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Weekend In 心は L.A.

音楽と楽器、そして海外に

 

Sugar Loaf Express(1977) by Lee Ritenour(2) Coverしてみた

Sugar Loaf Expressの Coverがようやく完成しました。
聞きながらお読み下さい。



1)曲の構成
イントロアルペジオから、前Theme ⇒ Gt.Solo ⇒ Fl.Solo ⇒ Vamp ⇒ 後Theme。
Vampは当然、渡辺香津美Ver.がヒントです。

この曲、メロディーが流れるように聞きごごちがいいので、シンプルに感じられます。
しかし、、、、まずThemeの譜面を上げておきます。ほぼ大昔にコピーしたものです。

SugarLoafExpress譜面
本ブログでは、Ab/Bb は分数コードを表しています。

Themeの構成は、最初の12小節(Aメロ)、中途の8小節(Bメロ)、最後の6小節(Cメロ)。
この後に8小節のアルペジオが入るのですが、ここは、D.C.と考えるのが正しいでしょう。私はThemeのDメロ的イメージでとらえていますが。

Themeメロディはコピーして弾けばいいだけなので問題ないのですが、ソロをとるためにはコード分析しないといけない。当初、ソロを弾かない予定だったので少し慌てました。

Aメロパートは、キーとスケールがどんどん変わって行くので、弾く前にどう解釈するのか考える必要があります。色々な捉え方があるでしょう。昔々、よく親友のキーボードと議論したっけ。冒頭のフレーズ、どこかで聞いたなと思った方、その通りです。
Ab/Bbの3小節はFm7/Bbと考えてもいいと思います。Fm7/Bbだとほぼ無意識にFドリアンを弾いてしまうので、私はAb/Bbと捉えるのが好きです。(その他、何か所か複数の解釈が出来るところがあります。コードが間違っているとか合っているとかではなく、私は〇〇と考えたよ、と提案してみるといいと思います。)

Bメロパートの、4→3→2→1(Key=A)は、普通の進行なので悩むことはないでしょう。Aメロの進行が山あり谷ありなので、ここはほっとする柔らかいフレーズを持って来るのが好みです。今回のアプローチは、Pat Methenyや渡辺香津美が Liveで時々やりますね。

CメロパートはC#m一発で弾くことも出来るので、ギタリストなら手癖フレーズをいくつも持っているでしょう。私は余りやりませんが、ブルース系が好きなギタリストなら、ブルーノートとチョーキングで弾くことも可能ですね。

こういう山あり谷ありのコード進行をどう弾くかは、その人の音楽ルーツが出てくるので面白い。ロックギタリストが普通に弾こうと思っても、なかなかそうは行かない進行です。それを Lee Ritenourが涼しい顔でサラリと弾いていたので、ギター小僧たちは皆、ひっくり返った訳です。


2021.8  ​Okhotsk Sea ​from Shiretoko Peninsula

2)ギターサウンド
青春の思い出とも言える曲なので、今回はギターサウンドの再現にこだわりました。
と言っていきなりですが、ギターはテレキャスで弾く。私のテレキャスは、外見はテレキャス用の細いフロントPUだけど中身はハムバッカー(セイモアダンカン製)に自分で交換しているので、テレキャスなのにこの音どうなっているの?とセッションで時々言われます。こんなことで自己満足するなんて、ギタリストって馬鹿ですね。

テーマとソロにはMXR Dyna Compを使う。カッティングは MXR Phase90。もちろん実機でなくNUX MG300。このエフェクターの再現能力は凄く、どちらも使っていましたが、記憶の音そのものです。
この曲のハイライト、アルペジオのコーラスは、NUX MG300のTC electronic Stereo Chorus+を使用。爽やかでいいね。
リバーブ等はDAW上でかけていますが、この3つのエフェクターで(今風のサウンドとは少し違う)当時の音が再現できたと思います。

3)フルートのサウンドメイク
フルートは、ソロ1コーラスとVampのオブリガートをお願いしました。色々考えましたとの連絡があったものの、最終的に送られてきた音源は、いつも通りさすがの出来でした。フルートって、もっとホンワカしたイメージだったのですが、フュージョン系にフィットする音色ですね。認識を新たにしました。

どうアプローチされるのか楽しみだったのですが、大胆なポリリズムでの演奏でした。
ソロは滑らかに、Vampは鋭いサウンドになるよう、サチュレーターやテンポディレイで色付けを変えてみました。


2021.8 Oshinkoshin Falls , Shiretoko

4)キーボード
エレピについては、Patrice Rushenのピアノが耳にこびりついているし、そんな流暢に弾けるわけもないのでBIABにお任せし、その代わりという訳ではないですが、クラビネットを弾いてみました。クラビで一番有名なのは、スティービーワンダーの Superstitionですね。打楽器のようなものでピアノとはまったく違う弾き方になる。

もともとキーボードの素養が無いので、BIABが弾いたのをコピーしたりで、Bメロパートの4-3-2-1のたった8小節なのに、結構手間がかかりました。ところが、このBメロパート、メロディが動くところなので、苦労したクラビのフレーズが浮かび上がってこない(泣)。ま、こんなこともあるさ。

5)ドラム、パーカッション
サンバなのでリズムはにぎやかでちょい泥臭くなって欲しい。ドラム1セットだとその雰囲気が出ないので、異なるドラムセットを2つ用意して、それぞれにサンバと16Beatをたたかせて合成する。自分のサンバの作り方は大体こうやっています。
もちろんバスドラがそれぞれ鳴っていたのでは、何が何だか分からなくなるので、バスドラ、スネアは2セットの間で分担をあらかじめ決めておく。そこに所々、パーカッションを加えて色付けをしました。

ともかくサンバは、リズム隊のドラムとベースで曲の7割がた出来たよ的にならないと、上に何を乗せても良くなりませんから。


2021.8 The Path to the Shiretoko Mountain

Sugar Loaf Express(1977) by Lee Ritenour(1) オンラインセッションの舞台裏

であげた仮音源と比較すると、ベースはほぼ同じフレーズですが、ベース音色を差し替えています。
他は多分、全部変わっていると思います。バッキングもあれこれ考えて作っていると手間もかかるしアイデアも出てくるので、仮音源で最後まで残る楽器は少ないですね。仮音源の構成は今回の記事通りなので、上の譜面と仮音源でソロをとって遊んでみて下さい。

そんなこんなで、今回もMisaさんとのコラボが完成しました。
いつかもう一度やってみたいと思っていた曲を、演奏することが出来て楽しかったです。

練習していたら、当時のことを思い出してしょうがなかったよ‥‥‥

River Yenisei (オリジナル) オーディオストック(AudioStock)その後(4)

ギターで作ってみたいのだけど?というブログへのコメントに、オーディオストックはまず音質ありきなので、ギターのような雑音に弱い楽器では難しいと思いますよ、と返信したことがありました。

それならギターで要求音質をクリアー出来るかどうかやってみよう、というのが今回のテーマでした。やるなら徹底しようということで、ギターとベース両方を弾いて録音することに。ついでにギターエフェクターNUX MG300 も使おう。このブログで、音質はとてもいいのだけどやや誘導ノイズに弱いと書いたので。その後、ACアダプターによってノイズ量が左右され、良質なアダプターではほとんどノイズが気にならないということがわかりました。
ベースはしまいこんでほとんど練習しないので、ベースラインを考えるのに少しかかってしまったよ。

そんな経緯で、最近審査を通った自作曲を。聞きながらお読み下さい。


※AudioStockという謎の声は、無断ダウンロードを防ぐために自動的に入るものです。
※このサンプルリンクは、かなりコンプレッションされていて、販売用に比べて音質が低下しています。



以前、オーディオストックを初めてやった時の感想を3回に分けて書きました。その時点では、オーディオストックをやっていくかどうか決めてませんでしたが、その後、ぽつぽつと曲をあげています。
今回は感想の続編です。

【その後、曲をアップしてみようと思った理由】

(1)(エンジニア面での)技術が、どの程度通用するのか判断できる

「オーディオストック、難しい」で検索すると、何度送っても落選する話が沢山出てきます。
音質の審査が、アマレベルにしては相当厳しいというのが原因です。
でも審査を通過している人が、既に1万人位いる(1/3位はセミプロ以上のようですが)ということは、今やアマチュアでこの水準の人が世の中に沢山いるということでしょう。

音楽を聞く人が皆、録音技術に興味を持つ必要などないと思いますが、最近の楽器演奏をやる人は、ミュージシャンだけでなく、ニコニコ動画の歌ってみたよの人まで、自分で録音をやっている人がとても多い。

「俺はギターを弾ければいいんだ、パソコン操作のどうこうなんていう難しいことはわからないよ。」
とカッコを付けているつもりが、今は苦笑される側になっている可能性がある。何もやらないで批判することほどカッコ悪いことはないので、この時代の流れに何か言いたいのであれば、自分で1回やってみてからの方がいいでしょう。

これまで審査に不合格になったことは無いので、DAWをある程度自由に操作でき楽器やMIDI録音をやっている、録音を波形として見ることに慣れている、この水準あれば、技術面でオーディオストック通過レベルに近いと思います。



(2)曲作りの練習になる

自分の接してきたソウル、ジャズ、フュージョン系では、オリジナルを演奏することはほとんどありませんでした。それでも、アラサーの頃にボーカリストを立てたバンドを結成した時、ベースが音楽理論に強い人で、たまに自作曲を持ってきて皆で演奏した。(そこではどうしてもやりたくて、キーボードを弾いてました。)それに刺激されて私も何曲か書きました。歌詞は書けないので、詞付けはベースさんにやってもらったけど(笑)

例えば、J-Pop的な曲を作ろうとすると、

★イントロ + Aメロ×2 + Bメロ + サビ+ 間奏 + B'メロ + コーダ
のような構成がスタンダードになります。

曲の作り方は人それぞれですが、私は、A(B)メロ、サビのコード付メロディを、8小節~12小節程度でそれぞれ10個位ストックし、それらを取捨選択し組合わせて1曲作るので、まともな曲を作るためにはかなりの労力が必要。当時はDAWなどないので、譜面だけだと頭に浮かんだノリを忘れてしまうので、要素毎に、ドラムマシンと自分の演奏でカセットテープに録音したりと、ともかく手間がかかる。

一方、オーディオストックの曲を作ってみてわかったことは、「ともかくシンプルに作ること」YouTube上での個人動画や企業CMのBGMに使われる、つまり主役は別にいるので、主役を立てる名脇役が求められる訳です。いわば「Aメロのみ」というようなものが求められている。確かに、NHKスペシャルのエンディングテーマ等、16小節位のループものとか多いですよね。自分で作っていると、どんどん転調するような曲を作ったりしがちなので、ここは要注意です。

また、曲のバリエーションが沢山登録されていることもわかりました。MIDIで曲を作っていると、メインメロディは生ピアノで作ったけど、シンセにしてSF風の曲にするのもいいな、なんて思ったことありませんか?こういう時は2つ作って、どちらも登録すればいい。曲申請画面にも「既申請曲のバリエーションですか?」というチェック欄がある位ですから。

メロディやコード進行がある程度書ける人であれば、★を1曲を作る労力で3,4曲作れそうです。



(3)マネタイズ意識の転換

前回、1曲、2~3000円なんてそう売れるものではないよ。オーディオストックでお金を稼ごうなんて無理でしょ。と書きました。

若いころ、シルバー人材センターのご老人が、朝早く駅前に立って放置自転車の整理をしているのを不思議に思っていました。夏も冬も早起きしてなぜあんなことをやるのか?公報に書いてある報酬額は、それで生活できるようなものではない。わずかな額を稼ぐためになぜ?と。

この歳になってその意味がわかってきました。人間は必ずしもパンのためだけに働くのではなく、自分の活動が何か役に立つと感じられることで、精神的な満足をえられるのだと。さらに、それで多少の金銭が得られれば、それに越したことはないということも。

もしかして、これと同じことかも?

家でCD聞きながらギターを弾いているのと、世の中のリスナー(というと大げさですが)とつながって、自分の能力が少しでも評価されるのとは意識としてずいぶん違う。わずか1万円程度のために手間と時間を割くなんて、と思っていたものが違って見えてきました。

コンスタントに収入に繋げるのは、一定の能力と相当の努力が必要ですが、音楽で自分の能力を活用できたら嬉しいし、月1万円だって何か音楽活動に還元できるはず。そんな楽しみ方を手に入れるのもいいのでは、と思いました。



今後の課題としては、「曲名と曲の解説が重要」

曲の利用者(購入者)がサーチする時は、1曲づつ端から聞いていっては時間がかかってしょうがないので、タグである程度絞って、曲名と解説でさらに絞って、これは良さそうだとなったものを最終的に聞いてみる、ということがわかってきました。

曲を作ったら早く申請したいということで、時間をかけずに処理していたのですが、これからはもっと重視しないといけないな。曲名の登録は未だにおかしいし。1曲づつ考えていたら時間がかかるので、テンプレートを作成がいいという情報あり。効率的に進めるためには、当然そうなるでしょう。

何をやるにしても努力は必要ですね‥‥‥

Sugar Loaf Express(1977) by Lee Ritenour(1) オンラインセッションの舞台裏

カラオケの最大のタブーは、前の人と同じ曲を選曲することだと聞いたことがあります。
同じ曲を歌って下手くそなら、「なにやってんだ」ということになるでしょうし、前の人より上手く歌おうものなら、「嫌らしい奴だな」となることは間違いないでしょう。
セッションでもまったく同じだと思います。音楽は競争じゃないからね。

そんなとんでもないことが1度、この曲 Sugar Loaf Expressで起こったことがあります。大学時代なので、いつのライブかは完全に忘れましたが、いろいろな大学の連中がいたので学園祭でないことは確か。

5バンド位が出たのですが、当日、演奏曲を突き合わせると、Sugar Loaf Expressを演奏するバンドが3つ。ついでに、Feel Like Making Love (ボーカル入り)が3バンド、Lovin' you was like a party(ボーカル入り)が2バンドと被りまくり。
当時の学生バンドシーンが、クロスオーバー1色だったエピソードです。
(大阪は全然違ったよ、という情報をつい最近、セッション友達のMisaさんから伺いました。)



自分も余裕で聞いてられるほど上手かった訳ではないので、前のバンドがSugar Loaf Expressを演奏しているのを聞いている時は、なんとも言えない気分になったことを思い出します。

悪夢が終わったライブ後の飲み会では、ギタリストが集まりギター談義に花が咲く。
Sugar Loaf Expressでは、何度も出てくるイントロ(ThemeのDメロとも考えられます)のアルペジオをどうやるかの話になる。当時は、Lee Ritenourの、セミアコ+Orange Squeezer+コーラスの音に全員やられていたので、皆どうやってあの音を再現するかで頭が一杯でした。

アルペジオの音の取り方も何通りかあった上に、当時のBossアナログコーラスの暖かい音は、Lee Ritenourの音とは微妙に違う。あれはデジタルコーラスを使わないと再現不能だよ、なんて話してた記憶があります。

この曲と同じように、印象的なアルペジオをイントロにした曲が結構ありました。今から考えると、当時のプロギタリストも、最新兵器のコーラスでアルペジオを弾くのが楽しくて、そういう曲を作ったのだと思います、絶対に。



お互い初対面のような場で、誰かがギターのアルペジオを弾くと、それに続けてドラムやベース、キーボードが追ってその曲を間髪入れずに弾く、そんな遊びが流行っていました。もちろん、その場に譜面など無いので1コーラス位で終わってしまうのですが。置いてきぼりにされないように、有名な曲の最初は、皆、暗譜していたっけ。

Sugar Loaf Express(Lee Ritenour)、Mermaid Boulevard(渡辺香津美)、Phase Dance(Pat Metheny)、Room335(Larry Carlton)、Breezin'(George Benson)、、、、、、、よくやりました。
(アルペジオではなく、カッティング始まりの曲も入っていますが。)

さすがに中高生ではなかったので、ツェッペリンのStairway to heaven やパープルのSmoke on the waterを弾く人はいなかったな(笑)



今回は思い出話に終始していまいましたが、そんな青春の1コマとも言える曲を1度オンラインセッションでやってみたいと思ったのが今回のスタートです。

いつもは、Coverが出来ましたとブログにアップするのですが、今回は、作成に時間がかかっているので、オンラインセッションの内輪を公開してみようということで、自分が作った仮トラックをあげてみました。オンラインセッションは、この仮トラックと私が作成したアレンジ譜面をメンバーに送付するのがスタートで、各自録音したものをミックスして完成させます。その後、アレンジを話すこともたまにありますが、バンドでなくセッションなので、基本は自己責任でこの仮音源にあわせて演奏・録音しもらったものを、Mixして完成させます。

今回のメンバーに配布したのは、10月1日なので、多分、今頃、最終的な録音に入っているのではないでしょうか。この仮音源が最終的にどんな形に仕上がるのか?多分、次回位に完成版をあげられると思います。よろしければギタリストの方は、仮音源にかぶせてギターを弾いて遊んで下さい。



この仮音源だけ聞いても楽しめないので、Sugar Loaf Express(1977) のLee Ritenour版を2つ、渡辺香津美版を1つあげておきます。

1つめ(Captain's Journey版)だけは、イントロが違います。私はこのイントロは余り好きではない。やはりSugar Loaf Expressはあのイントロアルペジオあっての曲ですから。

2つめ(Gentle Thoughts版)は、今、Amazonで見たらCDが5,770円って嘘でしょ。LP持っているけど、いくらで売れるのかな。

3つめの渡辺香津美版は、Gentle Thoughts(Lee Ritenourの当時のコンボ)との演奏なので、Lee Ritenour版ダッシュといってもいい。私はこのバージョンが一番好きです。通称、鯉のアルバム。

ついでにいうと、1つめのKeyはDave Grusin、2、3つめのKeyは、Patrice Rushenが弾いています。この2人、Lee Ritenourのお気に入りで、Liveは大抵どちらかとやることが多いのですが、まったく違うプレイなので聴き比べると面白い。自分は、圧倒的にPatrice Rushenのキーボードが好きですね。

さて、仮トラックがどんな感じに仕上がるでしょうか‥‥‥

Sugar Loaf Express(1977) by Lee Ritenour(2) Coverしてみた

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