宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「働き方改革法案」は頭を冷やして静かな衆議院通過で峠を越す、衆内閣委はIRカジノ実施法案」参考人質疑でていねいな審議

2018年05月31日 20時32分29秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[写真]数年前の6月4日、茱萸坂、上の左斜め前が首相官邸で、上の右側が衆議院の裏側・議員会館側、宮崎信行撮影。

 今年1月4日に安倍晋三首相が伊勢神宮で事前に設定した「働き方改革国会」というパラダイムが実現し、第196回国会は峠を越しました。参議院厚生労働委員会は一般質疑で地ならしをして、法案の受け入れ委の環境を整備しました。

 先週末はエキサイトしていた、働き方改革関連法案。辻元清美国対委員長の要望を大島理森議長が受けて、2日間延期されたことで、頭が冷えた感じで、混乱なく衆議院を通過しました。前夜のNHKクローズアップ現代に竹中平蔵さんが登場し、構造改革・規制緩和の延長線上であることに気付いた人がSNS上で見られましたが、もはや抵抗はやむなし。2015年改悪労働者派遣法の審議で与野党から大きく提起された「同一労働同一賃金」の実現を担保したかに思えた「働き方改革」ですが、加藤勝信・内閣府一億総活躍大臣(現厚労相)相が、巧妙に提出を後ずれさせてきました(参考エントリー

同一労働同一賃金法案の提出が、2017年後半以降にずれこみそう加藤働き方改革相NHK日曜討論【追記有】

)。なので、やっと提出してきた法案が、経団連が渇望している法案だというレッテル張りは、かなり苦しかったといえるでしょう。日本のみならず世界が低金利・低人口増加率の定常経済で、時間を定量的な価値とする、イギリス産業革命以来の働き方が軟着陸しつつあるのかもしれません。

【衆議院本会議 平成30年2018年5月31日(木)】

 おととい延期動議がでていた、「働き方改革関連法案」(196閣法63号衆修正)が混乱なく議題になりました。委員長は、政府原案を、自公維3党の提案により修正させて議決すべきだ、と本会議に報告しました。採決の結果、立国共の反対、自公維の賛成多数で「修正議決すべし」と決め、参議院に送りました。

 この後、議員立法5本を可決し、参議院に送りました。「もりかけ」と関係した、国土交通と文部科学ですが、与野党対立は一時休戦です。

 「鉄道軌道整備法の一部を改正する法律案」(196衆法25号)について、提出者である国土交通委員長は「黒字の鉄道会社でも3年連続赤字の路線は、激甚災害指定で国庫補助する」と理念を説明。採決で全会一致で可決し、参議院に送られました。

 「ドーピング防止法案」(196衆法26号)と「東京オリパラ特措法及びラグビーW杯特措法改正案」(196衆法27号)は、共産党の反対、自民・公明・立憲・国民・無所属の会などの賛成多数で可決し、参議院に送られましtあ。

 「スポーツ基本法改正案」(196衆法28号)と「祝日法改正案」(196衆法29号)は全会一致で可決し、参議院に送られました。

【衆議院内閣委員会 平成30年2018年5月31日(木)】

 「IRカジノ実施法案」(196閣法64号)。与党曰く「18連休」があったため、今国会恒例の朝8時30分からの参考人質疑。ていねいな審議で、きょうはそのまま散会。

【衆議院農林水産委員会 同日】

 「農薬取締法改正案」(196閣法50号)。農薬に対する15年ごとの再評価制度を新設。質疑が終わり、討論無し。採決され、全会一致で可決しました。

【参議院内閣委員会 同日】

 「地方分権第8次一括法案」(196閣法54号参先議)が審議されました。そのあと、採決。共由反対、自公立国などの賛成多数で可決すべしとしました。本会議に上程へ。

●参議院外交防衛委員会はありません、TPP11の審議入りは先送り。

●参議院財政金融委員会はありません、既に内閣提出法案はすべて成立済み。

【参議院総務委員会 同日】

 まず、「郵政事業のユニバーサルサービス確保するための独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の改正案」(196衆法24号)が古屋範子衆側・委員長から、趣旨説明されました。質疑では、共産党の山下芳生さんが、ユニバーサルサービスで、2005年に野田聖子・総務大臣が民営化に反対したことを評価するというニュアンスの発言をしました。採決の結果、全会一致で可決すべしと決まりました。


[画像]野田聖子総務大臣の隣で、郵政のユニバーサルサービス確保の法案を説明する公明党の古屋範子さん、2018年5月31日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 そのあと、一般質疑。

【参議院法務委員会 同日】

 きのう本会議で審議され、委員会におろされた、「民法18歳成年法案」(196閣法55号)が趣旨説明され、審議入りしました。与野党とも質疑。

【参議院文教科学委員会 同日】

 「文化財保護法及び地方教育行政組織法の改正案」(196閣法35号)。採決され、共反対、自公立国維などの賛成多数で可決しました。

【参議院厚生労働委員会 同日】

 「生活保護法及び生活困窮者自立支援法改正案」(196閣法20号)。質疑では、維新の東徹さんが「大阪府議会時代、生活保護をめぐって、娘の預金を分割したいとか、いろいろ相談を受けたが、断った」と発言。大臣が「リアルな話をありがとうございます」と語ると、東さんは「あいりん地区は大阪市内からも移り住む人がいる」と維新の牙城での様々な利権をあかしました。採決前に、立憲民主党の石橋通宏さんがジェネリック医薬品を使用させるとする生活保護・医療扶助をめぐる改正項目が、行き過ぎて改革してしまっている、との問題意識からの修正案を提出。これは、立憲と共産の賛同だけで、自民、公明、国民は反対して、否決。原案を採決し、賛成多数で可決すべしと決まりました。

 この後に、一般質疑をしました。

 このため、早ければ次回の委員会で、「働き方改革関連法案」(196閣法63号衆修正)の趣旨説明を受け入れることができると考えられます。その場合、当初会期内で5回委員会定例日があるということになります。ですから、場合によっては当初会期内に審議がはまることもありえます。

【参議院農林水産委員会 同日】

 定例日が重なる、衆議院農林水産委員会に続いて、午後1時過ぎから開会されました。理事が委員長席に座りました。「土地改良法改正案」(196閣法49号)が全会一致で可決しました。

●野党が委員長ポストをもつ3委員会はすべて参考人質疑でていねいな議事。

【参議院経済産業委員会 同日】

 国民の浜野喜文委員長が「省エネ法改正案」(196閣法51号)で参考人質疑。散会。

【参議院国土交通委員会 同日】

 国民の長浜博行委員長が「所有者不明土地活用促進特別措置法案」(196閣法52号)で参考人質疑。散会。

【参議院環境委員会 同日】

 立憲の斎藤嘉隆委員長が「気候変動適応法案」(196閣法27号)で参考人質疑。散会。

【衆議院情報監視審査会 同日】

 非公開。

【衆議院議院運営員会 同日】

 非公開。

【参議院議院運営委員会 同日】

 理事会が木曜日の朝9時に設定される、異例の日程。非公開。

エントリーの本文記事は以上です。

(C)2018年、宮崎信行。

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