ロボットアニメとは、アニメにおけるジャンル分けのひとつである。
まずは「ロボット」という言葉だが、1921年チェコ・スロヴァキアの劇作家カレル・チャペックの戯曲「R.U.R」で誕生したと言われている。語源はチェコ語で「労働」を意味する「robota」からで、着想は魔法で動く泥人形「ゴーレム」から得たというのが定説。「R.U.R」でのロボットはいわゆる機械ではなく、遺伝子操作によって作られる人造人間だった。
1950年にはアイザック・アシモフが自身の著書にて「ロボット工学三原則」を掲げる。これは「R.U.R」のロボットや1818年「フランケンシュタイン あるいは現代のプロメテウス」の怪物のような、『創造主に反乱する被造物』にという設定に、大きな波紋を生み出した。
1952年、手塚治虫により「鉄腕アトム」が連載開始。そして61年、手塚は虫プロダクションを設立、63年に鉄腕アトムがアニメ化される。鉄腕アトムがロボットアニメの記念すべき第一作となる。ちなみに虫プロダクションには富野由悠季、高橋良輔も在籍していた。
手塚治虫:代表作『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』『どろろ』
富野由悠季:代表作『機動戦士ガンダム』『伝説巨神イデオン』『OVERMANキングゲイナー』
高橋良輔:代表作『太陽の牙ダグラム』『装甲騎兵ボトムズ』『蒼き流星SPTレイズナー』
1956年、横山光輝により「鉄人28号」が連載開始。ラジオドラマ、実写ドラマを経て、63年にアニメ化される。鉄腕アトムが完全自立型ロボットであるのに対し、巨大ロボット、操縦者がいる、良いも悪いもリモコン次第など、後のロボットアニメに多大な影響を残すことになる。
横山光輝:代表作『鉄人28号』『三国志』『ジャイアントロボ』
1972年、永井豪原作の「マジンガーZ」が誕生。マジンガーZでパイロットがロボットに搭乗する、ロボットに多くの超兵器が内蔵されている(その中で特に有名なのが、言うまでもなくロケットパンチ)、主役ロボット以外の女性型ロボットやコメディ型ロボットの登場、追加パーツや弱点克服のパワーアップイベント、タイトなスケジュールでのロボット修理など、歴史に名を刻む多くの偉業を行う。またマジンガーZの主題歌により「スーパーロボット」という語が世に広まる。
永井豪:代表作『マジンガーZ』『キューティーハニー』『デビルマン』
1974年、永井豪・石川賢合作の「ゲッターロボ」が誕生。ゲッターロボは、3機の小型戦闘機にそれぞれパイロットが乗り込み合体して巨大ロボットになる、合体の仕方でロボットが変わる、という所謂変形合体ロボットの祖である。この変形、合体要素が後のロボットアニメ業界にどれだけ影響を及ぼしたのか、語るまでもない。
石川賢:代表作『ゲッターロボ・サーガ』『虚無戦記』『魔獣戦線』
『鉄人28号』『マジンガーZ』『ゲッターロボ』のヒットにより、ロボットアニメは一躍人気アニメジャンルに発展した。75~85年前後のロボットアニメは当時の流行を取り込みつつ、物語としての成長を見せつつ、多種多様な要素を掛けあわせたロボットが世に多く出ることになる。
1975年、富野由悠季(当時、富野喜幸)監督により「勇者ライディーン」が放送開始。ライディーンの革新的な要素として、造られたのが1万2千年前の古代ムー大陸、左右非対称のロボットデザイン、ロボットが搭乗者を選ぶ、線の細い美形主人公及び仮面を外したら美形のライバルキャラなどなど。特に美形主人公及びライバルは女性人気も集めた。途中富野監督が降板し、長浜忠夫が監督として登板し、富野は長浜の下で多くのことを学んだと後に述懐している。また本作の大ファンであったという出渕裕が後にライディーンのオマージュとしてラーゼフォンを世に出している。余談だが、なぜかロボットアニメにおいて”とても長い年月”を示すのに1万2千年という数値がしばしば使われる。
長浜忠夫:代表作『巨人の星』『長浜ロマンロボシリーズ』(後述)『ベルサイユのばら』(途中降板)
出渕裕:代表作『機動警察パトレイバー』(メカデザイン)『ラーゼフォン』(監督)
1976年、長浜忠夫監督により『超電磁ロボ コン・バトラーV』が放送開始。また77年『超電磁マシーン ボルテスⅤ』、78年『闘将ダイモス』が放送。後に言う「長浜ロマンロボシリーズ」である(79年の『未来ロボ ダルタニアス』を含める場合もある)。長浜は、コン・バトラーVでは主役ロボのパイロットが5人で5体合体(うち一人が女の子)、ボルテスⅤでは主人公たちとライバルキャラが実は異母兄弟であるという設定、ダイモスではロボットアニメ版ロミオとジュリエットをやるなど、良く言えば王道、悪く言えば大同小異のロボットアニメ業界に、その深みのあるストーリー性とドラマチックな演出をもたらした。またダイモスは主人公が空手の達人という設定を受け、ロボットがパイロットの動きをトレースする操縦機構が導入される。余談だがコン・バトラーのヒロイン南原ちずるはアニメ史上初シャワーシーンを披露した(しかも複数回)。
1977年、日本サンライズ(現:サンライズ)初の自社制作番組として『無敵超人ザンボット3』(富野喜幸監督)が放送開始。また78年には同じく『無敵鋼人ダイターン3』が放送開始。ザンボット3は所謂「皆殺しの富野」の原点と言われる作品で、明朗快活としたネーミングやメカデザインとは真逆のあまりに陰鬱とした内容が特徴。ダイターン3では一転、徹底的に明るくコメディ要素も強いが、どこか影のある作風が特徴で、制作コンセプトは「ロボットアニメに仮面ライダーの要素を盛り込んだモノ」だったそうな。
1979年、富野喜幸監督により『機動戦士ガンダム』が放送開始。ガンダムが世に与えた影響は筆舌に尽くし難く、あえてロボットアニメ業界に限定して言うならば、ロボットを一兵器として扱った点と、人間同士の戦争、そしてそれに翻弄される少年たちを主人公にした点である。この作風はマジンガーZの「スーパーロボット」に対して、「リアルロボット」と後に呼称されるようになる。ガンダムはおもちゃの不振で放送短縮の憂き目にあうが、翌1980年に放送開始された『無敵ロボトライダーG7』はおもちゃもヒットし、さらに翌1981年には『最強ロボダイオージャ』も制作された。
1981年、高橋良輔監督により『太陽の牙ダグラム』(神田武幸と共同監督)が放送開始される。タカラから発売されたプラモデルの大ヒットにより放送延長を果たし、6クール全75話の放送を完遂した。1983年には『装甲騎兵ボトムズ』が放送開始。ガンダムに比べてより徹底した「リアル路線」が特徴。ダグラムは「戦争アニメではなく政治アニメ」と呼ばれ、またボトムズではガンダムではまだ残っていた「主役ロボの絶対性」すら廃された。
1982年、富野由悠季(このあたりで喜幸から由悠季に改名)監督により『戦闘メカ ザブングル』が放送開始。ガンダムからのメインスポンサーであったクローバーに加え、バンダイもスポンサーとして参入。多くのプラモデルが商品展開された。本作では2号メカ(主人公が物語の途中で別の機体に乗り換える)が初採用された。翌1983年、同じく富野監督により『聖戦士ダンバイン』が放送開始。本作はファンタジーロボットの走りとなる。前作と同じWスポンサーであったが、放送中にクローバーが倒産するという悲劇に見舞われた。
1983年、スタジオぬえ原作『超時空要塞マクロス』が放送開始。84年には同作の劇場版「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」が公開される。男女の恋愛、歌を始めとした文化、実在する兵器の延長線上としてのロボット兵器など、従来のリアル系ロボットアニメと一線を引いた作風が特徴。主役メカ・バルキリーがトムキャット風のリアルな戦闘機から人型ロボットへ変形する事、中間形態「ガウォーク」の存在、玩具でもそれらが再現できることも大きな衝撃を与えた。またヒロインのリン・ミンメイはバーチャルアイドルの先駆けとなり、楽曲がオリコンチャートにランクインするなどの快挙を果たす。本作のスタッフとして、メカデザインとして河森正治、平野俊弘(現:俊貴)、キャラクターデザインとして美樹本晴彦、脚本として大野木寛、演出として山賀博之、原画として板野一郎、庵野秀明、貞本義行など当時20代以下の、2012年現在では名の知れたスタッフが多く参加している。中でも河森正治は劇場版では共同監督に抜擢され、現在でもマクロスシリーズ総監督を務める。
河森正治:代表作『超時空要塞マクロス』(メカデザイン、演出、脚本他)『創聖のアクエリオン』(監督)AIBO(デザイン)
平野俊貴:代表作『超時空要塞マクロス』(原画、作監)『戦え!!イクサー1』(監督)『魔法騎士レイアース』(監督)
美樹本晴彦:代表作『超時空要塞マクロス』(キャラデザ、作監)『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』(キャラデザ)
大野木寛:代表作『超時空要塞マクロス』『交響詩篇エウレカセブン』『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』
山賀博之:代表作『王立宇宙軍 オネアミスの翼』(監督、脚本)『トップをねらえ!』(脚本)
板野一郎:代表作『機動戦士ガンダム』『伝説巨神イデオン』『超時空要塞マクロス』(メカ作監)
庵野秀明:代表作『ふしぎの海のナディア』『新世紀エヴァンゲリオン』『彼氏彼女の事情』(監督)
貞本義行:代表作『ふしぎの海のナディア』(キャラデザ、作監)『新世紀エヴァンゲリオン』(キャラデザ、漫画)
1983年に発売されたファミリーコンピュータは、1985年にはもはや社会現象とも呼べるほどの爆発的ヒットを巻き起こした。この事実がロボットアニメにも深刻な打撃を与えていく。「少子化」により高額なおもちゃの売上が鈍り、いわゆるスーパーロボットが激減した80年代前半であったが、これに加え男の子のお小遣いがゲームに取られ、プラモデルの売上も急激に低下していく。
1984年の『重戦機エルガイム』(富野由悠季監督)は1年間の放送を完遂したものの、『機甲界ガリアン』(高橋良輔監督)はプラモデルの販売不振により放送を半年で打ち切られてしまう。1985年にガンダムの続編として『機動戦士Ζガンダム』を放送開始するが、バンダイの期待ほどの売上は残せなかった(目標が高すぎた)。翌1986年にはさらにその続編の『機動戦士ガンダムZZ』を放送開始するが、売上不振はさらに深刻なものとなった。
Zガンダムと同年の1985年には、バンダイがスポンサーとなり『蒼き流星SPTレイズナー』(高橋良輔監督)が放送開始された。共同スポンサーに三洋電機を迎えるなど新たな試みもあり、高視聴率を記録した。しかし不祥事に伴い三洋電機がスポンサーを降板すると、プラモデルの販売不振もあって番組はあえなく打ち切られた。また、葦プロダクション(現:プロダクションリード)制作の『超獣機神ダンクーガ』も放送されているが、こちらも打ち切りで終わっている。
1987年に神田武幸監督(『銀河漂流バイファム』『超力ロボガラット』)を迎えて『機甲戦記ドラグナー』が放送開始されるが、一年間の放送は完遂したもののバンダイスポンサーによるリアルロボットアニメはこの作品をもって一旦終了した。
『マジンガーZ』『ゲッターロボ』『ガンダム』をリアルタイムで視聴していた子供が成人するようになってくる。そのため”純粋に子供向けの作品”か、また”ある程度の年齢でも通用する作品”かに作風が二分化されていく。これにはアニメの提供ラインがTVの他に、OVAでのリリースが増えたことにも一因がある。
また「リアルロボット」ブームも一段落し、漫画やアニメの主流はいわゆる超人バトル物へ変化して、商業面においてもファミコンを始めとする家庭用ゲーム機の台頭もあり、徐々にロボットアニメ業界は新たな流れを模索し始めるようになっていく。新規獲得問題や客層の先鋭化の危惧、お約束のマンネリ化など、現在にも尾を引く多くの課題がこの頃から次第に認識されるようになってくる。
1985年、『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』が放送。アメリカで作成されたアニメだが、日本でのアニメ放送の経緯は当該項目参照のこと。既存の車両などがロボットに変形、海外制作ならではの独特さ、さらにはネタの領域にまで達する不安定さがファンを獲得する。以後、この世界観の延長線上にある続編アニメが4作放映され、1作がビデオアニメとして制作された。
1987年、平野俊貴監督により『破邪大星ダンガイオー』がOVAで発売。本作は80年台のリアルロボットブームの中で、70年台のスーパーロボットを懐かしむ若手クリエイターにより作られた。そのため頭から若年層をターゲットから切り捨てられている。スーパーロボットのパロディが多く散りばめられているのも特徴。なお本作の主人公(女)は主役ロボのメインパイロットではなくなり(合体の掛け声担当)、パイロットの男女比が男1、女3となる。
1988年、サンライズより『魔神英雄伝ワタル』が放送開始。主人公が初登場時9歳の小学生という超子供路線を打ち出す。本作のメインターゲット層である子供たちは、自分とさほど変わらない少年主人公が活躍する話に大いに胸を躍らせた。以降子供向けアニメでは10歳前後の小学生が主人公を担う作品が定番化する。また当時SDガンダムが人気であった背景から、2頭身ロボが採用され、これも人気を博す。
1988年、ヘッドギア原作の『機動警察パトレイバー』がOVAで発売され大ヒット。ある意味究極のリアルロボットで、ロボットアニメ的なお約束が一切通じない作風であった。本作は劇場版製作後、89年にTVアニメ化、さらにTV版の続きをOVAで発売。さらに劇場版を2作が制作されるなど大ヒットを飛ばす。
ヘッドギア:ゆうきまさみ(原案、漫画)、出渕裕(メカデザ)、高田明美(キャラデザ)、伊藤和典(脚本)、押井守(監督)からなる、パトレイバーのために結成されたチーム。
1988年、『冥王計画ゼオライマー』がOVAで発売。原作は83年連載開始のちみもりを原作の成人漫画であった。もはやロボットアニメにメディアの境は存在しなくなりつつあった。ロボットアニメ史上過去にない外道&チート主人公は良くも悪くも伝説の域。そして可変ヒロインはどう考えても悪い意味で伝説の域。
1988年、岡田斗司夫原作、庵野秀明監督により『トップをねらえ!』がOVAで発売。これを見ずにロボットアニメを語ることはできない。
1989年、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』が放映。背景の一部(コロニーの外観など)に3DCGが使用される。
1990年、『勇者エクスカイザー』が放送開始。後に言う『勇者シリーズ』の第一作である。勇者シリーズでは、直前まで展開されていたトランスフォーマーの「車両や飛行機が変形・合体する」というコンセプトを受け継ぎ、それらによるダイナミックな合体が最大の魅力。また合体ロボットと合体ロボットがさらに合体する通称『グレート合体』、剣による必殺技を持つロボットが剣を構えた際の独特のポーズとアングルを指す『勇者パース』(考案:大張正己)、ロボと少年の友情など、少年の心に熱い心を埋め込んだ。
大張正己:代表作『超獣機神ダンクーガ』(メカデザイン、作監)、『超重神グラヴィオン』(監督)『スーパーロボット大戦OG ジ・インスペクター』(監督、脚本、演出、作監、メカデザ、原画、絵コンテ)
1991年、『絶対無敵ライジンオー』が放送開始。後に言う『エルドランシリーズ』の第一作である。勇者シリーズとの差別化として、本シリーズはより子供たちを全面に出し、ロボットに乗るのはいずれも子供で、ロボットの格納場所が小学校だったり、小学校がそのままロボットになったりした。
1991年、ゲーム『スーパーロボット大戦』がゲームボーイで発売。当初はコンパチヒーローシリーズの一作という扱いだった。同年『第二次スーパーロボット大戦』がファミコンで発売。バンプレストオリジナル世界を構成しつつ、現在に至るまでロボットアニメ界の一つの柱として、スパロボシリーズは大きな貢献をしていくことになる。
1995年、庵野秀明監督により『新世紀エヴァンゲリオン』が放送開始。思春期の少年少女の情動に深く切り込んだ本作は、「伏線の回収を放棄している」とまで言われるほど、視聴者を置いてけぼりにする賛否両論な作品。良くも悪くもアニメ界に新たな旋風を巻き起こし社会現象まで引き起こした。以降ロボットアニメに限らず「ポストエヴァ」と呼ばれるエヴァの二番煎じ影響を受けた作品が多数登場する。
1996年、『機動戦艦ナデシコ』が放送開始。表面的には萌えを前面に押し出してはいるが、裏では割とハードなSFが展開され、過去のロボットアニメのパロディも多く、未だに根強い人気を誇る作品となる。
1997年、『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』が放送開始。第一作と同じく海外で制作されたアニメを日本語で吹き替えた作品。世界初フルCGロボットバトルアニメーションシリーズ作品と言われる。なお前作では車両などの乗り物に変形していたが、今作では動物に「変身」する。
1999年、『機獣新世紀ZOIDS』が放送開始。人型ではなく、獣型、恐竜型のロボット”ゾイド”が登場する異色の作品。ゾイド及びゾイドによる戦闘は3DCGで描かれ、多くの視聴者の心を掴む。
それまでの家庭用ゲームの流行に対しては、互いに要素を取り込み合う形で様々な路線を探っていたロボットアニメ業界であったが、90年台には爆発的ヒットを記録した『ポケットモンスター』の収集、育成、戦闘、交換を全面に押し出したゲームや、『遊戯王』を始めとするトレーディングカードゲームの発展によりあっという間に少年達の興味は移り、2000年代以降はロボットアニメ冬の時代となる。
いつしかゴールデンでのアニメ放送本数は激減し、その少ない枠を少年誌系や幼児向けアニメに占められてしまい、ロボットアニメは深夜帯での放送を余儀なくされる。その結果、ロボットアニメはますますマニア向けの色合いを濃くしていき、子供向けロボットアニメはもはや絶滅危惧種である。一方、ゲーム『スーパーロボット大戦』の発展とファンの定着もあり、オリジナル要素のアニメ化や、スパロボをキッカケにしてのリバイバルなども行われるようになる。が、完全新作となるものは減少傾向にある。
2001年、『マジンカイザー』がOVAで発売。マジンカイザーは当初、スーパーロボット大戦における真ゲッターの対抗馬として考案された存在であるが、それが単発映像化となる。2003年には続編『マジンカイザー 死闘!暗黒大将軍』も発売された。
2002年、賀東招二原作の『フルメタル・パニック!』が放送。原作は1998年連載開始のライトノベル。学園ラブコメ要素とミリタリーの要素も盛り込まれ、多くのファンを獲得する。
賀東招二:『涼宮ハルヒの憂鬱』『らき☆すた』『氷菓』(脚本、シリーズ構成)
2005年、『ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU』が放送。放送終了からしばらく経った2007年には『獣装機攻ダンクーガノヴァ』『鋼鉄神ジーグ』『REIDEEN』『GR -GIANT ROBO-』など過去作のリメイク・続編の制作が相次いだ。しかしガイキングLODは、序盤が土曜昼11時/中盤以降は日曜朝6時半から関東のみでの放送、ダンクーガノヴァはアニマックス、鋼鉄神ジーグとREIDEENはWOWOWスクランブル、GRはオンデマンド配信……と、どれもDVD化や地方局での再放送などはされているものの、過去作ほど多くの人の目に触れる媒体での発表ではなかったといえる。
2005年、谷口悟朗監督により『ガン×ソード』が放送。2006年には『コードギアス 反逆のルルーシュ』、2008年『コードギアス 反逆のルルーシュR2』が放送。コードギアスはロボットアニメファンではない層にも大ヒットとなる。
谷口悟朗:『エルドランシリーズ』『勇者シリーズ』(絵コンテ、演出)、『無限のリヴァイアス』『スクライド』(監督)
2005年、河森正治監督により『創聖のアクエリオン』が放送。スーパーロボットであろうとも何かしら科学的理由付けがされるようになっていた当時、視聴者の度肝を抜くトンデモ必殺技を数多く披露する(特に有名なのが無限拳)。2012年、続編となる『アクエリオンEVOL』が放送。
2005年、『交響詩篇エウレカセブン』が放送開始。この時代には珍しく、日曜朝7時からの放送で全50話が放送される。
2007年、『天元突破グレンラガン』が放送。懐かしい70年代の熱いノリと問答無用の合体が多くのロボットファンに大ヒット。一方でそのあからさますぎるオマージュやパロディ(もしくはそれを王道と呼ぶファン)に厳しい目を向けるファンの姿もあった。
同じく2007年、『装甲騎兵ボトムズ』シリーズの新作であるOVA『ペールゼン・ファイルズ』のリリースが開始。このあと2010年から、『幻影篇』『孤影再び』といった新作OVAもリリースされた。また外伝である『Case;IRVINE』や派生作品『ファインダー』も登場するなど、(その是非はともかく)ボトムズシリーズに新しい動きが見られるようになった。
近年はテレビシリーズでも3DCGを利用してロボットを表現するアニメが増えている。2007年以降では、『REIDEEN』『機神大戦ギガンティック・フォーミュラ』『マクロスF』『鉄のラインバレル』『VIPER'S CREED』『バスカッシュ!』『SDガンダム三国伝 Brave Battle Warriors』『ダンボール戦機』『輪廻のラグランジェ』『アクエリオンEVOL』『トータル・イクリプス』『超速変形ジャイロゼッター』など、多くのアニメがロボットの表現に3DCGを利用して、手書きでは難しい密度のあるデザインや表現を活かした作品を制作している。
こうした3DCGが当たり前になる一方で、あくまで手描きにこだわる姿勢を見せるロボットアニメもある。2009年にリリースが開始されたOVA『異世界の聖機師物語』は原作・総監修の梶島正樹が「ロボットは手描き」を主張し、実際に作中の巨大ロボット類は全て手描きで表現されていた。2010年から2011年に全6章構成で公開された映画『ブレイク ブレイド』も3DCGでは劇中の石英製ロボット・ゴゥレムの細かな破損を表現できないとし、手描きにこだわったことで好評を得た。2010年のほぼ同時期に放送が始まった『STAR DRIVER 輝きのタクト』と『スーパーロボット大戦OG ジ・インスペクター』は、いずれもテレビアニメではあるがロボットに関しては手描きであり、3DCGでは真似しづらいデフォルメ表現を多用。熱心なファンを喜ばせた。
2010年代以降になってもロボットアニメ全体の状況には大きな好転はないものの、それでも定期的に作品は制作され続けており、衰退したと言われつつも未だ大きい勢力のジャンルであると言える。
しかしそれは古くからの固定層によって支えられている現状も引き続き認識されており、2010年代に入ってから新規層の獲得を主な目的とした子供向けロボットアニメと呼べる作品が作られる流れがいくつか発生してきている。
2011年、アニメ『ダンボール戦機』が放送開始。子供達が手のひらサイズのロボット・LBXを操り、LBXを悪用する謎の組織と戦うというホビーアニメらしさが目立つ設定が特徴。ゲームとアニメと漫画、そしてプラモデルのメディアミックスという大型企画で、いずれもヒットを記録。多くの小学生がプラモデルを買うという近年では非常に珍しい光景を生んだ。大人のロボットアニメファンにも、3DCGのロボットが派手な必殺技の応酬を繰り広げる描写が好評のようである。続編として2012年に『ダンボール戦機W』が放送され、2013年からは『ダンボール戦機WARS』が放送されている他、欧米での展開も発表されている。
2012年、アメリカで製作されたトランスフォーマーシリーズの最新作『超ロボット生命体 トランスフォーマー プライム』(原題『Transformers Prime』)が日本国内でも放送開始となった。フル3DCGで描かれる本作は、アメリカではシーズン3(第53話から第68話)のアフレコ終了も報じられており、今後の国内での展開が期待される。
同じく2012年、アニメ『超速変形ジャイロゼッター』放送開始。スクウェアエニックス制作のアーケードゲームとのメディアミックス作品で、これもロボットに3DCGが使われている。自動車会社が協力しており、実在の車が劇中に登場していることでも注目されている。
その後新規層獲得の潮流は落ち着いていき、今現在の主流は引き続き既存客層へ向けた作品が多数を占めているものの、既に成熟を通り越しているロボットアニメの"お約束"としての「型」と現代の流行を様々な形で掛け合わせ、新しく現代のロボットアニメの形を模索し続ける流れは現在も大きな課題として存在し続けていると言える。
将来ロボットアニメ業界がどう変化していくのか。関連商品を多々買いながら見守っていきたいものである。
上記の歴史はいわば表の歴史。しかしロボットアニメの裏の世界を知ってみたいという人々に。
まずはこれを見て頂きたい。
動画タイトルからもわかると思うが、1:30あたり、主題歌の終わりに「グリコ、グリコ、グ~リ~コ~♪」と歌われている。言うまでもなくスポンサー名である。当時アニメのスポンサーはお菓子会社がメイン。文字通り主題歌に社名を入れるくらい。
時は少し進み、マジンガーZの時代。この頃になるとお菓子会社は子供向けの菓子から大人向けの高級な菓子へメイン商品をシフトしつつあり、アニメのメインスポンサーをする事が少なくなっていた。ここで一つの革命が起きる。玩具会社ポピーの『ジャンボマシンダー マジンガーZ』発売である。これは全高60cmの巨大なボディを持ち、多くのオプション武器を装備できる玩具で、これが少年達の心をわしづかみにした。そして更に『超合金 マジンガーZ』が登場する。ジャンボマシンダーとは対照的に小さいが、ずっしりと重い金属製のボディからロケットパンチを発射する玩具は、これも少年達の心をとりこにして爆発的なヒットとなる。これが玩具メーカーがロボットアニメのスポンサーとして名乗りをあげる契機となり、以降ロボットアニメの制作現場ではスポンサーである玩具メーカーの意向は決して無視できない要素となる。
スポンサーとしてはアニメの出来云々よりも何よりもまず、玩具の売れ行きが懸案事項なのは言うまでもない。放送中のアニメの玩具の売れ行きが芳しくなかったら、スポンサーはどういう行動を起こすのか。そう、テコ入れ、もしくは打ち切りである。
ではここでスポンサーのテコ入れ、もしくは打ち切りの結果、すごいことになったロボットアニメを紹介しよう。その名も『マジンガーZ』。先ほど”爆発的なヒット”と書いたマジンガーZそのものである。マジンガーZのTVアニメ最終回がどうなったか知っているだろうか。無敵を誇ったZがボロボロになり、完膚なきまでに叩きのめされるシーンを見たことがあるだろうか。見たことのない人のために↓
(これだけでは誤解を招くので補足しておくが、これは兜甲児とマジンガーZが仇敵・Dr.ヘルと最後の死闘を終えて数日も経たない内に襲撃を受けての戦いで、Zの修理も完全とは言いがたい状況だった。更に操縦者の兜甲児も大怪我を負っており、二重のバッドコンディションだったのだ。いかに無敵のマジンガーZといえども、こんな状態で機械獣以上の強敵と戦っては手も足も出ないのは当然の事と言える。閑話休題。)
そして颯爽と登場する戦闘のプロこと剣鉄也とグレートマジンガー。そう、このグレートマジンガーこそ、スポンサーのテコ入れの結果なのである。新たなマジンガーを登場させて、新しいジャンボマシンダーと新しい超合金を作りたいというポピーの意向で、マジンガーZは終了し、グレートマジンガーが開始されたのである。しかし、グレートは売り上げでも人気でも、Zに追いつく事はなかった。作劇のマズさも指摘されるが、それだけ甲児とZの人気が圧倒的だったという他ない。
ではマジンガーZと並び称される『ゲッターロボ』はどうなのか。当然のごとく玩具化された。と言うより、マジンガーZの商業的ヒットから「マジンガーZでこんなに売れたんだから、複数のロボット出せばもっと売れんじゃね?」的な発想から始まったのである。ゲッターのコンセプトはこうして生まれた。しかし結論から言うと、ゲッターロボはマジンガーZ程は売れなかった。それもそのはず、ゲッターロボの変形なぞ再現できるわけがない。
である。そしてそのアイデアが実行に移されたのが『勇者ライディーン』だった。超合金を開発したポピーの社員デザイナー・村上克司(後のバンダイ専務。「村上天皇」として知られる)が、ロボットが鳥になる変形機構を考案。それを取り入れてアニメーターの安彦良和がデザインしたのが、あのライディーンなのである。
村上克司:代表作『宇宙刑事ギャバン』他『スーパー戦隊』『メタルヒーロー』などヒーロー・玩具デザイン多数
安彦良和:代表作『機動戦士ガンダム』(キャラクターデザイン・作画監督)、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(漫画作品)、『巨神ゴーグ』(原作・監督・キャラクターデザイン・作画監督ほか)
こうして「まず玩具会社が玩具になるメカをデザインする」という、それまでとは真逆の方式が成立。次第に当たり前となっていく。これを苦々しく思うアニメスタッフも多かったらしく、アニメーターが後から勝手にロボットの顔にマスクを被せた、玩具会社が線が非常に多いロボデザインを押し付けたために通常の予算ではロボットを動かせないから某氏がうる星やつらの作画に行っちゃったなどの逸話があるほか、更には富野由悠季が自著で玩具メーカーからの要求が自身の鬱の一因になったととれる記述をしている。
だがその一方で、玩具デザインの先行により魅力的なアニメが生まれた事も事実である。
具体的に名前を挙げてみよう。鋼鉄ジーグを始めとするマグネロボシリーズはタカラの玩具「マグネモ」の販促アニメであった。マグネモは磁石で出来た関節を利用し、組み替え遊びが楽しめるという玩具だが、マグネロボ系のアニメ本編でも、バラバラのパーツが組み上がり巨大なロボットになる、腕や足を武器に付け替えるといった、玩具のイメージを生かした演出が多く見られた。
黄金戦士ゴールドライタンもそういった魅力を持つ傑作アニメの一つである。主役ロボットのゴールドライタンは、普段はライターと同じ大きさで、主人公の手のひらに乗って話をしたり、ライター状態で主人公のポケットに納まっていたりする。しかしいざというときには巨大化してロボットに変形し、悪を討つ。玩具も子供がポケットに入れられる、まさに劇中と同じ実際のライターサイズ。当時の子供が「大人の持ち物」として憧れたライターを玩具にして、同時に友達でありヒーローにするというアイデアは、おそらく玩具を作ったり売ったりする人間の視点がなければ、そう簡単には浮かばなかっただろう。
このように、玩具ありきで企画が進むロボットアニメには良い点と悪い点の両方があったといえる。
しかしガンダムのヒットで玩具以外にもう一つのメイン商品が登場した。それは本格的な模型としてのプラモデルである。
やや上の年代も視野に入れてスケールモデル的な要素を取り入れ、また比較的安価であったことも特徴だったが、当時の模型誌などで特集される流れなどに合わせて爆発的なヒットとなり、「ガンプラ」として現在まで商品展開が続くプラモデル分野最大の商品シリーズとなるにまで至っている。
ガンプラのヒット以降は様々なロボットアニメの商品展開の定番としてプラモデル化が行われるようになると、メカデザインにおいても立体化した際の見栄えや可動などを意識する流れが強まるようになり、骨格と呼べる内部フレーム構造や柔軟さを持たせた軟質素材、内部が透けるクリア素材などの様々な表現が開発され、また立体にも取り入れられている。これらの高密度化はプラモデルの質を年々向上させていったが、次第に開発のコストが増加し、価格帯の上昇にも繋がっている。
しかし家庭用ゲームやトレーディングカードの普及により、そんなロボットアニメの販促状況にも大きな転機が訪れることになる。
自ら操作して遊ぶことの出来るゲームというメディアにはロボットアニメ業界も敏感に反応し、初期の時代から数多くのロボットアニメを題材にしたゲームソフトが発売されていき、主にアクションやシミュレーションなどのジャンルにおいて「ロボットゲーム」とも呼ばれる一ジャンルを形成するようになっていく。『スーパーロボット大戦』シリーズなどでは過去のロボットアニメが再び注目を集めるきっかけになる場合もあり、アニメ側からもゲーム参戦による再販促効果を期待されている面すらあるほどである。
トレーディングカード分野においてもカードダスなど自動販売形式が確立し、それに乗って非常に多くのシリーズが展開されていった。例えばガンダムの一シリーズである『SDガンダム』ではカードダスを主流として商品展開が行われる物もあり、それらを含めて形成された新しい世代がいわゆる「平成ガンダム」の土台になるなど、アニメへ与えた影響も計り知れない物となった。
これらは既にブーム期に比べて大分落ち着きを見せつつあった模型・玩具分野とは強力な競合相手になったが、ロボットアニメ全体としては新たな商品展開手段として現在に至るまで共に活用され続けている。
その後カードに競技要素が追加されたトレーディングカードゲームの発展と普及が始まるようになる頃には、既にロボットジャンルは主流の座から外れてしまっていたため、ロボット自体が各種TCGの一要素として取り込まれるまでになっているが、それでも一部のロボット作品が独自のシリーズを展開している。
現在では一部の大作や話題作については模型やゲームなども含めた大規模な展開を、小規模作品においては映像・漫画を主とした形態を取るなど、ロボットアニメの商品展開も二極化の傾向を見せている。豊富な体力と素早い開発力を必要とする玩具・模型などの商品開発を行えるのはもはや限られたごく一部の企業のみとなっているという事情も大きく影響している。
現在「ロボットアニメ」というジャンルとして扱われる作品の多くは巨大人型ロボットを人間が何らかの手段で操縦して戦うアニメを指して扱われていることがほとんどであり、その他には作品内の定番描写などの長年積み重なった一種の"お約束"が自然とジャンルの条件のように用いられていることも多い。
そのため、人間キャラクターの比率が大きい・戦闘が少ないなどのそれらを比較的満たさない作品についてはジャンルの扱いが分かれることが多く「ロボットも出るアニメ」のような呼び方がされることもある。
しかし広義にはロボットの存在が作中の重要なファクターとして取り扱われている作品全般を指し、必ずしも巨大であったり、人間が操縦したり、戦ったりする必要があるわけではないため、本来もっと広い分野を内包するジャンルのはずなのである。
しかし現実にはロボットアニメ扱いされやすい・されにくい要素や雰囲気の作品というものが区別されている状態であり、それについてはロボットアニメというジャンルが広く拡散していると見る向きもある。
日本で発表されたすべてのロボットアニメを年代順に記します。この際ロボットアニメかどうか怪しい作品や、アニメじゃなくて漫画、ゲームも一緒に記述します。
ロボットアニメに関するニコニコ市場の商品を紹介してください。
掲示板
3437 ななしのよっしん
2024/12/22(日) 19:34:38 ID: +qx72VISt7
鉄腕アトムもやってて全話20時間一つの動画に繋げてておったまげた。
何でメカンダーロボのDVDBOX買った直後に無料配信するんですか・・・(泣)
3438 ななしのよっしん
2024/12/22(日) 20:19:45 ID: +qx72VISt7
面白い巨大ロボ漫画見つけた。
https://
3439 ななしのよっしん
2024/12/23(月) 08:07:18 ID: TkYYLq//jC
>>3438
善意のマッチポンプが今やってるシンカリオンと被ってるけど本当に面白いなこれ。自作自演ロボ、
つぎ来るのウェブ部門に来年あたりいれておくかな?
急上昇ワード改
最終更新:2024/12/23(月) 10:00
最終更新:2024/12/23(月) 10:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。