男性向けエロとBL(というか女性向けエロ)の取り扱いの差について議論が沸き起こっているが、実は問題の本質自体はシンプルである(解決が簡単なわけではない)。以下が本質。
1. 男性は女性向けエロ(BL)を見ても(あまり)気分を害しない
3. 男性は男性向けエロを規制されること自体より、「自身を棚に上げた主張」に反感を抱いている
まず上記の1,2について、(特にちゃんと調べたわけではないが)生物学的な根拠があるのだと思う。たとえば人間をいち動物としてみた場合、メスを他のオスに取られることは、まあ残念かもしれないが本質的ではないダメージな一方で、オスを他のメスに取られると、妊娠時や子育ての面で大きなダメージがあるのでとか。とにかくここは、生物としての本能としてそういう感情を抱くことになっているだけなので、特に誰が悪いとかではないという話。
なので、最大幸福を実現するなら、男女それぞれが不快にならないラインで違いのエロを規制(まあ憲法上の表現の自由などの問題は別途あるが、ここでは一旦そこには触れない。なぜなら単に感情の問題でしかないから)すればそれで良い話で、事実今まではそうなっていた(男性向けエロの追いやられ具合が必要十分なレベルだったかは議論があるだろうが)。
ところが、藪蛇というか寝た子を起こしてしまったのが今で、それが3の「自身を棚に上げた主張」だ。1,2自体は先も述べた通り男女の生物的な区別によるもので、言うなれば男の方が身長が高いとか筋肉がつきやすいとかと同様のものであり、スポーツが男女別になっているように、理屈さえわかれば双方納得できるものであった。しかし、そのロジックに気づいていない人間たちが、結果としての現状を肯定するために、「BLは無害で男性向けエロは有害」というロジックを逆算してしまった。これが最大の不幸だと思っている。
結果、男性は現状「男性向けエロが規制されていること」そのものより、「女性向けエロ(BL)がのさぼっていること」に怒り、反発運動が始まっている。誰も得しない流れである。
なのでこの問題を解決したければ、男性たちは(感情的に難しいことは重々承知の上)異常な逆算ロジックを主張する者たちを無視し、ただ自身の対象の表現について最大限防御するように努めればよい。それは言われっぱなしで黙っていろというわけではなく、前提が通じないものとわかりあうことは不可能なので、生産的な方向にエネルギーを向けようという話である。
なお、これとは少しだけ軸をずらす問題として、男性と女性で、表現の責任を受信側に求めるか、発信側に求めるかの違いもある。男性向けは自衛の意識が前提になっている一方で、女性向けは発信側の気遣い(たとえば検索避けや、カップリング明記など)を前提とされていることが多く、これも規制という行為との相性に影響が出ているかもしれない。これについては、生物学的な性差によるものなのか、コミュニティとして過去にできた文化がそのまま受け継がれた後天的な要素なのかは、わからない。
生物としての本能としてそういう感情を抱くことになっているだけなので、特に誰が悪いとかではないという話。 これを悪くないとか言うからダメなんじゃないのか そんな生物の本能...