大雪の影響で新潟県内の関越自動車道では多数の車による立往生が発生し、今も解消されていません。新潟県から災害派遣の要請を受けた陸上自衛隊が関越自動車道のサービスエリアに到着し、立往生の解消やドライバーの安全確保に向けた作業の進め方をめぐり関係機関と協議に入りました。
東日本高速道路によりますと、関越自動車道では▽上りが塩沢石打インターチェンジ付近を先頭に15キロ、▽下りは湯沢インターチェンジ付近を先頭に15キロ、多数の車が立往生しています。
警察によりますときょう昼ごろには関越自動車道の▽上りで750台程度、▽下りで350台程度が立往生しているとみられていましたが、その後、重機を使って雪に埋まった車を引っ張り出す作業を進め、徐々に車を高速道路の外に誘導しているということです。
いまのところ、立往生が解消する見通しは立たず新潟県から災害派遣の要請を受けた陸上自衛隊新発田駐屯地の隊員のうち、まず、29人が関越自動車道の越後川口サービスエリアに17日午後5時半ごろに到着し立往生の解消やドライバーの安全確保に向けた作業の進め方をめぐり関係機関と協議に入りました。
このほか、国土交通省・北陸地方整備局も緊急災害対策派遣隊の隊員6人と除雪用の機械6台を現地に向かわせています。
また、南魚沼市は立往生が長引き、ドライバーの疲れがたまっていることから、県の要請を受けて、六日町にある「南魚沼市民会館」に避難所を設置することを決め、受け入れの準備を進めています。
同じく県の要請を受けた湯沢町は立往生に巻き込まれた人が避難するための宿泊先の手配を進め、町内の8つのホテルや旅館、およそ120の部屋を確保したということです。
一方、南魚沼市消防本部によりますと六日町インターチェンジ付近で立往生していた車から30代の女性1人が息苦しさなどを訴えて病院に運ばれました。
消防によりますと、長時間の立往生により、体調を崩したという通報が相次いで寄せられ、東日本高速道路は食料や簡易トイレなどの物資をドライバーに届けています。
さらに、東日本高速道路の関係者が立往生している車を回ってガソリンが入った携行缶で給油しているということです。
東日本高速道路などは大雪となっている南魚沼市や魚沼市、それに湯沢町などでは、車での不要不急の外出を控えるよう呼びかけています。
新潟県 今夜は原則車内で待機を
新潟県によりますと、県から災害派遣の要請を受けた陸上自衛隊が現場に到着するのは17日午後5時以降になる見通しです。
ただ、ドライバーが夜間に高速道路上を歩いて移動するのは安全を確保できないおそれがあるとして、新潟県は今夜は原則としてドライバーに車内で待機してもらう方針で、陸上自衛隊を通じて必要な物資を届けることにしています。
一方、個別の状況に応じてドライバーを受け入れられるようにするため県は南魚沼市と湯沢町に準備を要請しました。
これを受けて、南魚沼市は六日町にある「南魚沼市民会館」に避難所を設置することを決めました。
また、湯沢町はおよそ70人分のスペースを確保したいとして調整を進めています。
立往生の車「身の危険を感じる」
新潟県南魚沼市の関越自動車道・上り線、塩沢石打インターチェンジの4キロほど手前の北側で17日昼前に撮影された映像では雪が降り続いています。
道路だけでなくトラックや乗用車の上に分厚く雪が積もっている様子が確認できます。
撮影した男性によりますと、新潟県から群馬県に向かっていたところ、16日午後6時ごろに車が連なり停車したということでそれ以降、丸1日近く車が動かない状態が続いています。
食料や水が全くないため、雪を溶かして飲んでいるということです。
17日午後2時の時点では、この場所には支援物資は届いておらず、東日本高速道路の担当者や除雪車両なども来ていないということです。
男性は「車が止まってから誰も来ていないので、支援物資がいつ届くのかや、復旧の見通しが知りたいです。今はとにかく食べるものがほしいです」と訴えています。
さらに「夜に備えて毛布などもほしいですが、このまま2泊目を迎えるのは怖いですし、身の危険を感じています」と話していました。
立往生の車「このまま夜を迎えるのは不安」
新潟県湯沢町の関越自動車道下り線で立往生している車から撮影された画像と動画では1メートル以上の雪が周りに積もっています。
撮影した男性によりますと東京から新潟に向かって走っていたところ、17日午前0時ごろに土樽パーキングエリアの近くで車が連なり停車したということです。
最初は渋滞だと思ったということですが、その後も半日以上にわたって動かない状態が続いています。
17日昼前には、東日本高速道路の職員が来て、身動きのとれない車を動かす作業をしているという説明を受けましたが、食料などの配布はありませんでした。
車内には食料や水が全くないため、男性はペットボトルに雪を入れ、溶かして飲んでいるということです。
車の燃料も残り半分を切っていることから、エンジンを断続的に止めながら車内を暖めているということです。
男性は、「雪が降り続き、車の周辺にどんどん積もっている状態で、このまま夜を迎えるのはとても不安です。限界に近いので、物資の支援をお願いしたいし、復旧の見通しを示してほしい」と話していました。
立往生の男性 「9時間ほど、車はほとんど動いていない」
立往生している車に乗っている46歳の男性は、仕事で新潟県に来て、職場の上司と一緒に神奈川県の会社に戻ろうと16日の午後に関越自動車道に乗り、17日午前2時すぎには塩沢石打インターチェンジに近い場所にいるということです。
男性は、「午後5時ごろから9時間ほど、車はほとんど動いていません。外は雪が降り続いていて、中央分離帯には2メートルほど積もり、30分に1度は車に積もった雪をおろしています」と話しています。
そのうえで、「ここまで雪が降るとは思わず、お菓子のようなものを食べただけで食料はなく、1リットルほどあった水も2人で飲み干してしまっています。燃料はありますが、まわりの車の中には節約するためかエンジンを切っている車もあります。困っているのはトイレに行けないことで、仮眠するにも毛布もなく、これからどうなるか情報もほとんどなく不安です」と話していました。
男性投稿の写真 中央分離帯には車の高さほどの雪が
男性がツイッターに投稿した写真では、雪が降り続いている様子で多くの車のブレーキランプがついていて、車が動けないでいる状態がわかります。
中央分離帯には車の高さほどの雪がつもり、前の車は後部の窓ガラスが雪で覆われているのも確認できます。
関越道 立往生の車にガソリンなど配布
東日本高速道路では現在、関越自動車道では塩沢石打サービスエリアの上下線で、下り線では谷川岳パーキングエリアなどで施設内に取り残されている人たち向けに乾パンや水、ガソリンなどを配っているほか、道路上での炊き出しの準備も進めています。
また、立往生している車には東日本高速道路の関係者がガソリンが入った携行缶を使って補給を進めているということです。