秋川ライフ

「あ、これは良いかも！」とか思って衝動買いしたのに、実際はあま
り使っていないマテリアルってありません？

私の場合、そのひとつはユニストレッチ（UNI-Stretch）というマテリア
ルです。実際、4色（オリーブ、シャートリュース、ブラック、ブラウン）も
買ってしまいましたが、ずっとほったらかしで埃を被っていました。


＜Uni Stretch：今回はブラウンは未使用＞

先日タイイングデスクの周りを整理していて、埃を被ったUNI-Stretchを
見つけて、「これ、何かに使えないかな？」と気になり始め、この色の
バリエーションを活かして管釣り用の小さなニンフを異なるボディ色で
作ってみてはどうか試すことにしました。ベースになるフライは、これま
で実績のあるレッドタグニンフ（赤尻雉ニンフ）の16番。ボディにはフェ
ザントテールの代わりにユニストレッチを使うのですが、その他のパー
ツに関しては色のバリエーションはあるものの、ほとんどレッドタグニ
ンフと同じようにしてみました。

タイイングについては、記事末のビデオを参照していただければと思い
ますが、UNI-Stretchのボディはこんな感じになります。



UNI-Stretchを使う上で意識したポイントは次の3点です：
１）ニンフのお尻の部分のスレッドを残してUNI-Stretchを巻くこと
２）行きはフラットに帰りはマテリアルを撚って体節を意識すること
３）ボディの上はワイヤでリビングして補強すること


＜USB（UNI-Stretch Body）ニンフと呼びましょう！＞

オリーブ、ブラック、シャートリュースの3色のUSBニンフを揃えてみま
した（すべて16番）。最初に試作したオリーブでは、ワイヤの有無とそ
の色が違う物もあります。（ブラウンのUNI-Stretchはレッドタグニンフ
があるので今回は巻きませんでした。）

果たしてUSBニンフで釣れるのか？
どの色が効くのか？
魚にかまれた時の耐久性は大丈夫なのか？

などなど、試してみたかったので、元になったレッドタグニンフで実績も
ある秋川湖に行ってみました。

＜2024.12.6 秋川湖、晴れ 8～16℃、時々強風、水質濁りあり＞

結論から言うと、あまり釣れなかったので、細かくチェックはできません
でした（…苦笑）。

どのフライが良かったかと言えば、オリーブが1番、ブラックが2番、そ
してシャートリュースは一度もアタリが見られませんでした。サンプル
数は少ないですが、この日に限って言うとオリーブに一番アタリが出
て、一番釣れました。ただし、ヒットフライって釣り場も含めたその日の
状況で変わるものでしょうから、これが絶対評価とはならないとは思い
ます。それでも、同じパターンで色が違うだけで魚の反応が全く変わ
るということを再認識することができました。

テスト方法としては、それぞれ、20～30分ほどいつものシステムでフ
ライを沈めてナチュラルに流して釣果を競いました。


＜最初の1尾のヒットポイント＞

8時過ぎ、最初に試したオリーブは第一投目から魚が出て（バラしまし
たが…）、その後もコンスタントにアタリがあり、開始から7分後に最初
の1尾が釣れました。ただ、アタリが続く中、開始から20分くらいで水
底の何かにフライを引っ掛けてロストしてしまったため、ブラックに変更
しました。

ブラックは、最初はすぐにアタリがあり、3分後に一尾釣れたのですが、
10分位経つとアタリが止まってしまいました。同じレーン内の魚はスレ
てしまった可能性もありと見て、「いつもの場所」が空いているうちに
場所を移動することにしました。



移動先はあまり人気がない釣り座ですが、私的には実績があるので、
こちらでブラックをしばらく使い続けましたが、アタリが出ません。

そこで、シャートリュースに交換します。個人的には、シャートリュース
には結構期待していたのですが、反応が得られません。30分ほど粘
りましたが、全くダメでした。

そして、リビングなしのオリーブにフライを替えてみると、いきなり1投
目で、上の写真の岸際から45cmが釣れました！


＜この日3尾目は、45cmのレッドバンド＞

ブラックとシャートリュースで既に何度も流したポイントでいきなり釣れた
のですから、オリーブ＞ブラック＞シャートリュースは確定と言って良い
かもしません。（もちろん、この日の秋川湖に限ったことなのかもしれま
せん。）

リビングはあってもなくても釣れたことになります。ワイヤの色は黒でも
コパーでも、反応が得られました。ということは、ベースのボディ色が最
重要ということなのかもしれません。細いワイヤは魚に噛まれて切れる
こともありますが、ないよりあった方がフライの耐久性を保ってくれるか
もしれません。もし切れたら、取ってしまっても良いでしょう。（ちなみに
今回は釣果が少なくて耐久性のテストにはなりませんでしたが、残って
いた使用フライの中で壊れたものは見当たりませんでした。）

9時半位から時々強風が吹き、小さなインジケーターの釣りは段々厳し
くなってきました。波立つ水面にインジケーターを見失うこともしばしば
でした。

10時ごろには、そもそもUSBニンフの元になっていて秋川湖でも実績が
あるレッドタグニンフを試してみることにします。ところが、何とこのフライ
でもアタリがほとんどありません。ということは、そもそもこのパターン、
今日の当たりフライとは、なり得なかったのかも…（汗）。

このフライの汚名挽回は15分後でした。流し終えたレッドタグニンフを
回収しようとゆっくり引っ張ると魚がフライに追い食いして、4尾目を追
加できました。

その後もう一度ブラックを試してみますが、NG。そろそろ釣果も欲しい
ので、検証からは外れますが、シースルーニンフに変更して、大きな鱒
が掛かりましたが、痛恨のバラシ…（泣）。

さて、11時になったので一端お昼休憩にして、後半戦はいつものように
スイッチロッドに持ち替えて、対岸の小島のそばまで釣ることにします。

前半戦は、釣れる釣れないよりフライテストに時間を費やしてしまったた
め、気合を入れたいところです。フライは色々試します。



11時40分頃、ロッキーフォードスペシャルをあの木の下まで流して入れ
て、長いロッドを縦にちょんちょんと動かしてから、そのまま大きくロッド
ティップをスゥーっと上にあげて行くと、確かな手応えがあり、本日5尾目
が釣れました。

前半戦の1尾にヒントを得た訳ですが、再現性がないと意味がないので、
その直後にも、ほぼ同じ場所で全く同じやり方を試してみると…、



もう1尾、ニジマスが釣れました！

魚が溜まっていそうな場所にフライを届けたら、「ちょんちょん、スゥー」。
この釣り方、覚えておきたいですね。

12時過ぎに今度はフライをテールレスフェザントテール（14番）に替える
と、2尾連続でいずれもフライをドリフト中にしっかりとアタリが出て釣れ
ました。


＜2尾目のヒットポイント＞


＜2尾目は45cmのナイスサイズ＞

他のフライでは全くアタリが無くなったのに…、
ひょっとして、今日のヒットフライはこのフライだったのかもしれません。

しばらくすると、性懲りもなく、前述の木の下ポイント辺りにこのフライを
届けて、「ちょん、ちょん、スゥー」を再度試します…。


＜9尾目は本日MAX 51cm！＞

ほうら、今度は51cmのホウライマスが釣れました！
この1尾が本日9尾目でした。

「さあ、あと1尾だ」と思ったのですが、強風の頻度も上がり、どんどん
釣りにくくなります。


＜流れとは反対方向の強風＞

風の合間にフライを流しますが、いよいよインジケーターも見ずらくな
り、久々に玉ウキのようなシンガマボッパーを使用して対応するもやは
り釣れず、やっと掛かった1尾もバラシてしまい…、



14時過ぎ、本日9尾で終了となりました。

さて、ポテンシャルは感じたものの「爆釣フライ」とまでは行かなかった
USBニンフ…、テストは今後も続ける予定です。

＃＃＃　USBニンフのタイイングビデオ　＃＃＃



＜USB（UNI-Stretch Body）ニンフ、オリーブ＞
・ フック： （テスト用なので中華製格安フライフック）#16
・ ビーズヘッド 5/64
・ スレッド：UNIスレッド 8/0 Dk Brown ※
・ ボディー：UNI-Stretch、オリーブ ※
・ テール： 雉のフェザーファイバー ※
・ ソラックス：ピーコック・ハール（Dyed Orange）
・ リビング：X-Fine コッパーワイヤ
・ レッグス：パートリッジ ※

※ ボディカラーにより、異なる色や素材を使うことがあります。