防弾タンク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 05:08 UTC 版)
7.7mm弾対応防弾タンクを持つ一型をもって、7.7mm機関銃(.303ブリティッシュ弾仕様ブローニング Mk.2)装備のハリケーンやB-339系(F2A バッファロー)と交戦した開戦劈頭の第59戦隊・第64戦隊では、一式戦(一型)の防弾は十分に効果があったと判定されている。戦隊は新鋭一式戦や戦況について内地へ多数報告しているが、その中には「防弾タンク効果あり」の一文が存在している。 二型で採用された12.7mm弾対応防弾タンクにおいても、相応の実用性は確認されている。航技研第2部で防弾装備の研究・開発にあたっていた今村和男航技中尉は、鹵獲したB-17Dを参考にして12.7mm弾対応の新型防弾タンクを実用化する。合成ゴムのネオプレンを使用したアメリカ軍機の内装式は技術的制約から日本では製造できないため、天然ゴムをタンク外側に貼った外装式とし、肝心の耐弾性に関しては研究の結果、ゴムに加える硫黄の量を減らすことでゴムは割けずに膨らみ溶けて被弾した割け目を塞ぐことに成功し、この外装式でも対12.7mm弾なら一応持ちこたえる能力を発揮した。この新型防弾タンクについては第一線部隊から感謝の電報が送られたうえ、今村中尉ら航技研第2部の開発陣には第2号目となる陸軍技術有功章が陸軍大臣から授与された(授与第1号は三菱の一〇〇式司偵開発陣)。
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