2023-02-10

田中秀和ってやっぱ凄いんだろうな

SpotifyWUGWake Up,Girls!)の曲をオススメリストにぶっこんできたか無視して「俺はI-1のが好きなんだよ!」とソッチを聞き始めた。

https://open.spotify.com/track/0wMRrXpTMJt1vaYKkWkFzf

『リトルチャレンジャー』だ……やはりコイツこそが「WUGに宿る悪意」を象徴していて最高だ……。

知らない人に解説すると、『Wake Up,Girls!』は駆け出しアイドルグループであるWake Up,Girls!テーマにした作品なのだが、その作品世界AKB立ち位置にいる時代支配者こそがI-1 Clubである

そんな世界支配者が「アイドルという偶像の演じるべき姿」として「挑戦者」を題材に歌うのが『リトルチャレンジャー』!

世界の頂点を取ったはずの連中が売れ線のテーマとして「自分たち挑戦者なのだ」と高らかに開拓精神を歌い上げるのだ。

ズルすぎるだろ!

王冠を戴くやつはチャレンジャーをやるな それはズルすぎるから

こんなことをされたらI-1の玉座簒奪にかかるその他大勢の反逆者たちはどんな物語を掲げろというのだ。

圧倒的強者による挑戦者宣言という「詰み」!

勝利勝利を呼び続け、売上が正義証明するアイドルという戦国時代象徴するかのような武力こそが善性たる世界の閉塞感。

その中で勝利者がレッドカーペット威風堂々と歩みながら自分たちはまだ何者でもないと言い張る姿を描き出すヒロイック楽曲として『リトルチャレンジャー』の納得感は非常に高い。

重厚にして軽快、駿馬に跨る重騎士が駆け抜けるような疾走感+力強さ=絶対的正しさ、その在り来りな英雄譚が纏うある種の安っぽさ、愚民達が求めるままに心を重ねられるヒーロー像、トップアイドル約束された勝利へ向けて歩みだす予定調和冒険譚。

王者の挑戦という矛盾違和感ではなく納得に変わる。

この曲を本当の挑戦者たる売れないアイドル達の側で聞くそ絶望感、挑戦という物語さえ奪われてしまったあとの空虚さ。

挑戦なんてものを謳うのは最高のアイドルがついでにやればいいことだから、売れない奴は諦めて業界を去れと囁かれているような。

もう残された道は誰も望んでいない無謀と無軌道だけだ。

そこからWUG物語は始まる。

『リトルチャレンジャー』はWUG世界に広がる無限の厚みを持って降り注ぐガラス天井象徴する最高の楽曲だ!

完璧だ。

文句のつけようがない。

オーダー通りの仕事とはこのことだ。


こんな人間がチャチな犯罪牢獄に入るのか。

勿体ねえなあ。

まあ本人が悪いんだけど。

まあ牢獄に入るのかも分からないんだけど。

そもそもケチがついて復活できるのか分からないんだけど。

それはそれとしてやっぱ凄いんだけど。

凄いんだけど。

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