烏水
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/09 14:32 UTC 版)
「BLACK BIRD (漫画)」の記事における「烏水」の解説
烏天狗の一族。天狗は高等な妖。長の親衛隊的存在である八大天狗(はちだいてんぐ)は、臣下の中から実力の優れた者を選出する。それぞれ役職名が付けられている。また、男性の天狗には全て「う」で終わる名前,女性には「花」の名前がついている。 役職名は「天狗経」に登場する八大天狗から取られている。 烏水 匡(うすい きょう) 声:子安武人 / 演:松村優 烏水一族の長。20歳(最終話では28歳)。183cm。1月9日生まれ。 次男で、幼い頃は正式な嫡男・祥の臣下に下ることになっていたが、実沙緒との約束を守り、10年かけて、当主になった。幼い頃兄の祥に傷つけられる実沙緒を守りたいと思い、血のにじむような努力の末に実沙緒のために長になった。実沙緒の学校では副担任であり数学教師。 渡辺頼光に調伏されかかって重傷を負った事件がきっかけとなり、頼光の調伏に耐える力を身につけるため実沙緒を抱く決意をする。そして実沙緒と結ばれ、「最強の妖」となったが、それによって他の妖怪達が人間への無差別攻撃を開始する事態を招き、更に反魂の術で蘇った兄と争うこととなり、その末に自らの手で兄を討った。 祥との戦いに決着をつけた後、実沙緒の妊娠を知ったのを機に彼女と結婚。しかしその後、実沙緒を狙ってきた妖怪から「仙果の娘は出産と同時に死ぬ」事を聞かされ、実沙緒を死なせたくないと願うあまり彼女に子供を堕胎するよう嘆願したが、実沙緒の強い決意を知って考えを改め、彼女を延命させる方法を探すこととなる。 実沙緒を大切に思うあまり彼女だけを生かそうとしており、終盤で父から聞いた「保存の術」を実沙緒にかけて彼女を生かそうとする。更には実沙緒の死の原因になり得る自分達の子供に憎しみを抱き、実沙緒の死後は彼女の後を追って死ぬと決めていた。しかし、後に実沙緒がストレスにより倒れた際に彼女から夢の中で子供に会ったことを打ち明けられ、同時に「バラバラの時間を生きるのではなく二人で一緒に生きたい」と伝えられる。それにより考えを改め、子供が生まれるときまで実沙緒のそばにいる事を決めた。 実沙緒の出産後、生死の境をさまよった彼女を助けるために口移しで実沙緒から「預かっていた」仙果の力を返し、その結果実沙緒の命を繋ぐことに成功する。その後は足が不自由になった実沙緒に寄り添い続け、彼女のリハビリにも付き添っていることが語られた。 烏水 祥/僧正(うすい しょう/そうじょう) 声:櫻井孝宏 / 演:神田聖司 八大天狗の一人で匡の兄。22歳。180cm。烏水一族の嫡男。弟の匡を凌ぐ力の持ち主だったが、太郎達三兄弟の事件で臣下の心が離れ、跡継ぎの座を追われる。蠱術を得意とする。 実沙緒には特別な感情を抱いており、幼い頃によく彼女を傷つけていた。臣下に下ったのちも二度にわたって実沙緒を襲う。後にある事件により僧正の位を剥奪されて蔵に幽閉されることとなった。その後、蔵が崩壊した際に実沙緒をかばって蔵の下敷きになり命を落とすが、何故か遺体は見つからなかった。 実は彼の支持者である琅が反魂の術をかけたことにより、生前をしのぐ大きな力を持って蘇生していた。後に匡と実沙緒が結ばれると妖怪を指揮して人間への無差別攻撃を行い、その後匡達がいる天狗の郷に帰還すると同時に自分の支持者達を率いて匡との争いを繰り広げた。その争いの最中に実沙緒に自分の想いを伝え、今までのけじめをつけるべく自分の支持者に「今後は匡に仕える」ことを約束させて弟との一騎討ちに挑んだ。最後は一騎討ちの末に敗北したが、その直後かえでがかけた反魂の術により暴走。実沙緒によって一時的に暴走が止まった後、匡に討ち取られて二度目の死を迎えた。 その後は天狗一族に逆らった逆賊と見なされ、死後は墓を作ることも許されなかったことが語られている。 実は「仙果録」の結末を知っており、実沙緒を延命させるための方法を独自に探していた。その過程で「仙果の娘は夫となる妖怪にエネルギーを分け与えるのではなく『預ける』のであり、夫が仙果の娘から預かり保存していたエネルギーを返せば仙果の娘は生き長らえることが出来るのではないか」という推測を独自に行っていた(このことは生前祥が書き残していたメモにも記されていたが、断片的な内容だったこともあって匡や楊は「保存」を「保存の術」のことであると間違えていた)。 烏水 楊(うすい よう) 匡と祥の父親で先代当主。51歳。182cm。5年前に姿を消し、音信不能になっていたが匡の屋敷に姿を現した。 祥の残虐性を知ったことから彼を次期当主の座から外し、次男の匡を次期当主に推そうとしていた。しかし協力者を募っていた際に偶然にもそのことを知ったゆりが長老達に密告したため計画が露見、当主の座を追われてしまう。その後、妻の行いを知って彼女に手を上げてしまい、数日後に妻の自殺を知って責任を感じ、天狗の郷から姿を消していた。 物語の後半で匡達の下へ戻り、実沙緒にはゆりの死の経緯を、匡には妖怪と手を組み人間を襲っていた黒幕が天狗の中にいることを教えた。その後匡と祥の一騎討ちの際に彼らの間に入り、片腕を失う。 物語終盤では実沙緒の延命の方法を探す匡に対し、保存の術のことを教えた。また、この段階で実沙緒の母・陽子と面識があることが明かされている。 烏水 ゆり(うすい ゆり) 匡と祥の母親で楊の妻。故人。庇翼院で育ちここで初めて楊と出会った(庇翼院については下記を参照)。出会ったときはゆりは7歳、楊は18歳と年は11歳離れていたが、10年後楊の妻になった。その後は二人の子供を授かり幸せに暮らしていたが、ある時楊が祥ではなく次男の匡を次の当主にしようとしていたことを知り、その事を天狗の長老達に密告し楊が当主の座を追われる原因を作ってしまう。そのため夫が当主の座を追われたことに責任を感じ、服毒自殺してしまった。 令/相模(りょう/さがみ) 声:石田彰 / 演:太田将熙 八大天狗の一人。24歳。181cm。正式な名前は「令」。唯一の既婚者で匡のいとこ・あやめの夫。伯耆(悠)の兄でもある。実はかなりの愛妻家。いつも落ち着いており、匡に適切な意見を述べる。 最終章では仙果録の結末を知って実沙緒だけを生かすことを考えていた匡を諫め、彼に「実沙緒との子供は彼女が生きていた証、その子を諦めてはならない」と助言した。 実沙緒が無事生き長らえることが出来るようにとの願掛けから髪を伸ばしており、最終回では実沙緒が助かった後その髪を切ってショートヘアになった。6年後も弟・伯耆と共に変わらず匡に仕えている。 悠/伯耆(ゆう/ほうき) 声:宮田幸季 / 演:正木郁 八大天狗の一人。15歳。170cm。正式な名前は「悠」。相模の弟。相模曰く「善悪の区別がつかない」らしい。 最終話では6年後も兄の相模と共に匡に仕え続けていることが語られた。 剛/前鬼(ごう/ぜんき) 声:吉野裕行 / 演:碕理人 八大天狗の一人。20歳。175cm。匡の嘘で一時期、実沙緒にシスコンだと思われていた。大阪生まれで、関西弁で喋る。兄弟は20人。すみれという妹がいる。本名は「剛」。 最終話では庇翼院の院長になるべく修行を積んでいることが語られた。 丈/豊前(じょう/ぶぜん) 声:小西克幸 / 演:横山真史 八大天狗の一人。26歳。190cm。青い目をしている。花柳病の噂も流れたが、匡の嘘である。実は匡の母・ゆりに想いを寄せていた。先代から豊前の役で、本名は「丈」。 最終話では八大を辞して地方の任を得、天狗の郷を離れていたが、颯の誕生日に匡の屋敷を訪れて匡や実沙緒達と再会した。 太郎(たろう) 声:仲西環 八大天狗の一人。三つ子の長男。6歳(最終話では12歳)。110cm。兄弟の中で1番できが悪いらしく、手元に置き鍛えてくれる匡のことを尊敬している。料理、家事、花の世話が得意。 最終回では、弟達と共に颯の世話係となっていることが語られた。 次郎(じろう) 八大天狗の一人。三つ子の次男。6歳(最終話では12歳)。ちょっといじわる<せこい>。勉強が特意で三つ子の中で一番優秀だと言われている。 最終話では颯の世話係となっており、颯に勉強などを教えている。物語の最後に実沙緒と匡の顛末を全て記録しようと決意し、烏水一族の「仙果録」を執筆した。 三郎(さぶろう) 八大天狗の一人。三つ子の三男。6歳(最終話では12歳)。アフロヘアーで、太郎・次郎と同じサイズの帽子はかぶれない。3人の中で一番怪力。 最終話で成長した姿となって登場。アフロヘアだった髪は長いドレッドヘアとなっていた。 また、最終話では太郎・次郎・三郎の妹と思われる三つ子の姉妹が登場している。 江/僧正(こう /そうじょう) 演:中谷知彦 元八大天狗。祥の世話係を勤めていたが、祥が幽閉された後新しい僧正に任命される。しかしそれは匡が江がどう動くかを検証する為のものであり、結局はお役目をすぐに解かれた。 烏水 あやめ(うすい あやめ) 演:花奈澪 匡の父方のいとこ。相模の妻。23歳。162cm。 体は病弱だが心は強い。後に治療薬として実沙緒の血をもらい、見事に回復した。儚く細い美人で、実沙緒曰く鑞梅に似ているらしい。小さい頃、匡のために「水鏡」で遠くの人間界にいる実沙緒をみせていた。 最終話では相模との間に年子の子供を授かったことが語られている。 烏水 颯(うすい そう) 最終章で登場する実沙緒と匡の子供。子供時代の匡にそっくりな容姿を持つ。実沙緒の胎内にいたときに実沙緒の夢の中に現れ、彼女に自分の名前を伝えた。名前の当て字は匡が考えたもの。 最終回では6歳になった颯が登場する。
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