ピレで抵抗性がついた何かにまきたいと言ってきて、
プリンスはどうだろう? って言われた記憶があるんだがどうだったかな。
ちなみにプロベナゾール以外は、某D社では禁止農薬である。
さてその農薬が今日本でどれくらい作られているのかな?
出荷量の数字の推移が厚生労働省にあった。
http://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_info/pdf/24seisan_suii.pdf
「農薬の生産・出荷量の推移(平成元~24農薬年度)」(厚生労働省WEBサイト)
これを見ると、農薬の出荷量は年々減っているのだ。
しかし、農薬を使わなくなっているかというとそうではなく、
耕地面積も同じように減っているからそのぶんを割り引かなくてはならない。
1 田・畑種類別耕地面積の推移
資料:農林水産省大臣官房統計部『耕地及び作付面積統計』
http://www.maff.go.jp/j/tokei/sokuhou/kouti_13/(農水省WEBサイト)
農薬工業会の統計データでは、農薬の市場規模は約3300億円で、
年々微増しているようだ。出荷量は減っていても金額は微増である。
http://www.jcpa.or.jp/labo/data/H25.pdf
この出荷実績を見ると、非農耕地(家庭園芸とかゴルフ場とか)、
果樹類・水稲類の除草剤使用が増えており、畑作地が減っている。
果樹類に除草剤が増えてるのは高齢化が理由かなー、
また、草取りするのがイヤなご家庭での使用量が増えたのかなー、
林野でも人手不足で除草剤使うのかなー等々いろいろ想像してみたりするのだが、
単年度で比較してもわからないのでなんとも判断できないのだった。
ところで、冒頭に書いた単位面積当たりの農薬使用量の数字は
農薬工業会のサイトで見つけた。2003年の数字でグラフも掲載されていた。
http://www.jcpa.or.jp/qa/a6_06.html
■単位面積当たりの使用量で比べると
OECD加盟国の2003年の農薬使用量を全耕作面積で割った比較では、
アメリカを基準とすると日本が約8倍、韓国が約7倍、英国が約3倍、
フランスが約2倍で、この統計と比べても“アメリカの7倍”と言う数字は
現在も同様の傾向を示していると言えます。
ただしここで注意すべきは、単純に単位面積当たりの農薬使用量の多寡でもって
環境負荷にまで言及すべきではないことです。
(農薬工業会 教えて!農薬Q&A より引用)
平均耕作面積が10アールという小規模の日本の農業と
100ヘクタール規模の海外の農業を単純に比較してはいけないのだが、
WEBで出てくる各県の慣行栽培農薬数(成分数)を栽培期間で割ると、
だいたい「1週間から10日おきにまいている」計算になる。
国際会議などでこの話をすると相当驚かれると天敵の研究者が言っていた。
単位面積当たりの使用量はやはりいまだに世界一なのかもしれないね。
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