補助治水ダム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/05 09:47 UTC 版)
都市の発展とともに、次第に宅地化が進展するにつれて中小河川での洪水被害が顕著となり、これを抑えるための河川改修が必須となった。ところがこのような河川の場合では住宅地を流れているケースも多く、堤防建設は家屋移転の補償費用が莫大なものとなることから次第に不可能になりつつあった。このため上流にダムを建設して治水に充てようとしたが、従来の「河川等災害助成事業」では、国庫から支出される助成金が最大でも被災金額の二倍が上限という規定があり、これでは十分な河川改修が遂行できないという問題が発生した。 これを解決するため、1967年(昭和42年)に制定されたのが「補助治水ダム制度」である。これは都道府県営ダムである多目的ダムが、建設に際して国庫補助を受けることが出来るという制度、補助多目的ダム制度を治水専用ダムにも援用しようとするものである。これによって必要な事業費の捻出(ねんしゅつ)が可能となり、1972年(昭和47年)に秋田県で完成した旭川治水ダム(旭川)を皮切りに全国各地で治水ダムが建設されるようになった。現在治水ダムは全国で215施設(建設中のものも含む。財団法人日本ダム協会調べ)があり、近年では国土交通省直轄の治水ダムも建設が進められている。
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