[画像]岡田克也代表、2018年5月30日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
政権交代ある二大政党政治も、なかなか定着しないのですが、きょうは、岡田克也代表が、党首討論の持ち時間を放棄し、立憲民主党と国民民主党へと「あげたのではなく貸した」(岡田側近)配慮がありました。枝野幸男代表は初の討論の冒頭に「岡田代表から2分間譲ってもらった」とお礼をしました。
岡田さんの持ち時間3分を、枝野さんに2分譲り(貸し)、玉木さんに1分譲り(貸し)ました。
枝野さんは、志位さんに1分譲りました。
その岡田さんは、所属する外務委員会で、仮に6月7日(木)=あちら時間=に日米首脳会談があるなら、理事会(オブザーバー参加)ぐらいには話せと迫りました。岡田さんが条約承認案の審議に応じられないかもしれないと脅すと、河野太郎外相は「副大臣でも答弁できる」と不誠実な逆切れ。岡田さんが「外相時代に野党自民党がやったことを思い返せ」と反撃すると野党各党が賛同の声。さらに、「北方領土交渉をしっかりやれ!」と迫るなど、迫力がありました。枝野さんのお礼発言はすばらしいと感じました。
参議院本会議は趣旨説明だけで、衆議院は本会議定例日ではありませんから、きょうは可決した法案はありません。
当初の会期末まで残り3週間となりましたが、衆議院では、きょうが終わった時点で、政府提出16議案が審議入りすらできない異例の状況となっています。
【両院の国家基本政策委員会合同審査会 平成30年2018年5月30日(水)】
衆議院側の部屋で、佐藤勉さんが会長をつとめ、鉢呂吉雄参議院議員も陪席しました。
●枝野幸男代表初登場。
党首討論初登場の立憲民主党の枝野幸男代表は、上述の通り、岡田代表へのお礼から入り、学校法人森友学園の首相夫妻の関与について、辞任に言及した際の解釈について問いました。
●玉木雄一郎代表も初登場。
同じく初登場の国民民主党の玉木雄一郎代表は、アメリカの関税引き上げを問題師。自動車産業保護を念頭に「本当に同盟国と言えるのか」と激しい言葉で迫り、与野党ともシーンとしました。首相も「同盟国」発言を引き合いに出しながら、考え方に一致している部分があると強調しました。
日本共産党の志位和夫委員長は森友加計学園を追求。
維新の片山虎之助代表は、内閣人事局による霞が関幹部の官邸主導人事に警鐘を鳴らしました。
【衆議院外務委員会 同日】
上述の通り、岡田克也代表はいつも通り、外務委で質問。きょうは一般質疑で、「日露交渉だが、領土交渉はしっかりやるべきだ」と迫り、河野太郎外相は「日露の北方領土の問題は、長きにわたって未解決であり、日露の外相も変わったばかりなので、クリエイティブにやっていきたい」といつも通り、意味不明な答弁を繰り返しました。外務委のオブ理事(理事会に出席できる委員)である、岡田さんは、前夜の米大統領報道官のツイッター通りに、日米首脳会談があるのなら、せめて外務委員会の理事会には「前広(まえびろ)」に話すよう迫り、場合によっては、一つだけ審議入りしていない「オゾン層破壊物資に関するモントリオール議定書の改正の承認案」(196条約3号)の審議に応じられないと、迫りました。これに河野外相は「認証官である副大臣でも答弁できる」と応じたので、野党自民党のもと、岡田克也外相の経験談を話して反撃しました。
きょうは一般質疑だけで散会しています。
【衆議院経済産業委員会 同日】
「モントリオール議定書の改正の国内実施法案」(196閣法41号)が趣旨説明されました。
通例、外務委員会が「条約」(196条約3号)の審議入りをした後、国内実施法案は付託委員会で、同時並行で審議される「アンブレラ方式」がとられますが、今回は条約よりも先に国内実施法案が審議入りしました。
【衆議院文部科学委員会 同日】
●「オリンピック」の美名の下に議員立法「アンチドーピング」「2020年の祝日調整」「五輪の電波利用料免除」「スポーツの日」などが大量可決、今国会成立は確実。
議員立法4本が一気にできました。
自民党石川県連で清和会の馳浩さんが「アンチドーピング法案」(196衆法 号)について、「理念を定めて、政府に総合的な報告や基本指針を定めることを求める」としました。
「2020年東京オリ・パラ特措法及び2019年ラグビーW杯特措法などを改正する法律案」(196衆法 号)は、オリンピックの無線局の電波利用料を無料にする法案で、国の減収額は31億円を見積もるが必要な法案だとしました。この法案では、2020年に限った祝日の調整をはかる祝日法の改正条項も盛り込まれました。
公明党の浮島智子元文科政務官が、この後、2法案を説明。「スポーツ基本法改正案」(196衆法 号)で、公益財団法人日本体育協会を日本スポーツ協会の名称変更し、国民体育大会も国民スポーツ大会に名称変更するとしました。
「祝日法改正案」(196衆法 号)は、上述の2020年ではなく、恒久法として、「体育の日」を「スポーツの日」に名称変更するとしました。
採決では、馳さんが説明した2法案が、共産党反対、自公立国などの賛成多数で可決。
浮島さんが説明した2法案は、全会一致で可決すべきだと議決しました。今国会で成立の公算。
この後、一連の法案の説明に出てきた、「公益財団法人日本障がい者スポーツ協会」の例を挙げて、国の政府に対して、「障害者」の「害」の文字を、「障がい者」や「障碍者」にすることについて検討することを求める委員会決議を全会一致で採択しました。説明した野党筆頭理事の川内博史さんは「東アジア漢字文化圏でも日本だけが害の文字を使っており、この地域でリーダーシップを発揮できなくなっている」として、2020年パラリンピックよりも前の検討を求めました。
【衆議院国土交通委員会 同日】
●黒字鉄道会社(JR東日本など)の赤字路線の激甚災害指定の議員立法可決。
議員立法の「鉄道軌道整備法の改正案」(196衆法 号)が起草され全会一致で可決しました。提出者席には、与党から菅家一郎さんら、野党から小熊慎司さんら、福島県連議員が中心に座りました。菅家さんはこの法案を「黒字の鉄道会社の赤字路線には、災害時に激甚災害の国庫補助が受けられなくなっており、災害救済の観点からも激甚災害の対象にする改正案だ」と説明しました。
質疑に立った、共産党の宮本岳志さんが「先日視察した、JR東日本只見線のことだ」と明かし、2011年7月福島・新潟豪雨で被災した一部区間がいまだに不通だとし、賛成の意思を示しました。
審議にはありませんでしたが、震災により、三陸鉄道が復旧したのに、JR東日本の常磐線が一部不通のままであることをきっかけにした議員立法だと思われます。
【衆議院農林水産委員会 同日】
「農薬取締法改正案」(196閣法50号)が趣旨説明されました。
【衆議院厚生労働委員会 同日】
議長あっせんにより、先週、朝の理事会で、厚生労働省が訂正資料を配ったのに、その日のうちに採決した法案に対する補充質疑が、一般質疑としてありました。本会議上程の環境が整備されました。
【衆議院内閣委員会 同日】
「IRカジノ実施法案」(196閣法64号)の法案審査で、野党の質疑が初めて行われ、今後は参考人質疑をすることなどを決めて、散会しました。同日、辻元清美国対委員長は「50時間審議」を求めました。
【参議院本会議 同日】
前日に衆議院から送付された、「民法18歳成年法案」(196閣法55号)の趣旨説明と代表質問だけがありました。採決はありませんでした。
【参議院災害対策特別委員会 同日】
「災害救助法改正案」(196閣法65号)が小此木八郎大臣から趣旨説明。質疑は次回にして散会しました。
【参議院消費者問題に関する特別委員会 同日】
衆議院で答弁が混乱した福井照大臣が「消費者契約法改正案」(196閣法31号)を趣旨説明。ただちに質疑に入り、与党だけが質問して、きょうは散会しました。
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