10年間の5%成長は可能か

米大統領選の共和党候補に名乗りを上げたポーレンティー前ミネソタ州知事が、その経済計画で5%の実質経済成長を10年間継続するという目標を打ち出した。それに対し、クルーグマンが非現実的と痛罵しているほか、Bruce Bartlett*1、(ロバート・バローの息子の)ジョシュ・バロー*2なども批判の戦列に加わっている。


一方、ポーレンティーの擁護に乗り出したのがジョン・テイラーで、下記のような試算を示し、5%成長は達成可能と書いている。

  • 現在、実際に働いている16歳以上の労働人口比率は58.4%。2000年にはこの比率は64.7%だったので、雇用には10.8%(=(64.7-58.4)/58.4)の伸び代があることになる。これを10年で達成するとすれば、労働で年間1%の上昇が達成できる。これに人口増加率の1%を加えれば、2%となる。
  • 1996年以降に復活した生産性上昇率は、平均2.7%。
  • 2%+2.7%=4.7%≒5%

テイラーはさらに、ポーレンティーの成長政策によって増税なき財政均衡、限界税率の低下によって雇用の促進、規制撤廃によって生産性の上昇、健全な金融政策によってインフレや金融危機に関する不確実性の除去、といったことが達成される、という(いかにも共和党ちっくな)薔薇色の未来像を描いている。

*1:2番目のリンクはマンキューブログ経由。

*2:Economist's View経由。