青山美智子『月の立つ林で』について質問です。 p.20~21で主人公が庭で洗濯物を干していると、門扉が開き、祐樹が中に入ってきます。 しかし、その直後に「引き受けたなら責任持ちなさいよ」と主人公が電話口で怒ります。 また、「そして彼はあっさりと電話を切った」とあります。 庭に入ってきて対面して話してると思ったのに、電話と出てきて混乱しました。 どういうことでしょう？

こんばんは 庭で洗濯物を干している主人公のもとへ、門扉が開き祐樹が入ってくる場面が描かれます。 その直後、主人公が電話口で「引き受けたなら責任持ちなさいよ」と怒る場面が挿入され、さらに「彼はあっさりと電話を切った」と続くため、時系列に混乱を覚える読者もいるかもしれません。 実際には、ここで描かれている電話のやり取りは「昨夜」の出来事であり、現在の描写である庭での対面場面の中に、回想として差し挟まれています。 主人公は祐樹に対して「引き受けたなら責任を持ちなさい」と強く詰め寄りますが、祐樹はそれにまともに応じることなく、あっさりと電話を切る態度をとります。 このように、電話の場面は過去の出来事として挿入されており、現在描写との時間軸が前後している構成になっているのです。 結論として、庭での対面と電話のやり取りは同一時点の出来事ではなく、電話の場面は「昨夜」の回想として挿入されていると読むのが自然です。