シー‐エヌ‐エス‐エー【CNSA】
中国国家航天局
分類:宇宙開発機関
名称:中国国家航天局/China National Space Administration(CNSA)
国名:中国
本部所在地:北京
設立年月日:1993年6月
中国は1960年代にゴビ砂漠の南辺、甘粛省(カンスー)の酒泉(チウチュワン)付近に東風(ドンフ)ミサイル射場を開設、1966年には東風1型(CSS-1)中距離弾道ミサイルの試射に成功しました。1970年4月、東風3型(CSS-2)を改造した長征1型ロケットで東方紅1型衛星の打上げに成功、旧ソ連、アメリカ、フランス、日本に次ぐ5番目の人工衛星打上げ国になりました。
当初、中国の宇宙開発は中国航天工業部(MOA)が中心になって進められており、1988年には宇宙工業部を合併して航空航天工業部(MOS)となりました。1992年、社会主義市場経済への転換を決めた中国政府は、宇宙産業の分野でも政府予算に頼らず、事業収益による独立採算運営をめざし、1993年6月に中国国家航天局 (CNSA)と、中国航天工業公司(CASC)を設立しました。中国国家航天局は国家機関、中国航天工業公司は国営企業と運営形態はことなりますが、指導部は共通なので実質的には同一組織が政策と運用を分担しているような形になります。
1.どのような組織になっているの?
中国国家航天局および中国航天工業公司は、国務院宇宙指導グループ(国家宇宙指導小組)の下に編成されており、下部機関として上海宇宙局、海南宇宙センター、西安無線技術研究所、北京工業環境試験センター、北京制御工学研究所、中国輸送ロケット研究所、中国宇宙技術研究所などがあります。
長征ロケットなどを製造する国営企業、中国長城工業公司は、中国航天工業公司の下部組織です。
また、酒泉、四川省の西昌(シーチャン)、山西省太源(タイユワン)にある3カ所の宇宙センターと西安衛星追跡センターは、国務院中央軍事委員会の下部組織、国防科学技術工業委員会中国衛星打ち上管制局が管轄しています。
2.地図上ではどの辺にあるの?
中国の北京に本部があります。
3.ロケットはどこで打ち上げるの?
酒泉宇宙センター、西昌宇宙センター、太原宇宙センター、海南宇宙センターの4カ所がありますが、主力ロケット、長征3号による静止軌道への商業打上げは西昌からおこなわれています。
4.これまでのおこなった宇宙計画とこれから予定している計画にはどんなものがあるの?
中国の宇宙開発は弾道ミサイル技術の延長線上で、独自に進められましたが、宇宙科学などにはさほど熱心でなく、1980年代中盤になって国際協力が得られるようになるまで、中国の宇宙計画が国際的な評価を受けることはありませんでした。しかし、1999年11月20日に長征2Fロケットで無人宇宙船「神舟」(シンチォウ)の打ち上げに成功しています。中国は何度か無人飛行を行なった後、ソ連、アメリカに次いで3番目の、有人宇宙飛行を目指す計画です。
中国はその一方で、1986年から長征ロケットによる商業打ち上げビジネスを開始(初打上げは1990年)しています。費用が他の商業ロケットに比べて安上がりなのが特徴ですが、成功率が低くハイリスクなこともあって人気は下がり気味でしたが、1996年10月以降からは連続18回打ち上げを成功(2001年1月現在)させており、信頼性を向上させています。
5.これまでに開発したロケットで代表的なものは?
地球低軌道(LEO)向けの長征2C、2D、2E、静止トランスファ軌道(GTO)向けの長征3、3A、3Bおよび2E/EPKM、太陽同期軌道向けの長征4A、4Bなどがあります。
6.これまでに開発した人工衛星で代表的なものは?
実践(SJ)科学観測衛星、同歩静止通信衛星(STTW)、東方紅(DFH)静止通信衛星、風雲(FY)気象衛星、FSW多目的衛星、CBERS地球資源衛星(ブラジルと共同)、神舟無人宇宙船があります。
CNSA
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 04:10 UTC 版)
- 中国国家航天局 (China National Space Administration) - 中華人民共和国の国家行政機関の一つで、同国の民用宇宙開発を管轄する機関
- 商用国家安全保障アルゴリズム (Commercial National Security Algorithm) - アメリカ国家安全保障局によって公布された暗号化アルゴリズム
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