俺にはギターしかないんだ。このか細いたった六本のよくわからん紐に、45kgという成人男性としては軽くチー牛としては重い体重が乗っている。
他の選択肢を切り捨ててギターにのめり込んでいるとか、ギター触ってて楽しいなんてことも特にない。学生時代に気まぐれで初心者セット買って、バンド組める社会性社交性なんてもちろんないので冷房を聞かせた子供部屋で、パワーコードを弦と平行に行き来する。それに3ヶ月。弦を上下に行き来できるようになって1ヶ月。ソロを弾いて2ヶ月。そっから10年と半年くらい一日一フレーズ、数分触ってギタースタンドに置く生活。
青春の奇跡的な勢いと慣性、正確には惰性。誰も目をくれない空虚な人生の内側を、何の抵抗もなく、空気抵抗すらなく等速直線運動している死んだ木。
俺は子供部屋おじさん。必死な顔で、何もやっていない。かき鳴らすギターは日本では20年くらい前の個人ブログで「良い歳して浅い政治批判をしている」とだけ評されるパンクバンドのクソみたいな曲を表している。死んだ木の電飾もやはり死んでいて、ありえんほどジャックにガリが入っているが気にしない。声にすらしていない叫びはアンプに繋がれていない。ノブを回す気も起きない。俺のやる気フットスイッチを踏んでくれ、2回タップでモードが変わる。頼む。当方ボーカルギターベースドラムキーボード観客求む
デジタル分からないからアナログだけどリモートで手拍子してあげるよ
やろうよ当方ベース ドラムでもいい
VRChatでバ美肉してバンドやれば良いんじゃないかな
牛なのに軽すぎないか?