天然ゴム
天然ゴムは、東南アジア、南アメリカの熱帯地方で栽培するゴムの木の幹に傷をつけ、そこから分泌する乳液を採取して液状のまま安定剤を加えたラテックスと、水分を除去して煙でいぶしながら乾燥させた固体のスモークドシートがある。天然ゴムはSBR(スチレンブタジエンゴム)やBR(ポリブタジエンゴム)などの合成ゴムに比べて内部発熱が少ない、疲労耐久性がよい、金属との接着の耐熱性が高いなどの特徴があり、防振ゴムやトラック用のタイヤに使用されている。
天然ゴム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 13:39 UTC 版)
天然ゴムはクリストファー・コロンブスによって1490年代にヨーロッパ社会に伝えられた。1493年、カリブ海の島に立ち寄ったコロンブスは大きく弾むゴムボールを見て非常に驚いたと伝えられている。コロンブスによってゴムはヨーロッパに伝えられたものの不思議な物質として珍重されたがその後200年間は特に実用化されなかった。 1736年、フランスのシャルル=マリー・ド・ラ・コンダミーヌが南米を訪れた際、原住民がゴムの樹液から防水布やゴム靴などをつくっている様子を本国に報告したことからゴムの実用化が進められるようになった。 パラゴムノキの幹から採取されるラテックスを凝固させたものは高い弾性限界と弾性率の低さを併せ持ち、後世ヨーロッパで産業用の新素材として近代工業に欠かせない素材として受容され、発展することとなった。そのため、パラゴムノキ以外の植物からの同様の性質のゴムが探索され、また同様の性質を持つ高分子化合物の化学合成も模索されることとなった。この一群のゴムを弾性ゴムと呼び、イギリスの科学者ジョゼフ・プリーストリーが鉛筆の字をこすって (英: rub) 消すのに適することを報告したこと(消しゴムの発祥)から、英語ではこするものを意味するラバー (rubber) とも呼ばれることとなった。 また、天然のゴム類似物質としてガタパーチャ(グッタペルカ)が知られるようになった。 19世紀末、グッドイヤーによる加硫の発見によってゴム工業は大規模な工場生産へと変化した。さらに1888年のダンロップによるニューマチックタイヤの特許取得によりゴム素材は自動車用タイヤに用いられるようになり自動車工業の勃興にもつながった。
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