ダナとは、旧チェコスロバキアで開発された自走榴弾砲なんダナ。この項目では後継のズザナ、兄弟車両のRM-70についても述べるんダナ。
1970年代、当時のチェコスロバキア軍は自前で自走砲の開発を行なう決断をした。当時のチェコスロバキアって国は社会主義政権ではあるが、プラハの春とかあってボスのソ連と仲があまりよくなかった。また自国工業の育成と保護の観念からも兵器を自前で製造することが望ましかった。どうせソ連の海外侵略戦略に係る気ないし、自国防衛だけに使える兵器作ったんでいいんじゃね? かくして自国に合った兵器としてダナは生まれた。1981年配備開始。
その最大の特徴は史上初の『装輪』自走榴弾砲という点である。普通自走榴弾砲というのは大砲発射時の衝撃の関係でキャタピラの方が都合がいい。装輪式だと駐鋤[1]で固定しないとタイヤも車軸も折れる罠。しかし固い地盤で道路の舗装率の高いヨーロッパ平原で戦闘するには展開の速さを考えると装輪式のほうが都合がいい。発射時は駐鋤で固定すればいいだけだし。大体装輪式なら導入コストも整備コストも安く済むし、何度も言うがソ連のように海外に行く必要なんてないんだし!
チェコの名門自動車メーカー、タトラ[2]製8輪全輪駆動トラックのちょうど真ん中に152mm37口径榴弾砲を搭載。前部は兵員室&操縦室、後部はエンジンという構成。驚異的なのはこの時代で既に自動装填装置を搭載、分間5発、30発発射の所要時間7分という当時としては驚異的な数字をたたき出している。移動後砲の発射まで2分、発射後の撤収時間1分という展開の速さも自慢だが、砲を固定するジャッキの展開時間を省いてるだろと言われており、実際はもっと時間がかかる模様。ちなみに砲塔は事実上全方位射撃可能[3]。タイヤには空気圧調整装置がついており、ある程度の悪路にも対応。
その使い勝手のよさは各国の目に留まり本国だけでなくポーランド・グルジア・リビアの各国で採用された。
ダナの車台にBM-21の40連装ロケットランチャーを搭載したもの。ドーザーブレードを運転席前に設置したゴついモデルとドーザーブレードを排した、いかにもトラック然とした輸出用モデルが存在する。
現在RM-70はスロバキアのコンストラクタ・ディフェンス社(ダナの後継で後述するズザナの製造元)によりBM-21のランチャーをMLRSのランチャーに乗せ換えて運用中。
チェコスロバキアがビロード革命→ビロード離婚を経てスロバキア所属になった、ダナを製造していたZTS社、後のコンストラクタ・ディフェンス社が開発した自走砲。要はダナの152mm砲をNATO標準の155mm砲に取り替えたもの。なんか砲の威力が上がったせいか砲塔の旋回角度が左右60度と大幅に小さくなっていたりするが、G6ライノ(左右60度)とかアーチャー(左右30度)とか、装輪自走榴弾砲とは大体そんなもんである。ノラB-52なんて例外あるけどあれは強力な駐鋤を前後に備えてるからできる芸当。
ズザナは従来のトラック搭載型とT-72にズザナの砲塔を搭載した『ズザナT-72M1』なるモデルがあり、T-72版はインドの次期自走砲のコンベに参加したが落選、後にギリシャ軍に採用された。トラック版は『ズザナ2000』の名前でスロバキア本国が採用。
現在、本国のズザナ2000は現行の45口径155mm砲をより強力な52口径155mm砲に交換するプログラムが進行しており、交換済みズザナはズザナA1ズザナ2を名乗る。
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最終更新:2024/12/23(月) 15:00
最終更新:2024/12/23(月) 14:00
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