生活できる年金に底上げを/不足は41歳以下3600万円/減額ありきのマクロスライド廃止を/ 小池晃議員
2019年 06月 11日
生活できる年金に底上げを
不足は41歳以下3600万円
減額ありきのマクロスライド廃止を
参院決算委 小池書記局長が迫る
日本共産党の小池晃書記局長は、10日の参院決算委員会で、金融庁が報告書で公的年金では毎月5万5000円赤字になるとして、退職までに2000万円の資産形成を促したことについて、「あまりに身勝手で無責任だ」と厳しく批判。「政府がやるべきことは『貯金せよ』ではなく、貧しい年金制度の立て直しだ」と迫りました。(論戦ハイライト)
金融庁は、高齢夫婦の平均収入と支出の差は毎月5万5000円で、公的年金だけでは30年間で2000万円不足すると試算しています。小池氏は、政府がこれまで「厚生年金で必要な生活費はまかなえる」「100年安心の年金」などと宣伝してきたけれど、今回の金融庁の報告書でそれがウソだったことを「ある意味、正直に認めた」とただしました。安倍晋三首相は「国民に誤解や不安を広げる不適切な表現だった」と弁明しましたが、金融庁の試算自体は否定できませんでした。
小池氏は「このままでは、今後の年金はますます貧しいものになっていく」と指摘。前回の年金財政検証に基づいて計算すると、2043年以降に退職する現在41歳以下の現役世代では、年金の支給水準を自動的に減らす「マクロ経済スライド」によって年金不足額が夫婦2人で2000万円どころか3600万円にまで拡大することを明らかにして「これが実態だ」と迫りました。
ところが、安倍首相は「給付と負担のバランスをとらえて、年金の持続可能性を確保した」「『100年安心』の仕組みにした」などと開き直りました。
小池氏は「『100年安心』といっていたのに、人生100年になったら『年金はあてにするな』『自己責任で貯金せよ』というのは国家的詐欺に等しいやり方だ」と批判。答弁に窮した安倍首相は「では、どうしたらいいというのか」などと激こうして繰り返すだけでした。
小池氏は、全ての低年金者にまずは月5000円、年間6万円の年金の底上げをし、マクロ経済スライドは廃止するべきだとする日本共産党の提案を説明。大企業や富裕層へのゆき過ぎた減税をやめれば、消費税増税に頼らなくても実現できるとして、「まともな生活も保障できない年金を放置し続けるなら、それこそ将来不安をあおり、内需を冷え込ませ、日本経済を大破たんさせる。今回の金融庁の報告書を機に、これからの日本の年金制度をどうするのか真剣に考えるべきだ」と強調しました。