住生活グループはプロ野球をやりませんでした

 住生活グループが27日までに、TBSホールディングスとの間で行っていたプロ野球の横浜ベイスターズの買収交渉を打ち切ったことがわかった。買収価格などの条件面で折り合いが付かなかったと見られる。

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/101027/biz1010271035008-n1.htm

 住生活グループはプロ野球をやる覚悟があるのか? などと疑問を呈していた俺としては「そらみたことか!」とドヤ顔(寿町系)のひとつでもしたくはなるが、果たして今この瞬間、横浜スタジアムの近所にいるちょっとした野球好きとして、「あれ、マジ?」みたいな気持ちの方が強い。なんだかんだいって、「住生活による買収成立」、「横浜本拠地に変更なし」になるんだろうな、などとぼんやり思っていたことは否定できない。いや、マジ? いや、そりゃなんか、住生活グループの、その会長の態度とか姿勢から、プロ野球興行やってくって覚悟みたいなもんが見えないって思ってたのは前に書いた通りだけど、それも辛口エールみたいなもんで(今さら言うか)、本当に撤退されるとは。
 原因はなんだろうね。たとえば、松沢なんとかいうなんとか県の知事がクソ余計なことを言ったのはたしかだろうし、ハマスタのトイレがTOTO製というのもまずかった。でもね、その程度でどうこうって話じゃねえだろう。やっぱり、全部のメリットとデメリット秤にかけて、「プロ野球団買ってもうまみないわ」ってなったと。銭金の話が、企業の話が先行していたのだから、その点でアウトだったと。ステークホルダーが納得しないみたいだと。おまけに、買収話だけでおおよそ「住生活グループ」と「リクシル」の売名はできたと。そんなところじゃねえか。
 ……いや、しかし俺、企業のマーケティングとかそういうのと無縁に生きてきたからわかんないけど、「住生活グループ」とかの名前が売れて、どのくらいシャッターやトイレが売れるのだろうか(と、同時に、たとえばこれで若干の悪印象を与えたとして、マイナスがあるのか、とか)。いや、それよりも、株だとか人材だとか、なんかトータルな、そのへん? そういや、西武のインボイスだったか、新興企業にとっては威力が違うみたいな話はあったと思う。
 まー、プロ野球の価値落ちてるのかな、とか。

 つーか、「今回の騒動で住生活グループの名が売れた」とか思ってるの、野球ファンだけか? 俺だけか? ひょっとしたら、もう野球なんてものは忘れてしまって、みんなもっとべつのなにかに夢中になっているの? 東瀬耕太郎が何球団渡り歩いたか覚えていないの? パチョレックやポンセ、そしてズーバーにドスター、横浜にプロ野球があったって知ってるか?
 そうだ、もうジャンルを超えた知名度も、全国民が知るヒーローも現れない。みなそれぞれがそれぞれの小規模なマーケットの小規模なローカルヒーローに喝采を送るだけだ。しかし、そうだとして、いったい誰が野球の、競馬の、プロレスの新しいファンになるのだろうか。俺にはよくわからない。