日本シリーズ第一戦、第二戦:雑感

 いいなあ、と思いながら見ている。見ていて楽しくなる。いや、それなりに野球が好きなのだから、野球を見ていて楽しいのは当然だけれど、この両チームのするような野球が好きなのだ。守備のかっちりした、きめの細かい野球。「いてまえ打線」だの「史上最強打線」だの「ビッグレッドマシーン」(!)だの、そういうのはあまり好きじゃない。そりゃウッズやセギノールは大砲かもしれないが、打順あっての大砲。役割分担した上での一つのピース。なんかもう、まぶしくて見ていられない、という感じ。いつかカープも、こういう野球にたどり着けるのだろうか。もう、「戻る」とは言えないだろう。俺が子供のころに感じた、あの記憶の向こうの赤ヘル野球には。「色々とあったけど、すべては今のため」と、昔の新聞一面を集めてかかげる日ハムファン、それはうらやましい(……カープの一面を集めるとすると、東スポの「河野逆レイプ」が入るだろうか)。
 どちらを応援するかといえば、中日だろうか。俺は落合博満信者だし、落合が昔の広島野球を理想の一つにしているというところもあるだろう。第一戦を中日が取ったので、このままぽんぽんいくかと思ったら、そうはいかんのだから、このあとも楽しみだ。
 どうでもよさそうなあたり二つ。シリーズ前の東スポに中日の不安事として「荒木のイップス」が出ていた。シーズン終盤から送球の精度が落ちているという。たしかにそういうシーンも見られた。打撃も不調なようで、どうなることか。一方で井端は、二戦目など狙い打たれているかのようだったが、こちらは好調か。
 もう一つは日ハム二戦目の先発、ルーキー八木のバッティング。結局は凡退に終わったが、スイングや振る舞いなど、中日の中里篤史を思い出した。もちろん、マウンドさばきも、間合いの取り方とか上手いわ。いやはや。