秋川ライフ

しばらく釣りに行けそうにないので、YouTubeの釣行ビデオを見て
いたら、アブフライがフィーチャーされていました。ベンジョアブも含
めて過去に色々巻いたことはあるのですが、もっと簡単にオリジナ
ル版が作れないものかと、以前から温めていたアイディアを試すこ
とにしました。



いつも使っているロイヤルオーストリッチの派生形となりますが、
カーフテールのウィング付きで、カーブドフックを使ってテールはあ
りません。ピーコックハールのボディに黒いオーストリッチハールの
ソラックスは、ROの逆の組み合わせになります。



ROに対して、ロイヤルピーコック（RP）とでも呼んでおきましょう。
狙いとしては、渓魚からはアブにも見えるし、羽根を広げて水面に
落ちた甲虫にも見えるかもしれません。

タイイング時のポイントをいくつかご紹介した後に、水に浮かべた
際の姿勢についてもちょっと考察してみたいと思います。

＜ロイヤル・ピーコック：使用マテリアル＞
・ フック： Maruto c46FWBL-4XF #12
　（細軸バーブレスのカーブドフックです）
・ スレッド：ダークブラウン
・ ウィング：カーフテール（白）
・ ボディ：ピーコックハール（ダイドグリーン）
・ リビング：エキストラファインワイヤー（赤）
・ ソラックス：ミニオーストリッチハール（黒／毛先の短いもの）
・ ハックル：コックハックル（本当はダーク系が良いかな？）



カーフテールのウィングは斜め前方45度に傾けます。これは、
後述するフライの浮く姿勢にも関係してきます。この場所にパラ
シュートポストを立てるというオプションもあるのですが、アブの
羽根が欲しかったので、他のマテリアルで後付けするのではな
く、カーフテールで万歳しているアブ／甲虫のウィングとしました。

アブドメンはギラギラ系のピーコックハールを使いますが、アブの
体節も表現したいので、補強も兼ねて赤いエキストラファインワイ
ヤーでピーコックハールとは逆巻きでリビングしました。



ファイバーの短いミニオーストリッチ（黒）を2本取り付けてから、
その前にハックルを留めて、スレッドはアイ側へ移動し、まずは、
オーストリッチをハックルの後ろ側に一回巻いてから前方まで巻
き進めて留めます。ハックルはオーストリッチハールの上をハック
リングします。黒いオーストリッチはアブのフカフカな胸毛を、ハッ
クルは一応レッグを見立てています。



今回はタイイングデスクに転がっていた、ブラウン系とグリズリー
のハックルで2種類巻いてみましたが、アブの脚ならソリッドな
マーチブラウンやブラックハックルの方が良いかもしれません。

さて、タイイングを終え、ドライディップに漬けてから乾かしたフラ
イ（グリズリー版）をティペットに結んで、水の入った瓶の中に浮か
べてみました。


＜左が最初に入れた状態、右がある処理をした後の状態＞

浮かべてみて最初に気付いたのは、このフライはスタンダードな
フライのように立ったハックルファイバーの先端で横向きに支えら
れるのではなく、巻いたハックルの「面」で支えらて縦に浮かぶと
いうことです。そもそもテールがなく、ベント側が重いのですから
当然と言えば当然ですね。

そして、最初に入れた状態では、カーフテールのウィングがあまり
立たずにべたっと水面に貼り付いています。これは、フライを巻い
た直後にハックル全体を前面に倒すように癖をつけていたからだ
と思われます（冒頭2枚目の写真参照）。

そこで、フライの上側のハックルファイバーだけフックから垂直に立
つように戻して、ハックルから前だけに再度フロータントを塗布しま
した。すると、右の写真のようにウィングが水面より立つようになり、
インジケーターの役割をより果たせるようになりました。



狙ったのは、画像の赤い面が水面に来るようにハックルの角度を
調整することです。ちなみに、フロータント施工直後は、次のように
より斜めに浮かぶこともあります（冒頭の写真も同様）。



こちらが本来目指していたフライの姿勢ですが、それでも、渓魚達
にとって水中から何に見えるかは不明です…（汗）。

実釣テストへと行きたい所ですが、下手をすると今シーズンはもう
ダメかもしれませんね。（テレストリアルの季節も終わりますし…。）