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グリスが油分離(離油)してしまう主な原因は、 増ちょう剤の網目構造から基油(油分) が分離することにあると考えられます。 グリス油分離の主な原因 重力の影響(保管時・静止時): グリスは半固体ですが、重力により徐々に基油が沈み込み、 分離して染み出します。 これは特に、塗布後や保管中に長時間静止している場合に起こりやすいです。 高温による劣化: グリスの耐熱温度(今回の場合は130℃)に近い、 またはそれを超える高温環境に晒されると、 基油の酸化劣化が進み、グリスの構造が変化して油分離を促進します。 せん断応力による構造破壊: 機械の稼働中に強いせん断力(かき混ぜられる力)が加わると、 基油を保持している増ちょう剤の網目構造が壊れ、 グリスが軟化して油分が分離しやすくなります。 グリスの選定や塗布方法: 使用箇所や環境に適さないグリスを選んだ場合、 または塗布量が多すぎたり、 空洞ができた場合に分離しやすくなることもあります。 1週間での油分離と夏の室温について 重力による分離の期間: グリスは性質上、静止している状態では 重力の影響で徐々に離油します。 わずかな分離であれば、 1週間という短期間でも十分に起こり得ます。 夏の室温(温度)の影響: 耐熱温度が130℃のグリスであれば、 通常の夏の室温(例えば30~40℃程度)で 熱による劣化が原因で急激に分離することは考えにくいです。 機械故障との関連: たとえ通常の離油であっても、 分離した油が軸受などの潤滑箇所から流れ落ちてしまうと、 潤滑不良を引き起こし、機械故障の原因となる可能性はあります。 今回のケースでは、「重力による通常の離油」が、 塗布した場所の形状や姿勢、グリスの量、 またはグリス自体の離油特性によって目立ちやすくなり、 結果として油垂れに至った可能性が考えられます。
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物理的ストレス 過度のせん断(高速攪拌): 強い力でグリスが練られ、増ちょう剤の構造が壊れる。 圧縮または長期静置: グリス自身の重みや圧力がかかり、基油が絞り出される。 熱的ストレス 高温: 基油の粘度が下がり、増ちょう剤の保持力も弱まることで分離が促進される。 化学的要因と不適合 異種グリスの混合: 異なる増ちょう剤が互いの構造を乱し、グリスの安定性を急激に低下させる。 溶剤や水の混入: 増ちょう剤のネットワークを化学的に破壊したり、弱体化させたりする。