広島県知事選に際し、瀬戸内地方の環境団体は連名で各候補者に以下のようなアンケートを実施しました。
様
. 2009年10月20日
大変お忙しい中、このような質問をする事は大変心苦しいのですが、今後の広島県の方向性を知る事は大変重要と考えます。宜しくお願い申し上げます。
質問は別紙1.2.3です。
10月1日には、鞆の浦の埋め立て架橋計画に関した裁判で、埋め立ての差し止めを命じる判決が、さらに15日には沖縄県泡瀬干潟の埋め立て工事について、公金支出の差し止めを命じる判決が出ました。又、鳩山首相は世界に向かって温室効果ガスの25%節減を約束しました。
現在、環境に配慮した政策への転換が官民上げて進んでいます。
「環境」という視点において、皆様は広島県政をどのような方向に進めようとしておられるのかお聞かせください。
ご回答は、返信用封筒で下記の連絡先へ10月28日までにご返送くださいますよう、お願い申しあげます。
なお、ご回答はマスコミ各社に公表します。
上関原発を考える広島20代の会
環瀬戸内海会議 代表 阿部悦子
環・太田川 代表 幸田光温
原発はごめんだヒロシマ市民の会 会長 木原省冶
鞆まちづくり工房 代表 松居秀子
広島フィールドミュージアム 代表 金井塚務
森と水と土を考える会 会長 原戸祥次郎
連絡先
〒739-1734 広島市安佐北区口田3-21-9
環・太田川 事務局 篠原一郎
TEL/FAX 082-842-6414
Ⅰ.福山市鞆の浦の埋め立て架橋問題について。
10月1日広島県に埋め立ての差し止めを命じる判決が出ましたが、広島県は控訴しました。
A 判決を重く受け止め、計画を変更する。景観を国民の宝として守っていく
B 判決には不服である。現在の計画は妥当と考えている。裁判で争う。
C その他
Ⅱ-1 『山の道』事業を広島として引き継ぐかどうかについて。
中国地方には山陰側と山陽側に合わせて二本も、緑資源機構幹線林道(旧・大規模林道)の建設計画があります。一昨年緑資源機構は談合事件発覚に伴い解体されました。現在「山の道」と名前を変えて林野庁は道,県に建設を促しています。しかし広島県はこの事業を引き継ぐのか否か、態度を表明していません。
A 『山の道』事業は県として引き継ぐべきではない。
B 『山の道』事業を引き継いで工事を行いたい。
C その他
Ⅱ-2 細見谷区域の建設計画について
広島県の『山の道』建設計画の中でも戸河内・吉和区間の費用対効果は1.02と大変低く、さらに細見谷は貴重な渓畔林が広がっており生態系保護の為に、日本生態学会も工事の中止を求めているところです。また廿日市市に対して、この工事の公金支出の返還を求める裁判も起こされています。
A 細見谷の生態系を守るため工事は行うべきではない。
B 環境へ注意をはらいながら工事を進める。
C その他
Ⅲ 瀬戸内法改正について。
瀬戸内海の環境を保全するため、埋め立ての禁止、廃棄物を瀬戸内海へ持ち込むことの禁止、海砂の採取禁止、を盛り込んだ瀬戸内法の改正を求める声が市民の間で高まっています。
A 瀬戸内法を改正して、瀬戸内海の環境を保全すべきと考える。
B 今の法律の運用により環境は保全できると考える。
C その他
Ⅳ 原子力発電所の建設について
現在、山口県上関町で建設計画が進んでおりますが、計画地対岸の祝島の島民を中心に全町で反対運動が27年間も続いています。
1 原発地予定地となっている海域は固有種を含む瀬戸内随一の生物多様性を維持しています。それを破壊してまで設置する必要性はあると思いますか。
(日本国は生物多様性条約を批准しています。また、来年はCOP10が名古屋で開催され、我が国は議長国となっています。その関連も考慮してお答えください)
A 生物多様性国際条約遵守のためには計画の見直しが必要。
B 計画の見直しは必要ない。
Cその他
2 原発が稼働し始めると、塩素系薬品の含まれた温排水が大量に排出され、周辺海域に多大な影響を与え続けます。特に水産業には大きなダメージを与えることも考えられます。
A 瀬戸内海の環境に与える影響は大きいと考える。
B アセスメントを見る限りでは、大きな影響は無いと考える。
C その他
3 原発は発電時の二酸化炭素排出量は少ないですが、ウランの採掘 から最終処理までに排出される二酸化炭素のトータル量は大きいとも言われます。
A 原発が本当に二酸化炭素節減に役立つのか、研究する必要がある。
B 二酸化炭素節減の為には原発は必要。
Cその他
4 原発の最大の問題は、廃炉を含む放射性廃棄物です。人の寿命から考えると「永久に」と言えるほどの長い期間、保管し続ける必要があります。この処理にかかるコストと安全性をどのように評価なさいますか。
A 次の世代に核廃棄物という大きな負の遺産を残すべきではないと考える。
B トータルでも原発の発電コストの方が安い。人間の英知で危険は回避できると思う。
Cその他
5 トータルとして見たときに、瀬戸内海に原発を設置することの必然性はあるとお考えでしょうか。
A上関原発の建設計画は見直す必要がある。
B 上関原発の建設は必要と考える。
Cその他
鞆の浦埋め立て架橋問題
川元康裕候補 Cその他
架橋を作る事には住民の利便性を考えれば賛成しますが、25年も経過しているということもあり、民意を問う住民投票を実施してみたい。『景観の保護』『住民の利便性』を再度考え直すべきである。
柴崎美智子候補 C その他
案件個別に検討しなければならない問題ばかりですから、C以外にはお答えしかねます。
(以下の質問に同文)
村上昭二候補 A 計画を変更する
県は控訴を取りやめて地域住民とよく話し合い、生活環境の改善と景観・歴史を生かした街づくりで、世界遺産を目指します。
湯崎英彦候補 C その他
司法の判断が出ているわけですから、それについては非常に重く受け止めております。ただ、鞆の浦の埋め立て・架橋問題については30年の経緯がありますし、長年政権闘争の道具にされてきたということも事実です。賛成・反対と言い切るのは簡単ですが,橋を架けるか,架けないか、という単純な二者択一の問題ではないと認識しています。
歴史的な経緯も踏まえ、住民の皆さんの声をきちんと聞いて、鞆の町に住む人々の将来に禍根を残さない、慎重な対応をはかりたいと考えます。
「山の道」事業の広島県の引継ぎ
川元候補 A 引き継ぐべきではない
全否定するべきではないと考えるが,今のところ白紙に戻して未来へのピジョンを持って計画されるべきである。
柴崎候補 C その他
村上候補 A 引き継ぐべきではない
大規模林道は、県内でも各地でムダな自然破壊の工事となっています.
私は引き継ぎません。
湯崎候補
『戸河内・吉和区間』をはじめとして中国地方には優れた風致景観があり、またこの地域には希少種も多く生息し、生物生態系の生態系の中核地であると理解しています。この聖域をどう保全し、整備していくのかについては、個人的に非常に関心を高く持ち見守ってまいりました。
こうした背景の中で現在幹線林道整備の是非や、自然公園法の第2種特別地域の指定について様々に協議されている事と思います。この件につきまして現在どのような整備計画がされているのか、またその費用負担について国とどのような協議がなされているのか、現時点で詳細に確認が取れておりません。
現時点ではCのような回答になりますが、広島の宝を積極的に保全するためにどのような対策が考えられるのか鋭意検討したいと考えます。
細見谷区域の建設計画について
川元候補 A 工事は行なうべきではない
柴崎候補 C
村上候補 A 工事を行なうべきではない
細見谷は、現在の未舗装の林道のまま残し、アスファルトのムダな大規模林道を建設すべきではありません。西日本随一の渓畔林を守ります。
湯崎候補 C その他
瀬戸内法改正について
川元候補 A 瀬戸内海を保全するため改正する
なお、住民の利便のためのインフラに関しては、地域ごとに考えるということを残しても良いのではと考える。
柴崎候補 C
村上候補 A 瀬戸内海を保全するため改正する
現行法のもとでも、瀬戸内海は相次ぐ埋め立てや海砂の採取などで環境が極度に悪化してきました。これ以上の悪化を防ぎ、改善できるよう法律を改正すべきです。
湯崎候補 その他C
私のマニュフェストにも記載している通り、私は瀬戸内海を見ながら育ちました。この海を始めとする美しい広島県を次の世代に残したいというのが今回の私の立候補の大きな動機となっております。その真情に沿い、今回の瀬戸内法改正プロジェクトの内容を鑑みるに、大いに同意するところがあり、是非瀬戸内を保全する為に必要な研究やデーター採集を実施し、保全に役立てることについて共感をしております。また現在の法律の運用により環境は保全できているとは考えておりません。
しかしながら、現時点で瀬戸内の埋め立て、産業廃棄物の投棄等の詳細状況をすべて掌握しているわけではなく、極めて賛同の意はあるものの、状況の未整理のため、現時点ではCという回答を選択させていただきます。
原子力発電所の建設について
生物多様性について
川元候補 A 計画の見直しが必要
柴崎候補 C その他
村上候補 A 計画の見直しが必要
スナメリクジラ、カンムリウミスズメなどの絶滅の恐れのある生物を守る対策が不可欠です。
湯崎候補 C その他
原子力発電については、通産省勤務時代に様々と関わる機会を得,その功罪についても審らかに承知しています。このために安易に回答をする事がはばかられます。
また原子力発電所そのものが山口県の管轄であるため、広島県知事選候補者である現在の立場としては、御応えする事が不適当であると考えます。
上記理由により、恐れ入りますが回答を控えさせていただきたく、ご了解戴きますようお願い申し上げます。
温排水の影響について
川元候補 C もうすこし学術的見地からみなおすべきである。
柴崎候補 C その他
村上候補A 影響は大きい
湯崎候補 C その他
放射性廃棄物について
川元候補 A 核廃棄物は残すべきではない
柴崎候補 C その他
村上候補 A 核廃棄物は残すべきではない
湯崎候補 C その他
瀬戸内海の原発立地について
川元候補 A 建設計画は見直す
人間の生活と自然をどう調和させるか、永遠の問題であります。ひとつひとつの問題に真剣にむきあっていきたいと思います。
柴崎候補 C その他
村上候補 A 建設計画は見直す
事故や廃棄物による放射能汚染という環境破壊の危険も大きく、安全上も技術的にも未確立な原発は、多数の人々が住む瀬戸内に作るべきではありません。
湯崎候補 C その他
なお、河井あんり候補からは回答をいただけなかったそうです。