東京レイヴンズとは、あざの耕平によるライトノベル作品。イラストはすみ兵。
概要
富士見ファンタジア文庫より2010年より刊行中。2018年10月時点での既刊は、長編16巻+短編(EX)4巻。長編は、1-9巻が第一部、10巻~が第二部となっている。
アニメ化され、2013年10月~2014年3月まで放送された。
Dクラッカーズ、BLACK BLOOD BROTHERSに続く、あざの耕平の富士見長編3作目。
ジャンルは「陰×陽ファンタジー」。
公式あらすじ
『ぼく、シキガミになる。ずっと一緒にいて、ずっと護ってあげる』
それは遠い昔の約束。彼がまだ”将来”の意味を知る前の──。
霊的災害<霊災>が多発し、陰陽師たちが活躍する現代。
土御門春虎はトコトン運の悪い少年だった。
陰陽師の名門に生まれながら才能はからっきし。
この16年の人生で、死にかけた回数12回。
そしてある夏の日、極めつきの受難が、彼の前に訪れる。
「久しぶりです──春虎君」
土御門家次代当主である幼なじみの少女、夏目。
彼女との再会が、春虎をかつて見た”将来”へ──波乱に充ちた”未来”へと導き始める!
闇に舞う鴉たち(レイヴンズ)の、時を超える陰×陽ファンタジー!!
登場人物(ネタバレなし)
主要人物
土御門家
- 土御門春虎(つちみかど はるとら)[CV:石川界人]
- 陰陽道の宗家である土御門家の、分家筋の男子高校生。陰陽師としての才能はさほどなく田舎の高校に普通の生徒として通っている。夏目とは、幼なじみであり、親戚でもある。運が凄まじく悪いが、人懐っこく人付き合いが得意なためか、環境適応能力が高い。
- 土御門夏目(つちみかど なつめ)[CV:花澤香菜]
- 陰陽道の宗家である土御門家の本家筋で、次期当主の女の子。陰陽師としての才能に優れており、周囲からは優秀な陰陽師であった先祖の「土御門夜光」の生まれ変わりと見られている(本人は半信半疑)。体つきはスレンダー、性格は生真面目。
- 土御門泰純(つちみかど やすずみ)[CV:速水奨]
- 陰陽道の宗家である土御門家現当主。夏目の父親で、眼鏡をかけ学者然とした風貌の男性で寡黙な性格。次期当主として1人娘の夏目を幼少期から厳しく育て上げた。夏目とは親子という関係が希薄な家庭環境にある。分家である春虎の家庭とは懇意で、昔はよく春虎が泊まりがけで遊びに来ていた。陰陽塾塾長と同じく不思議な力を持つ。
- 土御門優子(つちみかど ゆうこ)
- 陰陽道の宗家である土御門家当主、泰純の妻で旧姓若杉。病弱で産後すぐに死亡している。
土御門家の分家「若杉」より嫁いだ経緯がある。
- 土御門鷹寛(つちみかど たかひろ)[CV:志村知幸]
- 陰陽道の宗家である土御門家の分家筋で春虎の父親。作務衣に頭にタオルを巻いた体格のいい風貌で優れた陰陽医である。元呪捜官で対人呪術に関して優れている。
- 土御門千鶴(つちみかど ちづる)[CV:渡辺明乃]
- 陰陽道の宗家である土御門家の分家筋で春虎の母親。元祓魔官で雷の呪術を操る大変優れた陰陽師。それ故に当時の祓魔局員に知られていた異名は「人間発電機」。ヘアバンドで前髪を固定し、祓魔官が着る防瘴戎衣を着用し左胸に稲妻のアップリケが縫い付けられている。鷹寛との夫婦仲は大変良い。
- 阿刀冬児(あと とうじ)[CV:木村良平]
- 春虎の悪友。バンダナを付けている事が多い。現在は春虎と同じ高校に通っているが、以前は東京に住んでいた。基本的に冷静沈着だが、トラブルを好む性格でもある。
- 大連寺鈴鹿(だいれんじ すずか)[CV:佐倉綾音]
- 最年少の「十二神将」。呪術的才能はピカイチで「神童」と呼ばれている。陰陽師界のアイドル的存在。
- 北斗(ほくと)[CV:金元寿子]
- 春虎の親友。可愛い顔立ちに反し男っぽい性格なためオトコ女と呼ばれている。春虎に陰陽師になることを強く勧めてくる。その理由は…?
- 倉橋京子(くらはし きょうこ)[CV:喜多村英梨]
- 陰陽塾の生徒であり、土御門家と縁のある倉橋家の令嬢。よって、春虎、夏目とは遠縁だが親戚関係。妙な時期に入塾した春虎たちを不審に思っている。
- 百枝天馬(ももえ てんま)[CV:下野紘]
- 陰陽塾の生徒。メガネ。陰陽塾における春虎たちの最初の友人。基本的に真面目な性格ではあるが、春虎と付き合えるだけあってノリは良い。
- コン[CV:豊崎愛生]
- 春虎が父から譲り受けた護法式の式神。狐の耳と尻尾がついてる少女。春虎に忠実だが他者には慇懃無礼で、春虎に夏目などの女性が近づくことを嫌ってる。(利害が一致すれば協力する。)スピンオフの「東京フォックス」では主人公。
- 秋乃(あきの)
- 星宿寺に預けられている「預かり衆」の1人の少女。サイズの合っていない大きな眼鏡をかけており怖がりでドジな性格。世俗から隔絶された寺から都会の世界に憧れはするがして見たいとは踏ん切りがついていない。とある新入りの少女との出会いによって変化が訪れる。
陰陽塾関係者
- 大友陣(おおとも じん)[CV:遊佐浩二]
- 陰陽塾の講師で元呪術犯罪捜査官(呪捜官)。野暮ったい眼鏡をかけた関西弁で喋る、全体的に胡散臭そうな人物。右足は義足で、歩行時には短めの杖を持ち歩いている。
- 藤原(ふじわら)[CV:千田光男]
- 陰陽塾の講師で元祓魔官。実技講師を担当しており、試験立会や生徒の呪術の自主練習などの監督も行っている。優しく生徒思いであるため、教員・生徒共に信頼がされている。また、長年祓魔官を勤め、退職したため陰陽庁に知り合いが数多くおり顔が広い。
- 倉橋 美代(くらはし みよ)[CV:平野文]
- 陰陽塾の塾長にして倉橋京子の祖母。塾長の立場から春虎達へ助言を与えたりサポートをする。息子の倉橋源司は十二神将であり、陰陽庁長官でもある。立場上、陰陽庁や祓魔局、呪捜部とも繋がりを持つ。
十二神将
- 大連寺鈴鹿(だいれんじ すずか)[CV:佐倉綾音]
- 詳細は上記参照のこと。
- 木暮 禅次朗(こぐれ ぜんじろう)[CV:高橋伸也]
- 十二神将の一人で独立祓魔官。異名は「神通剣(じんつうけん)」。使う得物は彼の異名通り、業物の日本刀である「天魔刀」。爽やかな青年で祓魔局の若きエースと言われる。大友陣とは陰陽塾の同期で、三十六期生で有名だった事から、大友、木暮、あともう一人の塾生を合わせて「三六の三羽烏」とよばれていた。
- 鏡 伶路(かがみ れいじ)[CV:吉野裕行]
- 十二神将の一人で独立祓魔官。異名は「鬼喰らい(オーガ・イーター)」。公務員とは思えない奇抜な格好と額のバツ印に似た傷が特徴的。粗暴な性格で命令を無視したりする事もままあるが、汎式、帝式問わず様々な呪術を簡単に行使するほど戦闘能力は高い。
- 天海 大善(あまみ だいぜん)[CV:石丸博也]
- 十二神将の一人で呪捜官。異名は「神扇(しんせん)」。呪捜部の部長でもある。最年長の十二神将でもあり、その能力は呪術界でも最高峰。倉橋美代とは「美代ちゃん」と呼ぶほど旧い仲。大友の元上司でもある。
- 宮地 磐夫(みやち いわお)[CV:石塚運昇]
- 十二神将の一人で独立祓魔官。異名は「炎魔(えんま)」。祓魔官を束ねる祓魔局修祓司令室室長。ぼさぼさの髪に無精髭という野暮ったい風貌だが、当代『最強』の術師と言われる実力をもつ。強すぎる実力ゆえに投入される現場が限定されてしまう欠点もある。
- 弓削 麻里(ゆげ まり)[CV:井上麻里奈]
- 十二神将の一人で独立祓魔官。異名は「結び姫」。年齢はまだ二十代半ばだが超一流の結界使い。癖のある性格の多い独立祓魔官の中では一番マトモな性格をしている。宮地を敬愛しているが、マリリンと呼ばれることには反発している。幸徳井の双子には同性と言うこともあり気に入られており、たびたびお茶会に誘われている。
- 三善 十悟(みよし とうご)[CV:土田大]
- 十二神将の一人で陰陽庁祓魔局情報課霊視係係長。異名は「天眼(てんがん)」。3名しかいない「特別霊視官」の1人で、優れた見鬼の才能を持つ人物。本編中では後に呪術犯罪捜査部(呪捜部)に転属となる。
- 山城 隼人(やましろ はやと)
- 十二神将の一人で呪捜官。十二神将となってから日が浅いため異名はまだない。若くして陰陽Ⅰ種を取得した優れた呪術者で倉橋源司の弟子。不遜で相手を見下すような態度を内心では取るも、自身の野心のために表に出さず研鑽している。技術は一級であるが実戦経験が圧倒的に少なく、山城自身もそれを自覚している。
- 滋岳 俊輔(しげおか しゅんすけ)
- 十二神将の一人で独立祓魔官。異名は「大佐」。6巻の会議にて言及されていた「5人の独立祓魔官」の最後の一人。三十歳を過ぎてから陰陽Ⅰ種を取得した遅咲きの祓魔官であり、その上生来病弱でもあった努力と執念の人。他の十二神将に比べて呪力やセンスに欠けることを自覚しており、そのためにより効率的な、術者個人の力量に左右されない霊災修祓を模索し続けている。双角会の霊災テロ以前に霊災現場で霊障を負い一時的に現役を退いていたが、後に現役に復帰。
- 幸徳井 白蘭・幸徳井 玄菊(かでい びゃくらん・かでい くろぎく)
- 「特別霊視官」の残り2名で双子。異名は「双瞳姫(そうどうき)」。土御門と並び立つ陰陽道の名門・勘解由小路の宗家である幸徳井家の令嬢。産まれつき優れた見鬼の才を有する神童として幼少のころから英才教育を施された結果、その才能を大きく開花させた一方、世間知らずでマイペース、良く言えば天真爛漫悪く言えば幼い性格のまま育ってしまった。実は弓削よりも年上である。
互いの霊気を共鳴・増幅させることで「天眼」三善を上回る感度を発揮できると言う双子ならではの特技を持つ。
- 倉橋 源司(くらはし げんじ)[CV:小杉十郎太]
- 十二神将の筆頭で陰陽庁長官兼祓魔局局長。異名は「天将(てんしょう)」。陰陽塾塾長である倉橋美代の息子であり、且つ倉橋京子の父親である。「当代最高の陰陽師」とされている。
式神
- 北斗(ほくと)
- 土御門宗家に代々伝わる式神で本物の巨大な黄金の竜。超大な霊的存在であり、作中でも屈しの強さを持つ式神であるが、使い手である夏目は御しれていない。
- 雪風(ゆきかぜ)
- 土御門宗家に仕える美しい白馬の式神で、帝式が確立するずっと前より存在する。飛行するかのように空中を移動することが出来る。
- アルファ、オメガ[CV:長克巳(アルファ)、有本欽隆(オメガ)]
- 陰陽塾の門番をしている2体の狛犬の式神。塾長の式神であり、強面の風貌ながら塾生らと会話をするのが楽しいらしい気さくな性格をしている。
- 黒龍、獺祭、醴泉、鳳凰美田(こくりゅう、だっさい、れいせん、ほうおうびでん)[CV:南央美]
- 独立祓魔官木暮 禅次朗が使役する烏天狗の式神。全部で4羽おり、通常はオーダーメイドの小暮のバイクに宿っている。それぞれ性格があり、一様に陽気な性格。気さくで情にも厚い。
- 夜叉丸(やしゃまる)[CV:櫻井孝宏]
- 相馬多軌子に付き従っている式神の1人。とある人物がある式神へ転生した姿。若い青年の格好をしており、貴族然とした格好に右目に片眼鏡(モノクル)を掛けている。式神とは思えない博識かつ、軽薄な性格をしている。
- 蜘蛛丸(くもまる)[CV:諏訪部順一]
- 相馬多軌子に付き従っている式神の1人。とある人物がある式神へ転生した姿。長い髪を後ろで縛り、フィールドワーカーのような格好をしている若い青年の風貌。常に多軌子に付き従っている。夜叉丸とは生前上下関係にあったのか敬語で話す。
- シェイバ[CV:寺島拓篤]
- 鏡に付き従っている式神。細身の青年で長い金髪に長身の整った風貌をしていていつも大事に刀を両手で抱いている。幼い口ぶりで外見とはかけ離れた我が侭な性格をしており、「ある欲求不満」がたまると態度が一変する。
- 朧(おぼろ)
- 天海大善が使役する扇子状の機甲式。術者の天海と同等の思考・判断力を与えており、術者から離れても単独行動が出来、霊力が尽きるまで単独行動が可能である。
- トリックスパイダー
- 当時、ウィッチクラフト社にいた百枝天馬の母が「見鬼の才が無い人にも操れるように」と試作した小さなクモ型の人造式。メリットとしては周囲の霊力を自ら取り込んで自給自足するため霊力供給の必要性がない、術者と五感を共有できる、小さい為あらゆる所へ潜入できることであったが、陰陽庁の需要に合わなかったため、試作の2匹のみしか作られず、後に天海大善に引き取られた。
- コン[CV:豊崎愛生]
- 詳細は上記参照のこと。
- 飛車丸(ひしゃまる)[CV:豊崎愛生、甲斐田裕子(前世)]
- 土御門夜光が使役し双璧と謳われた最強の護法。容姿は狐の耳と尻尾がついており、絶世の美女で軍服の上に外套を羽織っている。非常に強力な護法で常に夜光の傍におりその身を守って主に忠義を尽くしていた。飛車丸本人も前世から優秀な呪術者であるため、主がいなくても単体での戦闘が可能である。
- 角行鬼(かくぎょうき)[CV:安元洋貴]
- 土御門夜光が使役し双璧と謳われた最強の護法。外見は薄い短髪の金髪に浅黒い肌をした筋骨隆々の男性で、ノーネクタイのスーツに身を包んでいるが「とある伝説上の事実」から左腕がない。その正体は非常に強力な「鬼」であり、呪術を使わずとも「鬼気」だけでも相当なもの。しかし本人は比較的温厚な性格であり、作中たびたび主に助言を与えたり接触をしていた。
- 霹靂(へきれき)
- 土御門千鶴がオリジナルで作成した高等人造護法式。実体化することなく、予め設定された呪術を主の命令で行使する。強力な雷の式神だが、扱いが非情に難しい。
- ゴズ、メズ
- 道満を護る2人の護法。ゴズはドレッドヘアで鼻にリングピアスを付けた、異様に太った達磨のような風体の男。メズはポニーテールで露出の高い格好をした、異様に背の高いアバンギャルドでコケティッシュな女。共に強力な鬼で、道満に強い忠誠心を持っている。元ネタはそのまま牛頭鬼と馬頭鬼だろう。
- 水仙(すいせん)
- 倉橋家の別邸に仕える高等人造式。和装の姿をした美人で女性の式神。家の維持が目的に作られたため戦闘力は皆無だが、家事・雑事は完璧にこなす。また人の介助もこなせる。性格は慎ましく、おしとやかである。
- 迦楼羅(かるら)
- 滋岳俊輔の専用式神として、彼の要望を受けて陰陽庁開発研究部によって製作された汎用式。カテゴリーこそ汎用であるが、実態は滋岳の目となり耳となる検知式と式符を運搬する輸送式を兼ね備えるもの。滋岳に霊災現場の情報を送りつつ、彼の呪力を中継して遠隔地から多数の対霊災特化型特製護法式を展開、滋岳はそのすべてを制御しつつ霊災を包囲・修祓する。術者単独での式神部隊の運用を可能とした式神。
- 羽馬(はま)
- 百枝天馬の父が天馬に残した初期型のハマーH1を形代にした高等人造機甲式。使役者は天馬。相当風変わりの人造式で、随所に規格外れの呪術が施されている。『羽馬』自体が状況判断、または主との対話、または結界の展開など機能は多岐に渡る。その実体は複数の機甲式から成っており、対話する『羽馬』が車のあらゆる部品となっている「式神」、を統率することで成っている。
- モデルFAR・ver7
- 重工業メーカー富士川重工と陰陽庁開発研究部の共同制作による、多脚式歩行型汎用機甲式。近未来的な流線型のフォルムで脚部に様々なギミックを搭載可能。8割型完成の試作機で8体が実働可能。その実は防衛省、陸自もかかわっている「軍用式」であり、将来災害救助及び重火器も搭載可能となる予定である。現在は滋岳俊輔がこの式神を使役している。
星宿寺
- 常玄(じょうげん)
- 星宿寺の阿闍梨を務める老人。十二神将すら越える超大な霊力を持つ。事実上の星宿寺の指導者であり、現在、寺のとある内情で改革派のメンバーと対立をしている。かつての彼の呪術の師は、土御門夜光と遠い昔深い関わりがあった。
- 理妟(りあん)
- 星宿寺の阿闍梨を務める青年。常玄ほどではないが上級クラスの呪術者の実力をもつ。現在寺のとある内情で改革派のメンバーとして動いており、常玄とは対立している。
- 忠範(ちゅうはん)
- 星宿寺の「預かり衆」の世話役の阿闍梨。「預かり衆」の子供たちが阿闍梨へなるための指導をしている。基本的に厳しい性格だが、子供らへの愛情も垣間見える。
- 千翁(せんおう)
- 星宿寺の雑務をこなす高齢の寺男。秋乃と仲が良く、良く彼女を励ましてはかまっている。寺のとある事情に関しては全くの無関心で一切接触を持たない。土御門夜光とは非情に深い関わりを持つ。
その他登場人物
- 比良多 篤祢(ひらた あつね)[CV:石田彰]
- 新人の呪捜官。部長である天海からは呪捜部のホープと言われている。髪先が一房だけ赤くなっている独特な風貌をしている。主に双角会を専門に捜査をしている。
- 六人部 千尋(むとべ ちひろ)[CV:諏訪部順一]
- 双角会の一員。長い髪を後ろでまとめ、無精ひげを生やした男性。鵺が二体出現して大暴れした「上巳の再祓」の際に裏で暗躍をした。
- 蘆屋 道満(あしや どうまん)[CV:飛田展男]
- 宙に浮く黒塗りの高級車に乗りどこからともなく現れる、人ともわからない不気味な老人。各事件の現場などの要所で重要人物と話しているが、具体的にどう事件に関与しているかなどは不明で、謎が多い。呪捜部からは「D」の符丁でやり取りされている。
- 早乙女 涼(さおとめ すず)[CV:橘田いずみ]
- 耳のようなヘアバンドをした透明感のある美貌の女性。自身のサイズより大きい陰陽塾制服を着ており、小柄な体躯で異常に幼く見える。度々春虎達と接触するも、不思議な性格で会話がかみ合わないことが多い。『無類の幼女好き』である。
- 相馬 多軌子(そうま たきこ)[CV:金元寿子]
- 陰陽塾の女子制服を来た赤毛の少女。陰陽塾の塾生とは答えるがどこか不思議な雰囲気を放ち、気さくな性格で春虎達とも気兼ねなく打ち解ける。土御門に関するものに大変興味を持っているらしく春虎達、土御門家の人らとも話すのが好きらしい。
- 佐竹 益観(さたけ ますみ)
- 現与党である新民党の最大派閥に所属する若手議員。故大連寺至道や現陰陽庁長官倉橋とも関わりがある。
- 若宮 理香(わかみや りか)
- 大手出版社傘下に属する、陰陽師に関する情報を発信している『月刊陰陽師』編集部に所属する若手記者。独自のルートで閉鎖的な陰陽庁を探り、スタンドプレーが多い。すでに故人である姉の若宮恵理は大友陣らの塾生時代の講師。
- 直田 公蔵(なおた こうぞう)
- 現野党第一党である自主党幹事長。長年第一党として政界仕切り、「政界のフェイクサー」とも知られている重鎮。新民党との政権交代により野党とはなったが今でも内閣総理大臣より動向が注目される人物。
過去編
主要人物
- 土御門夜光(つちみかど やこう)
- 土御門宗家の嫡男として生まれるも、呪術への探究心・好奇心が非常に強く家柄や政治には全く感心がない。呪術の為なら神事を放ったりもするが性格はよく笑う心優しい青年。
- しかし呪術においては追随を許さず「清明の再来」と噂されるほどの才を持った天才。
- 事故死した両親の後を20歳を持って当主を引きついだ。土御門秘祭である「泰山府君祭」を容易に操る。その後戦争の渦中にあるなか、陸軍の相馬佐月と出会い、激動に巻き込まれていく。
- 飛車丸(ひしゃまる)
- 土御門分家筋にあたる女性。腰に届くほどの長い髪を持ち、白い肌に精緻に整った美貌を持つ。
- 「狐付き」として生まれ忌み嫌われ幽閉されていた所、幼少期の夜光に連れ出され、名を授けられた。その後夜光の強い意向としきたりにより「飛車丸」として式神となる。彼女自身主である夜光の式神として呪術の研鑽を積み、天才とされる夜光の次と数えられるほど腕の努力による秀才。
- 奔放な主をよく嗜めたりもするも夜光へ淡い恋心を持っている。夜光の妹小翳とは姉妹のように育ち懇意である。
- 角行鬼(かくぎょうき)
- 土御門夜光の式神。筋骨粒々とした身体に浅黒い肌、2メートルは超えるする巨漢で背広を着ている。
- とある事情で左腕がない。夜光が当主になる1年前にとある事件にて式神になることになった「千年生きた伝説上の鬼」。夜光には主従関係を敷いているが態度はぶっきら棒な為、度々飛車丸に説教をされる。本物鬼であるため呪術を持ちいらずとも鬼気のみでも他者を圧倒させるほどの実力を持っている。夜光の行く末を見たいと一線を引いている風がある。
- 相馬佐月(そうま さつき)
- 日本帝国陸軍参謀本部第九課付き中尉。軍部に浸透している相馬一族の長。若い整った風貌に燃えるような赤い髪が特徴的。外面では軍のエリート将校として丁寧かつ穏やかな態度を取るが、内面は粗暴で屈折した投げやりな様子を見せる。
- 「相馬一族千年の悲願」に重責を感じどうでもいいと思いつつもそのために夜光と接触を図る。良くも悪くも長く運命を共にする親友となる。本人は呪術はからきしだが、相馬一族の直系のある体質より長になった。相馬一族が代々受け継いだ4人の護法、八瀬童子を持つ。
- 土御門小翳(つちみかど こかげ)
- 土御門夜光の妹。3つ下の少女で夜光と同じ黒髪黒目の勝気で溌剌とした印象。夜光に劣るも呪術の腕は熟練したもの。奔放な兄を宗家嫡男として幼い頃からよく説教をしている。しかしそれも夜光と信頼し合っているからの証左でもある。
- また飛車丸とは幼少頃から一緒に育ってきた為姉妹にように思っているが、やはり主を止められないと説教をしている。
用語など
陰陽術関連
- 陰陽師
- 現代においては、主に東京都に多発する霊災を呪術によって修祓する術を持つ者、またはその研究者。
- 戦後、土御門夜光によって広く知れ渡れ、現代に起きる霊災を鎮める為に欠かせない存在と成っている。
- 陰陽師には成るための資質、見鬼と国家資格「陰陽Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ種」の取得が絶対的に必要であり、才のない物はなることが出来ない。陰陽庁(公務員)に多くが属しているが、もちろんながら専門の民間企業・研究機関にも陰陽師は存在する。
- 現在は国によって整備された法律の下、陰陽庁などが管理し、陰陽塾といった養成機関も存在する。
- 特に陰陽庁霊災修祓室に属し、メディア露出が高い「祓魔官」は陰陽庁でも最も一般人に認知度が高い。彼らの装備の黒衣、防瘴戎衣から闇鴉(レイヴン)の異名で知られている。また陰陽師=祓魔官というイメージが高い。
- 喼急如律令(オーダー)
- 呪術の命令の呪文にあたる「喼急如律令」(きゅうきゅうにょりつりょう)の代わりとして劇中で使われる。発音は英語の「命令、~へ命じる」にあたる「オーダー」。陰陽術の内、特に符術を使う際に使われる結び句。
- 様々な呪術を編纂、作成した土御門夜光が当時の陰陽術を普遍化・簡易化するために作成した。
- 本来はの表記は「急急如律令」(又、急々如律令等)で「急いで律令(法律)の如く行え」という意味であり、訳すると「早々に退散せよ」という陰陽師が呪文の終わりに添える悪魔祓いの言葉である。
陰陽術
- 帝式陰陽術(ていしき おんみょうじゅつ)
- 正式名称は「帝国式陰陽術」。現在発展し、多く使われている「汎式陰陽術」の元となった呪術体系で、太平洋戦争中、旧日本軍の要請により、軍事利用を目的に、陰陽寮の最高責任者「陰陽頭(おんみょうのかみ)」となった土御門夜光によって作られた。修験道や密教系、神道系といった日本に存在するありとあらゆる呪術が統括・編纂されたもの。この帝式陰陽術によって、陰陽術は近代の人の世に身近な物となった。
- 大変強力な物ではあるが、危険極まりない術式が多く、これを簡易化し危険性を取り除き、実質弱体化した術式体系が以下の「汎式陰陽術」である。
- 戦後の現代では使用することが基本的に禁止されている(十二神将を筆頭に、陰陽庁の一部の人間よる限定的な使用は例外)。
- 汎式陰陽術(はんしき おんみょうじゅつ)
- 「帝式」を簡易化し危険性を抑えたもの。法的には以下の二種に分類される。
- 甲種呪術(こうしゅ じゅじゅつ)
- 陰陽庁によって確かな効果が認められた呪術を指す。
- (一部例外を除くと)使用する場合には「陰陽Ⅰ種」または「陰陽Ⅱ種」の試験をクリアして得られる陰陽師の資格が必要。
- 乙種呪術(おつしゅ じゅじゅつ)
- 陰陽庁によって確かな効果が認められなかった呪術をまとめて指す。
- 古くからある「おまじない」や、大多数の占術等の、甲種以外の呪術を指す。
- 属人的な物や、強力な呪術というのは、大体こちらに分類されている事が多い。
- 式神(しきがみ)
- 陰陽師が操る僕の総称。「術者が意のままに使役する鬼神」。
- 式神となる過程(生成方法)での分類には、霊的存在(妖怪とか神仏とか)に呪力を与え使役する「使役式」と、形代という核に呪力を込めて造られる「人造式」という2種がある。人造式には、込める呪力や必要な能力での分類で、簡易人造式や高等人造式などに分けられる。
- 役割としての分類には、主を護る式である「護法式」や「汎用式」「輸送式」「検知式」「捕縛式」「機甲式」などがある。
- また、人間間に於いての「式神」とは、広義的な意味で主の言いなりに働く対象のこと、つまり「絶対的な主従関係」の比喩的表現として用いられる。「あなたは私の式神だ」というならば「あなたは私の従者(僕)で、主は私だ」という意味である。(ex:軍の上官と下士官、将軍と大名、女王と家臣、王と騎士)
- 土御門家においては上記の意味が異なり、「しきたり」では分家の者が本家の者に専属的な護衛に着くと言う意味で用いられる。
- 見鬼(けんき)
- 霊気を感じる力=霊視能力、を持つ者の呼び名。
- 霊視能力は、陰陽師にとって必要不可欠な「才能」。ただし陰陽術により後天的に能力を付与する事も可能。この場合は、腕が良い陰陽師なら一度の施術で数年は効果が持続するとの事。
- 術比べ(じゅつくら - )
- 陰陽師同士が事前に出された問題を術によって互いに回答する、又は互いに約束事を決め、相手が感服し負けを認めるかまでか、約束事に当てはまるまで術を互いに見せ合う事。
- 単純な術の見破りから相手に呪を掛け、解呪できるかと言った「相手の力量」を測る頓知比べが多く、近年の「互いに術をぶつけ合う」といった「バトル展開」の「呪術合戦」のような物ではない。
- 有名なもので、「金烏玉兎集」にある、安部清明と芦屋道満が帝の前で箱と袋の中身を術をもって言い当てるというのが有名。また式神の子を連れた道満を清明が術にて見抜くという物もある。
- 鴉羽織(からすばおり)
- 土御門夜光が生前着ていたとされる黒い外套のこと。通称「鴉羽(からすば)」。詳細は一切不明だが、一部の夜光研究者によれば転生を果した者に着せれば夜光の転生かどうか判明する、という噂がある。俗説や噂のみで呪具である、式神であるなど様々な説がある。現在は陰陽庁が管理・保管している。
霊災関連
- 霊災(れいさい)
- 『霊的災害』の略称。陰陽法が定めた定義によると「自然界が持つ自浄作用の許容量を超えた、回復の見込めない霊的・呪的偏向」。要は「霊や呪術に関連したトラブル全般」を指す名称。
- 作中の東京は、過去にある人物が起こした儀式により、霊的・呪的要素が不安定となっており、他の地域に比べると多くの霊災が発生するようになっている。
- 通常、空間にある「霊気」」は「陰と陽の気」が正常に保たれているが、上記理由により、「陰の気」へ極端に霊気が傾く(偏向)すると「瘴気」を発し霊災となる。この気の乱れの大きさによって霊災規模を決めている。
- 生成り(なまな - )
- 本来は鬼になりかけている者を指す言葉だが、作中では「ナニカ」に「憑かれて」いる者=「憑き物」の総称として使われている。
- 憑いているナニカは、鬼、狐、犬神、飯綱、兎、など様々な種類がいる。
- 上巳の大祓(じょうし - おおはらえ)
- 二年前に東京で起こった大規模な霊災テロ事件。
- 上巳の再祓(じょうし - さいはらえ)
- 劇中、主人公らが巻き込まれた同じく大規模な霊災テロ事件。二年前のテロと状況が酷似しているため、「再祓」と言われた。
組織関連
- 陰陽庁(おんみょうちょう)
- 日本各地(上記の理由により、主に東京)の霊災の修祓をする公的組織。
- 陰陽術に関する法律「陰陽法」の製作・管理なども行なっている。
- 前身は、遠い昔からある、陰陽師たちの総本山と言える組織「陰陽寮」。明治維新により衰退・解体されたが、第二次世界大戦中に土御門夜光を最高責任者として復活。戦後、政府から霊災への対処を一任され「陰陽庁」と名を変えた。
- 庁内には、役割別に祓魔局修祓司令室、祓魔局情報課、呪術犯罪捜査部(呪捜部)、などがある。
- 陰陽塾(おんみょうじゅく)
- 陰陽術を学ぶ為に設立された専門学校。現在活躍している殆どの術者はここの卒業生である。数年前、渋谷にビルのような新しい学舎が建築されたので、歴史の割に建物自体は新しい。
- 塾生の男子制服は祓魔官がきている防瘴戎衣に似せた青みがかった黒、「烏羽色」で平安時代の狩衣を模した変わったデザインと成っている。女子制服は逆に純白色である。
- 夜光塾(やこうじゅく)
- 戦時中に帝式陰陽術を学ぼうとする者たちのために夜光が開いた私塾で、陰陽塾の前身。戦後、陰陽庁によって編纂され、陰陽塾となる。
- 双角会(そうかくかい)
- 土御門夜光を「北辰王(ほくしんおう)」と呼び狂信的に崇めてる=「夜光信者」の中でも特に「過激的」な構成員にもつ秘密結社(存在は確認されているが、構成員、目的等全て不明である為)。戦後の様々なテロなどに関わっているとされ、陰陽庁より監視、捜査されている。
- 十二神将(じゅうにしんしょう)
- 陰陽庁が定める「陰陽Ⅰ種」の試験をクリアした者を指すマスコミ発祥の俗称。
- 正式名称は「国家一級陰陽師」。陰陽庁が誇る超一流陰陽師であり、いずれも手練。
- 十二神将は俗称なので「12人しかいない」というわけではない。国内に十数人いる。
- EX4巻時点で作中に名前が出ている十二神将は
- 神童:大連寺鈴鹿
- 神通剣:木暮禅次朗
- 鬼喰らい(オーガ・イーター):鏡怜路
- 天将:倉橋源司
- 神扇:天海大善
- 炎魔:宮地磐夫
- 天眼:三善十悟
- 結び姫:弓削麻里
- 大佐:滋岳俊輔
- (異名なし):山城隼人
- 双瞳姫:幸徳井白蘭・幸徳井玄菊
- 黒子(シャドウ):???(既にⅠ種を辞しているため元十二神将である)
- 導師(プロフェッサー):大連寺至道(物語開始時点で故人)
- の14人。
- 名前の前にある二つ名は、十二神将と同じくマスコミやら周囲が付けている俗称、だと思われる。自分で神童とか結び姫とかシャドウとか名乗ってはいない…と思いたい。
- EX4巻にて祓魔官に付けられた二つ名のほとんどはマスコミが命名したものであることが語られた。ただし『天将』倉橋が語ったところによると、『黒子』は呪捜官として活動する間に敵対者たちから自然と呼ばれるようになったもので、本来なら呪捜官はメディアに露出しないためそちらから二つ名で呼ばれるようになることはないという。
- 闇寺(やみでら)
- 全国各地に存在する現在の「陰陽法」からはずれた呪術者が身を寄せ合う場所。主に陰陽庁を辞去したが職がなく行き着いた者、陰陽師への見識が薄い地域で術が使えるからといって、化物扱いされた者などである。また行き場をなくした「生成り」の子供らを引き取り、優れた呪術者へと成長させるシステムも存在している。
しかしながら、闇寺の者が普通に使用している甲種呪術等は国家資格がないと使用出来ないものであり、陰陽庁からみれば闇寺は「犯罪者の巣窟」である。作中に登場する星宿寺もその1つで、僧侶(阿闍梨「あじゃり」)らが「禁を犯している」呪術者であると見なされている。
コミカライズ
原作作品
スピンオフ作品
アニメ
2013年10月より以下の放送局にて放送された。全24話の2クール。
スタッフ
主題歌
- OPテーマ1 「X-encounter」 (1-13話)
- 歌:黒崎真音 / 作詞:黒崎真音 / 作曲・編曲:高瀬一矢
- OPテーマ2 「〜Outgrow〜」(15-19話、21-23話)
- 歌:Gero / 作詞:六ツ見純代 / 作曲:HoneyWorks / 編曲:黒須克彦
- EDテーマ1 「君が笑む夕暮れ」」(1-2話、4-13話、24話)
- 歌:南條愛乃 / 作詞:KOTOKO / 作曲・編曲:井内舞子(I've)
- EDテーマ2 「Break a spell」(15話、17-19話、21-23話)
- 歌:川田まみ / 作詞:尾崎武士 / 作曲・編曲:尾崎武士・中沢伴行
各話リスト
関連動画
関連静画
関連生放送
キャスト出演
関連チャンネル
関連項目
外部リンク