先導アイチとは、TVアニメ「カードファイト!! ヴァンガード」シリーズのヒロイン主人公である。
担当声優は、代永翼(日本語版) / James Beach(英語版)。
この物語の主人公。気が弱く、おどおどしがちだが優しい心の持ち主。
いじめられっ子だったが「ヴァンガード」と出会ったことで前向きになり、人間としても成長していく。
櫂のことを尊敬していて、櫂と戦い、認められることを一番の目標にしている。
後江(ひつえ)中学校に通う中学3年生。誕生日は6月6日の双子座で、血液型はB型。妹に先導エミがいる。
幼少期から気が弱く、通っていた宮地学園初等部ではイジーメに遭い、学校の中でも外でもいつもボロボロだった(その後、見かねた母の勧めで別の学校へ転校する)。そのころ櫂トシキと出会い『ブラスター・ブレード』を貰い受け、強い自分をイメージするよう諭される。しかし、その4年後である物語本編でもクラスで雑兵呼ばわりされたり、カードをカツアゲされたりとあまり変わっていない様子。
櫂から『ブラスター・ブレード』を受け取った後、彼はすぐに引っ越してしまったが、その4年後のある日、森川カツミに奪われたブラスター・ブレードを取り戻すために向かったカードショップ「カードキャピタル」にて再会。その後、櫂とファイトすることを夢見て構築したデッキで彼にファイトを挑み、見事勝利を収めた。以降は森川たちともファイトするなど、良好な関係を維持している。
まるでひな鳥が刷り込みで親鳥にくっついて回るように、事あるごとに櫂の動向を気にする…というか、アイチがヴァンガードをやる、ほぼすべての理由が櫂に起因している。4年前に櫂からもらったカードを後生大事にとっておき授業中に眺めたり、櫂との初めてのファイト後に授業中で使用された詩が島崎藤村の「初恋」だったり、そのあと公園で「鯉」を眺めていたり…乙女すぎっぞ!
少し背伸びをした中学生らしい、痛々しさのある前口上で切り札を切ることに定評があり、視聴者からはよく、「いてててててて」とコメントされてしまう(通称「痛ライド」)。が、雑兵すぎる普段の姿とは裏腹の力強いプレイングでヴァンガードファイトをする姿はとても凛々しい。まるで男の子のようだ。
もう一度言うが、彼はヒロインではない。主人公なのである。
だが、ラジオにてアイチ役の代永翼が直々に「俺、ヒロインだから」と発言するなど、半ば公認状態。仕方ないね。
月刊ブシロードの付録によれば、彼の下の名前に漢字を充てるならば「愛を智る」と書いて「愛智」と原作者が語っている。
第2期のVFサーキットから数ヵ月後、高校生になり、戸倉ミサキと同じ宮地学園高等部に進学した。クラスは1年A組。
少し背が伸び、髪を切って男の子らしくなっている。だが、ヒロイン力は衰えておらず、むしろ上がっている。
進学校の宮地学園ではヴァンガードを嗜む生徒は少なく、学園生活に馴染めていなかったアイチだが、充実した学園生活を送るため、「カードファイト部」という部活を立ち上げようと自ら動き始める。
転校してきた立凪コーリンや、ヴァンガードに興味を持った石田ナオキ、アイチを尊敬する小茂井シンゴ、そしてチームメイトのミサキの4人を部員に加えてカードファイト部を設立し、生徒会の妨害を乗り越えながら活動を開始する。もちろん部長はアイチ。こちらも参照 ⇒ アイチラ部
全国大会、PSYクオリア、アジアサーキットなど、様々なことを経験したアイチは、以前のような気の弱さを感じさせず、自信に溢れ頼り甲斐のある姿へと成長している。
……が、ヴァンガード以外のことになると、少々頼りない一面を見せることも。
リンクジョーカーの侵略を退けて世界に平和が訪れた数日後、突如世界から忽然と姿を消してしまう。
単純な行方不明ではなく、『先導アイチ』の存在そのものが消え、アイチに関する記憶も櫂以外からは失われている。
その原因は、リンクジョーカー編において“虚無”に支配されていた立凪タクトを破った際、
“虚無”から放たれた「シード」にあった。
シードはリンクジョーカーの力であり、埋め込まれたファイターはリンクジョーカーに取り込まれ、やがてタクト同様リンクジョーカーの尖兵と化してしまう。
勝っても負けても闇堕ちという進退窮まった状態に陥り、アイチはシードを己ごと封印することで世界を守ろうとした。
親しい仲間を敢えて避け、選んだカトルナイツに己の封印を守護してもらおうと考えたのだが、ある思惑により解き放たれてしまい・・・。
櫂トシキとダブル主人公として参戦。
完全招待制大会「スクランブル・メサイア」が開かれた中で、かつて櫂を導いた男・伊吹コウジとの遭遇。そしてやっぱり負ける消滅するブラスター・ブレード。
アイチは襲い来る新たなリンクジョーカー「根絶者(デリーター)」から地球を、惑星クレイを守りきることができるのだろうか・・・!?
G1期において、新主人公となる新導クロノと一瞬だけすれ違った彼と思わしきシーンがある。
ずっと台詞はなかったが、葛木カムイの端末にて彼との通信記録が確認できる。
G2期「ギアースクライシス編」においてはアメリカに留学中(おそらくイェール大学と思われる)。伊吹との通話ながら遂に登場を果たす。
海外で伊吹コウジの「Plan.G」に協力しており、ラティ・カーティ[1]と待ち合わせていた。
そして「Plan.G」改め「ギアースクライシス」の終盤に、ファイカを通じてストライドフォースを送り込む形で参戦。
共に居たラティだけでなく、かつてのQ4のメンバーや、協力を仰いだと思われる清州アカネ[2]や光定ケンジらと思われるライドイメージとともに、次世代のファイター達「チーム・トライスリー」に未来を託した。
そしてG4期「カードファイト!!ヴァンガードG NEXT」において、遂に本格出演することとなった。
宇宙学を専攻しており、そのためなかなか日本に帰ってこれなかったという。
1号店で現主人公である新導クロノと初めて顔合わせをし、伊吹の招集でクロノやカムイと2号店に向かう際、過去擦れ違うだけだった橋の上で、過去の戦いで手に入れたカードをクロノに託す。その後、伊吹がヴァンガード普及協会本部長の仕事で遅れる中、クロノと初めてファイトを行う。
GNEXT以前の本編ではその行動は殆ど描写されていなかったが、伊藤彰によるカトルナイツのイメージボードにおいては、カトルナイツを裏切った経歴のあるラウル・セラとの戦いが示唆されている。
家族構成、宮地学園初等部→後江中学校→宮地学園高等部という進学経歴、内向的で温厚な性格、初等部在籍時代にイジメに遭っていた過去、櫂と出会い『ブラスター・ブレード』を譲ってもらったこと、PSYクオリアに覚醒する、高等部進学後にカードファイト部を設立しVF甲子園を目指すことなど、基本的な部分の大半はアニメ版と共通している。
一方で、前髪の分け目が微妙に違う、眉が太い、赤面症の気があるのか頬を赤らめている描写が多い、ちゃんと男の子である主人公らしい、アニメ版よりも勝率が高い、PSYクオリアに目覚めたきっかけが違う、PSYクオリアが発動すると瞳の色が赤くなる、櫂が優しいためアイチが強くなることに固執してPSYクオリアに溺れることもない、チームQ4が結成されないためアジアサーキットには個人戦で出場している、コーリン達ウルトラレアや立凪タクトと知り合う時期がアジアサーキット表彰式のタイミングである、三和のことを「三和さん」と呼ぶ……といった細かい違いも多く存在する。
また、アニメ版では進学校である宮地学園高等部に進学したという事実以外では特に言及されていなかったが、漫画版ではテストで95点を取るなど学業の成績が優れている描写が明確にされている。
カードファイト部としての活動中、立凪コーリンの失踪から彼の周辺の歯車が狂い出し、「PSYクオリア・ゾンビ」と化してしまった石田ナオキに敗北したことで自身も同様の症状に陥ってしまった。
しかし、伊吹コウジとの一戦で致命的な一撃と共に「デリート」を受けてしまうも、ダブルヒールトリガーにより敗北確定の窮地を脱したことで、己を保ったまま「PSYクオリア・ゾンビ」の支配から逃れることができた。
平和を取り戻した後は、アニメと違いVF甲子園を優勝。
しかし何か大事なことを忘れていたアイチたちだったが―――。
ユナイテッド・サンクチュアリの正規軍≪ロイヤルパラディン≫で統一されたデッキを使用。
ヴァンガードしゅしゅしゅだった序盤では、グレード3が1枚も入っていないようなセオリーも分からずに組んだデッキを使っていた。櫂トシキと4年ぶりに再会、そしてヴァンガードファイトに勝利し『ブラスター・ブレード』を取り戻してから、アイチは多くのヴァンガードファイター、新しいカードと出会いながら成長し、今もデッキは改良され続けている。
以下は主に使用するカード。
グレード0 | ばーくがる | グレード1 | 閃光の盾 イゾルデ |
グレード0 | ういんがる・ぶれいぶ | グレード2 | 沈黙の騎士 ギャラティン |
G0/クリティカル | 幸運の運び手 エポナ | グレード2 | ブラスター・ブレード |
G0/クリティカル | 一般人未来の騎士 リュー | グレード2 | 真理の騎士 ゴードン |
G0/スタンド | ふろうがる | グレード2 | ハイドッグブリーダー アカネ |
G0/ヒール | 世界樹の巫女 エレイン | グレード3 | 騎士王 アルフレッド |
G0/ドロー | まぁるがる | グレード3 | ソウルセイバー・ドラゴン |
グレード1 | 小さな賢者 マロン | グレード3 | アルフレッド・アーリー |
グレード1 | ぽーんがる | グレード3 | マジェスティ・ロードブラスター |
グレード1 | ういんがる | グレード3 | 爆炎の剣士 バロミデス |
グレード1 | 若年のペガサスナイト | グレード3 | 孤高の騎士 ガンスロッド |
現在では『ブラスター・ブレード』をはじめ、『騎士王 アルフレッド』や『ソウルセイバー・ドラゴン』等が主力ユニットになっている。切り札である騎士王 アルフレッドの能力を最大限に活かすため、リアガードを目一杯コールし、手数とパワーで押す戦術をとる。この戦法はヴァンガードファイトの基本的な攻め方であり、勝ち方をわかりやすくイメージすることができる。
『ブラスター・ブレード』は、アニメの世界では既に手に入れることの出来ない往年のレアカードと位置づけ。グレード2では『沈黙の騎士 ギャラティン』に次いで高いパワー9000であり、相手リアガードを退却させる能力を持っている。また、このカードを名指しでサーチできる『孤高の騎士 ガンスロッド』や、『ふろうがる』、『ばーくがる』と共にこのカードにスペリオルライドできる『未来の騎士 リュー』など、たとえ手札にブラスター・ブレードが無くともフォローが利くようになっている。
初めての地区大会以降は、「竜魂乱舞」以降に収録されているユニットもデッキに加えるようになる。また、チームカエサルとの合宿にて受けたアドバイスをもとに「勝利へのイメージ」を高め、新たな切り札である『ソウルセイバー・ドラゴン』とのシナジーも考えた構成へと改良された。
封印された≪ロイヤルパラディン≫、≪シャドウパラディン≫の英雄を解放するために立ち上がった騎士団、≪ゴールドパラディン≫で構成されたデッキを使用。
所属しているユニットの中には、かつてロイヤルパラディン及びシャドウパラディンに属していたユニットも存在する。
山札の上からユニットをスペリオルコールする能力を得意とし、ロイヤルパラディン同様展開力に優れている。特性上呼び出すユニットはランダムであり、状況に応じたユニットをコールできるとは限らないが、条件やコストは軽いものが多く、展開力はロイヤルパラディンのそれを上回る。味方が多いほど強くなるユニット、味方を退却させることで能力を発動させるユニットが存在するが、アイチは前者のカードを軸としたデッキを使用する。
第2期と同じく≪ゴールドパラディン≫で構成されたデッキを使用するが、「解放者(リベレイター)」の名を冠したユニットを中心としたデッキになっている。
能力の発動条件に「解放者」を指定するカードが多数存在するため、デッキ内容はほぼ「解放者」で固まってしまうが、それらの効果は従来のユニットよりも非常に強力である。
第3期のクライマックスでシードの侵蝕を受けてしまったせいか、所持デッキが《リンクジョーカー》へと変化してしまう。
特に目立つのが、侵蝕の影響で“Я”同様リンクジョーカーの手に堕ちてしまったブラスター・ブレードの成れの果て《星輝兵 ブラスター・ジョーカー》。
自身のユニットを呪縛する必要はあるが、相手の全リアガードを呪縛した上でレギオンメイトを破砕、再ライドしなければ双闘できない状況に相手を陥らせる双闘メタともいえる能力を持つ。
収録パックには、マロンやういんがる、ギャラティンさんといったブラスター・ブレードの仲間を模倣したパチモノサポートカードが存在し、さながら星輝兵版ロイヤルパラディンといった様相を示している。
ブラスター・ジョーカーを己に、そのレギオンメイトである《伴星の星輝兵 フォトン》を、自身に寄り添ってくれた立凪コーリンに見立てている。ユニット設定だとそいつが黒幕なんですがそれは
1期以来となる《ロイヤルパラディン》を使用。名称のない《ブラスター・ブレード》の使用も何年かぶりである。
櫂が託されて使っていた「探索者」デッキだが、非名称のカードも比較的多い。
また、序章でのファイトではまた別のデッキであり、懐かしいカード達が多く使われている。
本作のみの出番となる《光源の探索者 アルフレッド・エクシヴ》がメインヴァンガードとなる。
そして、救世主たる者に力を与える「メサイア」―――。
《ロイヤルパラディン》を使用。《ブラスター・ブレード》の名称を持つ新たなグレード3《ブラスター・ブレード・エクシード》を中心としたデッキであり、登場前後に発売したレジェンドデッキ『The Blaster “Aichi Sendou”』がこの時のアイチデッキの再現となっている。
ブラスター・ブレード系カードがアイチのデッキのメイングレード3となるのは1期ラスト以来であり、今までグレード3として登場していた「アルフレッド」や「ソウルセイバー」はGユニットとして登場する。
アニメ第1期と同じく≪ロイヤルパラディン≫で構成されたデッキを使用する。
戦術や、物語とアイチの象徴であるユニット『ブラスター・ブレード』が必ず入っている点もアニメと同様。ただし、漫画版オリジナルのユニットも多数デッキに入っており、逆にアニメでは馴染みの深い『騎士王 アルフレッド』『孤高の騎士 ガンスロッド』といったユニットはいない。
アニメ第1期終盤で活躍を見せた『アルフレッド・アーリー』は漫画版が初出。また、アニメ第3期終盤で同じく活躍した『解放者 モナークサンクチュアリ・アルフレッド』は、漫画版の『モナークサンクチュアリ・アルフレッド』が元となっている。
アニメ第2期に当たるエピソードが漫画版には存在しない(アジアサーキットに参加している描写自体はある)ため、使用クランの変更はなく、一貫して≪ロイヤルパラディン≫であるようだ。
高校生編終盤では漫画オリジナルの『アークセイバー・ドラゴン』を切り札として使用、伊吹コウジとの戦いでは空になった盤面から怒涛の展開で勝敗を決した。
この『アークセイバー・ドラゴン』は初登場時はGユニットへの超越と類似した言い回しがあったが、後にカード化した際に通常のグレード4となり、漫画での扱いも同様となる。
アニメ本編で勝敗がはっきり描かれている対戦成績のみを挙げる。
通算戦績は、56戦39勝17敗(第163話公開現在)。(T)はタッグファイトを示す。
対戦相手 | 勝敗数 | 話数 |
櫂トシキ | 2勝2敗 | ○第1話-第2話 ●第67話 ●第153話-第154話 ○第162話-第163話 |
森川カツミ | 2勝1敗 | ○第3話 ●第51話 ○第112話 |
戸倉ミサキ | 0勝3敗 | ●第4話 ●第24話 ●第109話 |
葛木カムイ | 4勝2敗 | ●第5話 ●第12話-第13話 ○第68話 ○第86話 ○第92話 ○第151話 |
コーリン | 3勝1敗 | ●第6話 ○第43話 ○第92話 ○第157話 |
岸田オサム | 1勝0敗 | ○第8話 |
井崎ユウタ | 2勝0敗 | ○第9話 ○第121話 |
ニンジャマスターM | 1勝0敗 | ○第10話-第11話 |
大文字ゴウキ | 2勝1敗 | ●第14話 ○第21話-第22話 ○第78話 |
黒沢ヒカル | 1勝0敗 | ○第16話-第17話 |
龍堂グンジ | 2勝1敗 | ●第27話-第28話 ○第45話 ○第95話 |
新城テツ | 0勝1敗 | ●第31話-第32話 |
臼井ユリ | 0勝1敗 | ●第34話 |
三和タイシ | 1勝0敗 | ○第38話 |
パルファン | 1勝0敗 | ○第40話 |
矢作キョウ | 1勝0敗 | ○第41話-第42話 |
美童キリヤ | 1勝0敗 | ○第48話 |
光定ケンジ | 1勝0敗 | ○第55話-第56話 |
雀ヶ森レン | 1勝2敗 | ○第63話-第64話‐第65話 ●第80話-第81話 ●第123話-第124話 |
ジャック | 1勝0敗 | ○第71話-第72話 |
クリスタル | 1勝0敗 | ○第73話 |
クリストファー・ロウ | 2勝1敗 | ●第74話-第75話-第76話 ○第100話 ○第105話 |
キジカ | 1勝0敗 | ○第79話 |
テレンス・ラウ | 1勝0敗 | ○第87話-第88話(T) |
蒼龍レオン | 1勝1敗 | ●第90話-第91話(T) ○第103話-第104話 |
六月ジュン | 1勝0敗 | ○第97話 |
石田ナオキ | 2勝0敗 | ○第105話 ○第126話 |
金剛イッキ | 1勝0敗 | ○第108話 |
立凪レッカ | 1勝0敗 | ○第115話 |
立凪タクト | 1勝0敗 | ○第160話-第161話 |
ホビーアニメの主人公、とりわけTCGをテーマにした作品の主人公というのは(例外もあるが)往々にして「熱血漢で負け知らず」というキャラクターがセオリーであった。
しかし、それとは真逆をいったのが彼である。第1期での勝率は、負け越し先行を挟みつつ6割。ホビーアニメの主人公としてはかなり悪く、主人公補正は殆ど効かないなども含めて非常に稀な例である(なお、少し前には同じTCGアニメで負け続ける主人公に天尾翔(『ライブオンCARDLIVER翔』)がいた。監督も本作と同じく辻初樹が担当していた)。
もちろんアイチが負けてしまうのにも理由があり(デッキに「グレード3」のカードが無い、あっても1枚しか無いなど)、ヴァンガードファイトをしたことも無い初心者が常勝する事などあり得ないというリアルを表している。
だが、徐々に新しいカードをデッキに加え、ヴァンガードファイトを重ねる度に成長していく主人公にカタルシス(ここ一番の勝負で勝った時の快感)を得るための演出と思えば、熱血漢で負け知らずの主人公が絶体絶命の危機を機転を利かせて逆転していく流れに等しい、熱い展開が待っているだろう。まるでヒロインのようなか弱い主人公が少しずつ力をつけて勝ち上がっていく姿、負け続けても「楽しかったです!」と健闘をたたえる健気さに、ペロペロ願望を増大させた大きなお友達心打たれた視聴者は少なくないはずだ。
なお、リンクジョーカー編では“Я”櫂に一度敗北し心身ともに危険な状態に陥り、劇場版「ネオンメサイア」では伊吹コウジに敗北しブラスター・ブレードを失うなど、成長してからも大一番で負けるイメージがある。
闇アイチとは、PSYクオリアの力に溺れ、闇に堕ちた先導アイチのことである。
ことの始まりは第39話、地区大会でチームフレグランス相手に「すごい能力ですね(笑)」と言い放ったことに起因する。
それまでの気が弱くも心優しいアイチらしからぬこの強気な発言と、カードの声が聞こえるという感覚があったため最初は「病みアイチ」と言われていた。
しかし、地区大会決勝にて矢作キョウ相手に「あなたは負けますよ」、「僕はこのカードを使ってあなたに勝ちます」と言い放ち、更にはファイナルターンを宣言。そのターンと、指定したカードのユニットでトドメを刺し、本当に勝利してしまう。目を妖しく光らせ雀ヶ森レンのオーラを纏わせたアイチに、キョウや他の相手チームメイトは恐れ慄き、Q4のメンバーや観客も困惑した。ウルトラレアのスイコはここで、PSYクオリアだと断言している。
これによりアイチは自分は強くなったと意識するようになるが、それがレンと同じ力によるもので仮初の思い込みに過ぎないと知る櫂トシキには、「お前は弱くなった」と否定された上にチームQ4を離脱され、大きなショックを受けてしまう。
その後、カードショップPSYを訪れた時、現れたレンに「櫂くんに認められたい」という思いにつけ込まれ、「もっと強くなればいいのです」「これは君に強さを与える」という甘言に乗せられるまま、櫂にもらった『ブラスター・ブレード』が入った《ロイヤルパラディン》デッキを捨て、対となる『ブラスター・ダーク』の入った《シャドウパラディン》デッキを受け取ってしまう。
こうしてアイチは完全に闇堕ちして、ブラスター・ダークを「僕の分身」と呼び、PSYクオリアの力をためらいなく使うようになった。この頃にはもう、視聴者の間で「闇アイチ」の呼称が定着していた。
発言もファイトにおいては初期の雰囲気は無くなり、話が進むにつれて相手チームだけではなく、同じチームのミサキやカムイすら見下す尊大な態度をとるようになってしまった。
しかしアイチの根底にあるのはあくまでも「強くなって櫂くんに認められたい」という思いである。
(未だ謎があり、現時点での断定は難しいが)アニメでのPSYクオリアは、より強さを追い求める気持ちが高じた結果、歪んだ形で発現してしまう能力という印象が強い。
そして、第49~50話にてついに全ての元凶である櫂がアイチとのファイトを買って出る。壮絶な戦いの末、クレイの大地のイメージの中でアイチに真の強さとは何たるかを『ブラスター・ブレード』と共に説き、アイチの目を覚ましたことで、アイチは元の心優しい性格を取り戻し、同時にロイヤルパラディン使いとしても復帰した。
全国大会決勝雀ヶ森レンとの大将戦では、PSYクオリアを使わないことを決意するが、レンの櫂への侮辱に激昂し、PSYクオリアが発動、再び闇アイチへと変貌してしまう。
櫂の必死の呼びかけで力を抑え込むも、「本当の自分」とはどちらなのか思い悩むアイチ。彼が出した答えは、力に溺れてしまう自分、それが嫌だと思う自分──どちらも本当の自分であること、対立するはずの二つを認めてこそ、本当の強さなのだということ。
アイチはその証明でもある光と影の騎士『マジェスティ・ロードブラスター』にライドしてレンを打ち破った。
ちなみにPSYクオリアの力を使う度に、ファイト後に気を失ったり、頭痛を覚えることがある。これはレンと違い、アイチは能力が発現してからの日が浅く、まだ力を制御しきれていないために生じる副作用のようなものと思われる。だが、これについても真偽は定かではない。
なお「闇○○」という呼称は、おそらく遊戯王の「闇遊戯」「闇バクラ」といった第2の人格に由来する。もっともアイチの場合は、第2の人格が発現したわけではない。
【 『先導アイチ』でもっと探す 】
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最終更新:2025/01/09(木) 22:00
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